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旅行
大分県の名物|とり天・関あじ関さば・かぼす、市町村ごとの本場と持ち帰り方
公開: 2026-10-31 | #大分 #名物 #九州 #グルメ
別府と由布院の宿の夕食には、とり天も、だんご汁も、関あじも、かぼすも出てきます。 ただし温泉街で食べるそれらの本場は、海沿いの港と、内陸の盆地に散っています。
とり天は別府、唐揚げは宇佐と中津、関あじ関さばは大分市の佐賀関、城下かれいは日出町、かぼすは臼杵と竹田、やきそばと小鹿田焼は日田。 温泉街の食卓に出るものの本場を、市町村の順にたどります。港まで行く価値のあるものは、それと分かるように書きます。
市町村ごとの名物一覧
| 市町村 | 名物 | ひとこと |
|---|---|---|
| 別府市 | とり天・地獄蒸し・別府竹細工 | 1926年創業のレストランで生まれた揚げ物 |
| 宇佐市・中津市 | 唐揚げ | 専門店の発祥は宇佐、店の多さは中津 |
| 大分市佐賀関 | 関あじ・関さば | 1996年に商標登録された日本初のブランド魚 |
| 日出町 | 城下かれい | 城の下の海底から真水が湧く |
| 臼杵市・竹田市・豊後大野市 | かぼす | 全国の99%が大分県 |
| 県全域(主産地は豊後大野市) | 乾しいたけ・豊後牛 | 乾しいたけは生産量日本一 |
| 県全域 | だんご汁・やせうま | 小麦の平たい団子を、汁にもおやつにも |
| 日田市 | 日田やきそば・小鹿田焼 | 1957年創業の店と、18世紀に開かれた窯の里 |
| 大分市 | ざびえる | 1960年代生まれ。一度消えて2001年に戻った |
別府市: とり天は1926年のレストランから
とり天は、1926年(大正15年)に別府で創業した「レストラン東洋軒」で生まれたとされています。 料理人がまかないで食べていた鶏の天ぷらを、骨を外して食べやすく切り、客に出したのが始まりで、当時は「鶏ノカマボコノ天麩羅」と呼ばれていました。 東洋軒で働いた人たちが独立して店を開き、1950年代に別府市内へ、1960年代に大分市へ広がったと言われています。 かぼすを搾り、酢醤油と練り辛子で食べるのが地元の形です。
もうひとつの別府の名物が地獄蒸しで、温泉の噴気で野菜や魚を蒸します。 地獄めぐりと組む回り方は別府1泊2日の記事に書きました。 工芸では別府竹細工が1979年に国指定の伝統的工芸品になっています。
宇佐市・中津市: 唐揚げの専門店はここから
大分県北部は唐揚げ専門店の密度が高い地域です。 宇佐市は「からあげ専門店」発祥の地とされ、1960年代に宇佐の店が鶏の唐揚げを専門に売り出したのが始まりと伝えられています。 中津市では1970年に森山からあげ店(現在の中津からあげ総本家もり山)が始め、その後30軒以上の専門店が市内に生まれました。 中津は一般社団法人日本唐揚協会から「唐揚の聖地」の認定を受けていますが、発祥地ではありません。 にんにくと醤油のたれに漬けてから揚げるのが共通で、店ごとに配合が違います。
大分市佐賀関: 関あじ・関さば
関あじ・関さばは、佐賀関漁協の漁師が一本釣りで釣ったマアジとマサバです。 豊予海峡は「速吸の瀬戸」と呼ばれ、狭い海峡を速い潮が流れます。 その潮にもまれた魚は身が締まるとされ、1996年に水産品として初めて商標登録され、日本初のブランド魚と呼ばれます。 刺身で食べるのが本場の形です。
同じ豊後水道側の佐伯市は「世界一、佐伯寿司」を掲げ、エソをすり潰した調味料のごまだしがあります。 そちらは臼杵・佐伯日帰りの記事に書きました。
日出町: 城下かれい
城下かれいは、日出城の下の海で獲れるマコガレイです。 海底の数か所から真水が湧き出ていて、そこで育つかれいは泥臭さがなく淡白だとされます。 江戸時代には庶民が食べることを禁じられた「殿様魚」で、生きたまま江戸城へ届けられたと伝えられています。 漁は4月に始まり、5月の城下かれい祭りから梅雨の頃が旬で、おいしいのは春から夏です。
