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旅行

日田・豆田町1泊2日モデルコース|暗くなってから川を下ってくる篝火

公開: 2026-10-24 | #日田 #豆田町 #1泊2日 #温泉 #九州

日田に泊まる理由は三隈川の鵜飼です。

篝火を載せた船が上流から下ってきて、屋形船の周りを回ります。 鮎を獲る夜の漁で、船上の会席込みで所要1時間30分前後。 日が暮れてからの時間にだけ立つ行事です。

屋形船は日田温泉の旅館が仕立てるものです。 宿泊先か日田市観光協会への事前予約が前提なので、三隈川沿いに泊まらないとたどり着けません。

そして終わってから帰る便がありません。 日帰りでは成立しない、という意味です。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
三隈川・花月川(筑後川の上流)JR久大本線(日田駅)BRTひこぼしライン日田駅11:30 START2豆田町12:003咸宜園14:404三隈川ぞいの宿16:00 宿泊屋形船19:00 GOAL1三隈川08:002天ヶ瀬温泉09:303桜滝10:30日田駅15:00 GOAL1日目のルート2日目のルートJR久大本線(日田駅)N

2日の組み方を決める条件

先に条件を書きます。順番がこれで決まります。

  • 鵜飼と屋形船: 鮎漁の解禁(5月20日)に合わせて始まる夏の遊船です。暗くなってからでないと成立しないので、1日目の最後に置くしかありません。事前予約が前提です
  • 冬に行くなら: 屋形船は中身が入れ替わります。夏は遊船、秋は月見、冬は障子とコタツを備えた「雪見船」で鍋という仕立てです。要問合せ・要予約
  • 鮎: 網漁(建網漁・投網漁)の解禁は6月15日で、6月14日までは釣り以外の漁ができません。提供はおおむね6月から9月、宿では11月下旬までのところもあります
  • 草野本家の内部: 大分県内最古の商家で国指定重要文化財ですが、公開される期間が年に4回しかありません。日程がその期間に当たるかどうかで、豆田町で入れる建物が変わります
  • 天ヶ瀬温泉: 2020年7月豪雨で旅館14軒のうち8軒が被災しました。玖珠川の河川改修が進んでいて、川沿いの風景は被災前と違います
  • 慈恩の滝: 裏側の遊歩道は2020年7月から通行不可で、夜のライトアップも行われていません。天瀬から玖珠へ抜ける途中にありますが、裏には回れません
  • ことといの里の小野川自然プール: 2026年(令和8年)は開設しません
  • 祭りと重なる日: 小鹿田焼民陶祭(10月の土日)や日田川開き観光祭(5月下旬)の日は、道と駐車場の状況が変わります

1日目

  1. 11:30

    日田駅に着く移動

    JR博多駅から特急で1時間10分、JR久留米駅から40分、JR大分駅から1時間40分です。北を花月川、南を三隈川が流れる盆地です。

  2. 12:00

    豆田町を歩く移動

    約10.7ヘクタールの重要伝統的建造物群保存地区です。明和9年(1772)・明治13年(1880)・明治20年(1887)の3度の大火を経て、町家が居蔵造に変わりました。

