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旅行

日田・豆田町日帰りモデルコース|水が集まる盆地に商家町が立った

公開: 2026-10-24 | #日田 #豆田町 #日帰り #観光 #九州

日田市は大分県の西の端、福岡県との境に接する盆地です。

JR博多駅から鹿児島本線経由の特急で1時間10分。 JR久留米駅からは久大本線の特急で40分、JR大分駅からは1時間40分かかります。

同じ大分県でも、別府や由布院とは成り立ちが違います。 ここは海でも火山でもなく、川が集まる場所にできた町です。

大山川と玖珠川が市内の一点で合流して三隈川になり、 そこから筑後川になって有明海へ下ります。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
三隈川・花月川(筑後川の上流)JR久大本線(日田駅)BRTひこぼしライン日田駅10:20 START2豆田町10:403咸宜園13:004小鹿田焼の里14:00三隈川の川べり16:40 GOAL日帰りのルートJR久大本線(日田駅)N

季節と時期で、見えるものが入れ替わります

先に条件を書きます。

  • 三隈川の鵜飼と屋形船: 鮎漁の解禁(5月20日)に合わせて始まる夏の遊船です。日が暮れてから上流から篝火の船が下ってくるので、暗くなる時刻以降でないと成立しません。宿泊先か日田市観光協会への事前予約が前提です
  • 鮎料理: 店や宿で出るのはおおむね6月から9月です。網漁の解禁は6月15日で、それ以前は釣り以外の漁ができません
  • 日田鮎やな場の簗: 夏だけ三隈川に設置されます。隣の茶屋は天候で早じまいすることがあります
  • 草野本家の内部: 大分県内最古の商家で国指定重要文化財ですが、公開は年に4期だけです。通年では入れません
  • 天領日田おひなまつり: 2月15日から3月31日までです。この期間だけ、普段は閉じている建物が開きます
  • 千年あかり: 竹灯籠3万本で町並みを照らす行事です。日田天領まつり(11月第2土・日曜日)の夜だけ立ちます
  • 日田祇園山鉾集団顔見世: 全山鉾がJR日田駅前に集まり、提灯をともした「晩山」で行われる年1日限りの夜の行事です。観覧席は有料で事前購入、当日は交通規制があります
  • 小鹿田焼の里の唐臼の音: 谷川の水力で動くので、水量に左右されます
  • 慈恩の滝の裏側の遊歩道と夜のライトアップ: 2020年7月から止まっています。行っても見られません
  • 日田イルミナージュ: 2026年10月31日から2027年1月31日までの93日間、サッポロビール九州日田工場ウエルカム館で開かれる夜間のイベントです。九州初上陸です

告知は年ごとに変わります。行く前に確かめてください。

1日の流れ

  1. 10:20

    日田駅に着く移動

    JR博多駅から鹿児島本線経由の特急で1時間10分、JR久留米駅からは久大本線の特急で40分です。大山川と玖珠川が市内で合流する盆地です。

  2. 10:40

    豆田町を歩く移動

    約10.7ヘクタールの重要伝統的建造物群保存地区で、種別は「商家町」です。選定は2004年12月10日。町割は南北2本・東西5本の通りからなります。

  3. 12:00

    日田やきそばで昼にする

    ゆでた麺を鉄板で焼き色がつくまで焼き固め、もやしと豚肉を合わせます。ラーメン店のサイドメニューとして広まった形です。日田市は美食都市アワード2026を受賞しました(大分県では初)。

  4. 13:00

    咸宜園へ移動

    1817年(文化14年)に広瀬淡窓が開き、1897年(明治30年)に閉じた私塾です。現存する建物は茅葺の「秋風庵」と、淡窓の書斎「遠思楼」です。

  5. 14:00

    小鹿田焼の里へ移動

    JR日田駅(日田バスターミナル)から日田バスで約40分、「皿山」で降ります。宝永2年(1705)の開窯で、窯元は現在9軒です。

  6. 15:00

    唐臼の音を聞く

    皿山で採った原土を、谷川の水で回す唐臼で砕きます。音は「日本の音百選」に入っています。水量が落ちると臼も止まります。

  7. 16:40

    三隈川の川べりに出る移動

    大山川と玖珠川が合流して三隈川になり、筑後川の上流部になります。夏はここに鮎やな場が設置されます。

  8. 17:40

    日田駅から帰る移動

    博多まで特急で1時間10分前後です。小鹿田焼の里からの戻りはバスの本数が限られるので、先に確かめてください。

  9. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

豆田町は約10.7ヘクタールの「商家町」

数字から入ります。

豆田町は重要伝統的建造物群保存地区で、 面積は約10.7ヘクタール、選定は2004年12月10日(平成16年12月10日)です。 出典は文化庁に掲載された日田市作成の資料です。