臼杵市・竹田市: かぼす
かぼすは全国の99%が大分県産です。 2018年の全国収穫量5,460トンのうち、大分県が5,400トンを占めました。 県内では臼杵市、竹田市、豊後大野市、国東市で生産が多く、露地ものの出荷は8月から10月です。 臼杵市には江戸時代に医者の宗源が京都から苗木を持ち帰ったという伝承があり、樹齢100年前後の古木が残っています。 とり天にも関さばにも搾りますが、生のかぼすは秋のものです。 竹田の湯と組む行程は竹田・久住日帰りの記事に書きました。
県全域: 乾しいたけと豊後牛
大分県は乾しいたけの生産量が日本一です。 2023年の生産量は全国1,816トンのうち大分県が654トンで、3分の1を超えます。 原木で育てる栽培が中心で、豊後大野市は「しいたけのまち」を掲げ、全国の品評会で農林水産大臣賞の受賞者を出しています。 肉厚の「どんこ」は常温で持ち帰れて、戻し汁まで使えます。
豊後牛は県内で育てた黒毛和種で、九重町が一村一品の特産に挙げている話は九重・やまなみ日帰りの記事に書きました。
県全域: だんご汁とやせうま
だんご汁は、小麦粉を練って平たく延ばした団子を、根菜と味噌仕立ての汁で煮たものです。 畑作地帯で米の代わりに日常的に食べられてきた料理です。同じ大分には、大友宗麟が好んだアワビの腸に似せて麺を延ばしたと伝わる「鮑腸(ほうちょう)」という別の料理もあります。 やせうまは同じ生地を茹でて、きな粉と砂糖をまぶしたおやつです。 汁にすればだんご汁、甘くすればやせうま、というひとつの生地の二つの食べ方です。
日田市: やきそばと小鹿田焼
日田やきそばは、1957年に日田で創業した想夫恋が発祥の店とされています。 麺を鉄板で焼き付けてパリッとさせ、もやしをたっぷり合わせるのが型です。
小鹿田焼(おんたやき)は、18世紀前半に開かれたとされる窯で、9軒の窯元が続いています。 川の水で動く唐臼で土を砕き、飛び鉋や刷毛目の文様を付けます。 1995年に技法が国の重要無形文化財に指定され、2008年には地区全体が「小鹿田焼の里」として重要文化的景観に選定されました。 唐臼の音と豆田町を1日で回る行程は日田・豆田町日帰りの記事に書きました。
大分市: ざびえる
ざびえるは、1960年代の初めから大分市の長久堂が作っていた菓子です。 名前は、1551年に豊後府内(現在の大分市)で布教したフランシスコ・ザビエルに由来します。 バターを練り込んだ生地で、白餡とラム酒漬けのレーズン入り餡の2種類を包んでいます。 2000年10月に長久堂が倒産して一度途絶え、元従業員が「ざびえる本舗」を立ち上げて2001年4月に製造を再開しました。
持ち帰るか、取り寄せるか
大分の名物は、乾物と柑橘が多いので持ち帰りやすい県です。
- 常温で持ち帰れる: ざびえる、乾しいたけ、かぼす(生果・果汁・ポン酢)、だんご汁ややせうまの乾麺、別府竹細工、小鹿田焼
- 保冷が要る: とり天や唐揚げの惣菜、豊後牛の加工品
- 配送に回す: 関あじ・関さば、城下かれい(鮮魚)
関の魚は活け締めで店から直送できるものがあります。 かぼすは秋の生果を箱で買っても重いので、果汁の瓶にすると荷物が減ります。
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本場で食べるなら、泊まる場所
とり天と地獄蒸しなら別府に泊まれば足ります。 関あじ関さばと城下かれいは、別府・大分市から日帰りで届く距離です。 小鹿田焼とやきそばは日田に泊まると朝の里が静かで、かぼすと椎茸は竹田・久住や九重の宿で食卓に出ます。 臼杵・佐伯側に泊まれば、豊後水道の魚とかぼすの産地が近くなります。

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