  3. 13:00

    日本丸館の展望台に上がる

    安政2年(1855)からの薬屋で、万能薬「日本丸」を明治20年(1887)から昭和40年代まで製造していました。木造四層三階建で、上階から日田盆地を見渡せます。

  4. 13:40

    日田やきそばで昼にする

    ゆでた麺を鉄板で焼き固め、もやしと豚肉を合わせます。「ラーメン・やきそばで日田を元気にする研究会」に11店舗が加盟しています。

  5. 14:40

    咸宜園へ移動

    入門時に年齢・学歴・身分を白紙に戻す「三奪法」と、毎月の成績評価「月旦評」で実力主義を敷いた私塾です。1817年開塾、1897年閉塾。

  6. 16:00

    三隈川ぞいの宿に入る移動

    豆田町は花月川側、温泉街の隈は三隈川側です。屋形船は日田温泉の旅館が仕立てるので、予約は宿か日田市観光協会を通します。

  7. 19:00

    屋形船に乗る

    日が暮れてから上流から篝火の船が下ってきて、屋形船の周りを回ります。船上の会席込みで所要1時間30分前後です。

2日目

  1. 08:00

    朝の三隈川を見る

    夜に篝火の船が下ってきた川です。大山川と玖珠川が合流して三隈川になり、筑後川として熊本・大分・福岡・佐賀の4県にまたがって流れ下ります。

  2. 09:30

    宿を出て天ヶ瀬温泉へ移動

    久大本線で玖珠川を遡ります。本数が限られるので、宿を出る時刻は前の日に決めておきます。

  3. 10:30

    桜滝を歩く移動

    JR天ヶ瀬駅の裏から遊歩道で徒歩約10分です。「天瀬六瀑」のひとつで、『豊後国誌』に「高さ5丈あまり」と記されています。

  4. 11:30

    天ヶ瀬の湯に入る

    2020年7月豪雨で旅館14軒のうち8軒が被災しました。日帰り入浴ができる宿もあります。玖珠川の河川改修が進んでいて、川沿いの風景は被災前と違います。

  5. 13:30

    日田へ戻って土産を見る移動

    醤油とだし、柚子胡椒が持ち帰りに向きます。豆田町の町並みには醸造蔵が町家として残っています。

  6. 15:00

    日田駅から帰る移動

    博多まで特急で1時間10分前後、大分まで1時間40分前後です。東へ進めば由布院・大分方面にも抜けられます。

  7. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

1日目は町、夜は川。逆にすると船に乗れません

順番の理由です。

鵜飼は日が暮れてからの漁です。 篝火の船が上流から下ってくるので、明るいうちには成立しません。 つまり夜の枠だけが動かせません。

そこから逆算します。 昼のうちに豆田町を歩き終え、夕方までに宿へ入り、暗くなってから川に出る。 この順しか組めません。

逆に1日目を遠出に使うとどうなるか。 小鹿田焼の里や天ヶ瀬は山あいなので、バスも列車も本数が限られます。 戻りの時間が読めないので、船の時刻に合わせられません。

船は宿が仕立てる、という仕組み

屋形船は日田温泉の旅館が料理付きで仕立てます。

だから予約の窓口が宿か日田市観光協会になります。 現地で乗り場に行って乗る、という形ではありません。

宿を決めるときに船も決まるということです。 順番としては、部屋を押さえるときに同時に船を頼みます。

日田市内の宿は3つに分かれます。 三隈川沿いの日田温泉、玖珠川上流の天ヶ瀬温泉、奥日田の山あい。 鵜飼を目的にするなら三隈川沿いです。

町は花月川側、宿は三隈川側

日田盆地には川が2本あります。北を花月川、南を三隈川。

豆田町は花月川側、温泉街の隈は三隈川側です。 町と宿は別の川にあります。

だから1日目は北から南へ動く形になります。 駅に着いて北の豆田町へ上がり、昼を挟んで咸宜園、そのまま南へ下って三隈川沿いの宿に入る。

この向きで歩くと、最後に川に出ます。船はそこから出ます。 逆に南から回ると、夕方にもう一度北へ戻ることになります。

なお日田は「水郷ひた」と呼ばれますが、濁りません。 読みは「すいきょう・ひた」です。

昼しか入れないものを、1日目の昼に固めます

豆田町は重要伝統的建造物群保存地区です。 面積は約10.7ヘクタール、選定は2004年12月10日(文化庁掲載の日田市作成資料)。種別は「商家町」です。

町割は南北2本・東西5本の通りからなり、江戸初期の城下町建設時の街区と敷地割を引き継いでいます。 道が直角なので、歩く順番は自由に組み替えられます。

ただし中に入る建物のほうは自由になりません。 草野本家の内部公開は年4期だけ、ほかの資料館も休みの曜日が施設ごとにばらけ、同じ曜日に複数が揃って休む日もあります。 つまり建物の中を見られるのは昼だけです。

夜の枠が船で埋まっている以上、豆田町は1日目の昼に入れるしかありません。 町家は居蔵造(いぐらづくり)で、明和9年(1772)・明治13年(1880)・明治20年(1887)の3度の大火を経て、茅葺から瓦を葺いて木部を土で塗り込める形に変わりました。 電線類は1998年から2000年に約800m、2007年から2008年に約385mが地中化され、2014年から2017年には4路線約500mの道路美装化が入っています。

咸宜園も同じ理由で続けて歩きます。 広瀬淡窓が1817年(文化14年)に開き、80年後の1897年(明治30年)に閉じた私塾です。 入門時に年齢・学歴・身分を白紙に戻す「三奪法」と、毎月の成績評価「月旦評」で実力主義を敷きました。 「咸宜」は「ことごとくみなよろし」の意味で、現存する建物は茅葺の「秋風庵」と、淡窓の書斎「遠思楼」。

ここも見学できる時間が決まっているので、夜には回せません。 2か所の「昼しか入れないもの」を、1日目の昼に固める形にしてあります。

塾を開いた側も商家の人です。淡窓の弟の久兵衛は商人でした。 その生家は国指定史跡で、いまは廣瀬資料館として公開されています。

町と塾は1つの日本遺産として扱われています。 「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」で、認定は2015年(平成27年)4月。 申請したのは日田市・水戸市・足利市・備前市の4市です。

2日目は玖珠川を遡ります

2日目は上流へ向かいます。

三隈川は、奥日田を流れる大山川と天瀬を流れる玖珠川が合流したものです。 玖珠川を遡ると天ヶ瀬温泉に出ます。

向きに理由があります。 1日目の夜に見た水は、ここから来ています。 下流で船に乗り、翌日に水の出どころへ上がる、という並びです。

桜滝はJR天ヶ瀬駅の裏から遊歩道で徒歩約10分。 「天瀬六瀑」のひとつで、『豊後国誌』に「高さ5丈あまり」と記されています。

逆にしたらどうなるか。 1日目に天ヶ瀬へ泊まると、夜の屋形船に出られません。船は三隈川のものです。

そして2日目に東へ出しておくと、帰りを選べます。 久大本線で東に進めば由布院・大分、西へ戻れば日田から博多方面です。

天ヶ瀬の湯は、被災のあとの風景です

2020年7月豪雨で温泉街の大半が被災しました。 旅館14軒のうち8軒が被災しています(地元の一般社団法人あまみら)。 川沿いの露天風呂に土砂が溜まってポンプが壊れ、玖珠川に架かる吊り橋も壊れました。