種別は「商家町」。 城下町でも宿場町でも門前町でもなく、商いの町として選ばれています。

町割は南北2本・東西5本の通りからなります。 江戸初期の城下町建設時の街区と敷地割を、そのまま引き継いだ形です。

だから歩くと分かります。道が直角に交わります。 碁盤のまま残っているので、地図を見なくても戻れます。

なぜ商いの町になったのか

幕府はここに天領の代官所を置きました。

理由は地形です。 大山川と玖珠川が合流して三隈川になり、筑後川として熊本・大分・福岡・佐賀の4県にまたがって流れ下ります。 日田はその最上流にあたります。

水が集まる場所には物が集まります。 日田杉は川を使って下流へ出せました。

代官所と商いが同じ町にあり、その町家がいま豆田町として残っています。 石坂石畳道は、その代官所と中津・宇佐四日市の陣屋を結ぶ往還の一部です。 全長1,260mを16回折り返して、急坂の勾配を緩めています。

3度の大火が、町家を土で塗り込めた

豆田町の町家は居蔵造(いぐらづくり)と呼ばれます。

茅葺だった町家が瓦を葺き、木部を土で塗り込める形に変わりました。 きっかけは3度の大火です。明和9年(1772)、明治13年(1880)、明治20年(1887)。

燃えたから、燃えない作りにしたという順番です。

いま残るのは江戸期から大正期の居蔵造を中心に、柱を見せる真壁造の町家、近代の洋館、醸造蔵、昭和初期の三階建が混在します。 一軒ずつ年代が違うので、同じ通りで形が揃いません。

通りの上に線がありません

写真を撮ると気づきます。空が切れていません。

景観整備として電線類の地中化が段階的に行われました。 1998年から2000年に約800m、2007年から2008年に約385m。 さらに2014年から2017年に、4路線約500mの道路美装化が入っています。

国指定重要文化財は長福寺本堂(2006年度指定)と草野家住宅(2009年度指定)の2件です。 草野家住宅の保存修理は2014年度から2021年度、 史跡廣瀬淡窓旧宅の北家主屋は2018年度から2022年度に完了しました。

直し続けている町だということです。 地区内は高齢化と後継者不足で住民が減る傾向にあり、 保存会約160名・NPO約20名・技能士会約20名と行政の四者が毎月会合を持っています。

咸宜園は、入門のときに身分を白紙にした

1817年(文化14年)に広瀬淡窓が開き、1897年(明治30年)に閉じた私塾です。

やり方が2つあります。 入門時に年齢・学歴・身分を白紙に戻す「三奪法」と、毎月の成績評価「月旦評」。 順位は実力だけで決まる仕組みです。

「咸宜」は「ことごとくみなよろし」の意味。 現存する建物は茅葺の「秋風庵」と、淡窓の書斎「遠思楼」です。

淡窓は豆田の商家の生まれで、弟の久兵衛は商人でした。 その生家は国指定史跡として廣瀬資料館になっていて、庭園も公開されています。 商いの町と塾が同じ町にあった、ということです。

豆田町と咸宜園を構成要素に含む「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」は、 2015年(平成27年)4月に日本遺産に認定されました。 日田市・水戸市・足利市・備前市の共同申請です。

同じ水が、山の窯を回している

小鹿田焼の里は市の北の山あいにあります。開窯は宝永2年(1705)。 始めたのは筑前小石原焼の陶工・柳瀬三右衛門と、日田郡代大鶴村の黒木十兵衛です。

作り方が水に依存します。 皿山で採った原土を、大浦川の水で回す「唐臼」で砕きます。 そのあと蹴轆轤で成形し、飛び鉋・刷毛目などの技法を入れて登窯で焼きます。

窯元は現在9軒。一子相伝の世襲制です。 1970年4月17日に国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の文化財」に選択され、 1995年(平成7年)に国の重要無形文化財保持団体に指定されました。 唐臼の音は「日本の音百選」に入っています。

世に出たのは民藝運動です。 昭和6年(1931)の柳宗悦の来山をきっかけに注目され、 バーナード・リーチも昭和29年(1954)と昭和39年(1964)に来山して作陶しました。 それ以前は甕・鉢・壼といった農家の日用雑器を焼いていました。

谷の水が落ちれば臼も止まります。 音は水量次第だということです。

水が富を運んだ町は、同じ水で線路を失った

同じ地形が反対にも働きます。

2012年・2017年・2020年の豪雨で、町と鉄道が壊れました。

2017年7月の九州北部豪雨では、久大本線の光岡〜日田間で花月川橋梁が流失しました。 6連すべてと橋脚5本のうち4本が流れ、被災は11か所。 全線復旧は2018年7月14日です。

2020年7月豪雨では日田より大分側が長期不通になりました。 日田〜豊後森は2020年8月8日、由布院〜庄内は2021年2月13日、 豊後森〜由布院は2021年3月1日に再開しています。

そして日田彦山線の添田〜夜明・日田間は、鉄道に戻りませんでした。 2023年8月28日にBRT「ひこぼしライン」として開業し、 約40kmのうち彦山〜宝珠山の約14kmが専用道です。 BRT駅は36か所(鉄道時代は12駅)。 廃止鉄道をBRTで代替したのは九州で初めてでした。

2025年9月に利用者20万人を超え、2026年8月に開業3周年を迎えています。

夏と冬の振れが大きい盆地です

気象庁の日田観測所(標高83m)の平年値です。統計期間は1991年から2020年。

年平均気温15.8℃、年降水量1876.3mm。 8月の日最高気温平均は33.5℃、1月の日最低気温平均は-0.2℃。

最多雨月は7月の376.9mmで、次が6月の352.1mm。 年の雨の多くが梅雨期に集中します。

盆地は熱も冷気も溜まります。 地質そのものも水と火の跡で、小野川の川底に残る阿蘇4火砕流堆積層からは、 圧力で大きく変形したスギ・ヒノキなど13種類の樹木が見つかり、国の天然記念物になっています。

休みの曜日とバスの本数は、先に確かめてください

実務の注意です。

  • 豆田町は徒歩圏に見どころが詰まります。ただし資料館や公開施設の休みの曜日が施設ごとにばらけ、同じ曜日に複数が揃って休む日もあります。行く前に確かめてください
  • 小鹿田焼の里へは日田バスの小鹿田線で「皿山」下車、JR日田駅(日田バスターミナル)から約40分です。本数が限られます
  • 車なら日田ICから約30分。小石原(東峰村)側から向かうとカーナビが距離優先で道幅の狭い林道を案内することがあり、観光協会は日田IC経由の国道212号・県道107号を推奨しています
  • 小鹿田焼民陶祭(10月の土日)は会場周辺が渋滞します。臨時駐車場は皿山グランド約150台、ことといの里約50台、旧北小野小約60台で、後の2か所からはシャトルバスが出ます
  • 日田彦山線は鉄道としては復旧していません。小倉方面から鉄道で直通するルートはなく、添田からはBRTです。BRT区間はSUGOCAエリア外で、交通系ICで運賃は払えますが車内チャージはできません。乗車時に整理券を取ります。PiTaPaは使えません
  • BRTは日田市内の夜明〜光岡間で、国道の一部通行止めのため当面の間迂回運転中です。北友田・南友田の本駅は通過し、迂回ルート上の臨時駅(本駅から約300mと約600m)に停まります
  • 市営駐車場は日田市のサイトに案内があります。駅周辺にはレンタカー3社・タクシー5社・シェアサイクルがあります
  • ガイド付きの散策は4コースあり、いずれも事前申込が必要です

お土産は、醤油とだしと柚子胡椒

土産は醸造のものです。

盆地は寒暖差があり、水が豊富です。 醸造に向いた条件がそのまま揃っています。 豆田町の町並みに醸造蔵が町家として残っているのは、この産業の跡です。

持ち帰りに向くのは醤油と、だしの素。 たまり醤油には甘めのものがあります。液体なので重さは出ますが、常温で持てます。

もう1つは柚子胡椒です。 大分県産のものが定番で、青い柚子の皮を使った薬味です。

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泊まると、暗くなってからの川に出られる

日帰りでは届かないものが1つあります。三隈川の鵜飼です。

日が暮れてから、上流から篝火の船が下ってきて屋形船の周りを回ります。 船上の会席込みで所要1時間30分前後。 終わってから帰る便がありません。

屋形船は日田温泉の旅館が仕立てるもので、 宿泊先か日田市観光協会への事前予約が前提です。 三隈川沿いに泊まらないと、実質たどり着けません。

日田市内の宿は三隈川沿いの日田温泉、玖珠川上流の天ヶ瀬温泉、奥日田の山あいに分かれます。 鵜飼が目的なら三隈川沿いです。

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服装と持ち物

  • 豆田町は石畳と砂利の道を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
  • 小鹿田焼の里は坂と未舗装の道です。滑りにくい靴で
  • 梅雨期の雨量が多い土地です。雨具は上下が分かれたもののほうが楽です
  • 盆地なので朝晩と日中の差が出ます。羽織りものを1枚
  • 器を買うなら、緩衝材の入る余裕のある袋を

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