営業は続いています。 2025年12月の冬至には11軒がゆず湯を行うという案内が出ていて、うち10軒は日帰り入浴もできる形でした。 日田市観光協会が天瀬エリアに載せる宿泊施設は14件です。

ただし川沿いの風景は被災前と違います。河川改修も進行中です。 古い写真と同じ景色を期待して行くと、合いません。

鮎は時期で中身が変わります

筑後川水系の鮎漁解禁は毎年5月20日で、九州で最も早いです。

解禁から6月14日までは釣り以外の漁が禁止され、 6月15日から網漁(建網漁・投網漁)が解禁になります。 網漁は漁協組合員だけに許可された漁法です。

古い産地です。 733年編纂の『豊後国風土記』に、豊後を代表する鮎河川として「日田川」(現在の三隈川)が挙がります。 これが最古の記録とされます。

ただし現在は三隈川・大山川・玖珠川・津江川に天然遡上が一切ありません。 日田市漁業協同組合が毎年稚魚を放流して漁を成り立たせています。 2022年3月15日の放流は約32万匹、体長は約5cm。夏には大きいもので30cmを超えます。

地鮎を獲る建網漁も夜です。 成魚になると光を避ける習性を使い、川を横断して網を張り、ライトを載せた船で上流から追い込みます。 ある日の実測では20時に始めて24時に終わり、網3枚で約80尾でした。

夜に働く川だということです。鵜飼も同じ夜の漁です。

水が運んだものと、水が壊したもの

2日目の帰りの計画に関わるので、鉄道の状態を書いておきます。

西側の線路はいちど落ちています。 2017年7月の九州北部豪雨で久大本線の光岡〜日田間にある花月川橋梁が流失し、 6連すべてと橋脚5本のうち4本を失いました。 被災箇所は11、つながり直したのは2018年7月14日でした。

東側も落ちています。 2020年7月豪雨で日田より大分側が長期不通になり、区間ごとに戻りました。 日田から豊後森までが2020年8月8日、由布院から庄内までが2021年2月13日、 残った豊後森から由布院までが2021年3月1日です。 2日目に東へ抜けられるのは、この最後の区間が戻ったからです。

戻らなかった線もあります。 日田彦山線の添田〜夜明・日田間はBRT「ひこぼしライン」に替わりました。開業は2023年8月28日。 約40kmのうち彦山〜宝珠山の約14kmが専用道で、BRT駅は36か所あります(鉄道時代は12駅)。 利用者は2025年9月に20万人を超え、2026年8月に開業3周年を迎えました。

町と鉄道を壊したのは、富を運んだのと同じ水でした。

2日目の足は、前の日に決めておきます

実務の注意です。

  • 2日目の移動は久大本線が軸です。本数が限られるので、宿を出る時刻は前の日に決めておきます
  • BRT区間はSUGOCAエリア外です。交通系ICで運賃は払えますが車内チャージはできず、乗車時に整理券を取ります。PiTaPaは使えません。道路状況で遅れる前提で乗ります
  • BRTは夜明〜光岡間で当面の間迂回運転中です。北友田・南友田の本駅は通過し、迂回ルート上の臨時駅(本駅から約300mと約600m)に停まります。運行状況はバスロケーションシステムで確認できます
  • 豆田町の資料館と公開施設は、休みの曜日が施設ごとにばらけます。行く前に確かめてください
  • ガイド付きの散策は4コース用意されています。申込が事前なので、前の日までに決めます
  • 日田川開き観光祭(5月下旬)の時期は、河川敷周辺の駐車場が河川水位の状況で使えなくなります。荒天で順延することもあります
  • 小鹿田焼の里まで足を伸ばすなら、JR日田駅(日田バスターミナル)から日田バスで約40分です。本数を先に確認してください
  • 梅雨期は雨量が集中します。平年値で7月376.9mm、6月352.1mm。豪雨のリスクが実在する土地です

醤油とだしは、水と寒暖差の産物です

1日目に歩いた通りに、答えが置いてあります。

豆田町の町並みには醸造蔵が町家の形で残っています。 盆地の寒暖差と水が、醸造の条件だったからです。 平年値で8月の日最高気温平均は33.5℃、1月の日最低気温平均は-0.2℃。水は上流から集まります。

買うものは、その蔵から出るものになります。醤油とだしの素です。 たまり醤油は甘めのものが選べます。

もう1つは柚子胡椒。大分県産が定番で、青い柚子の皮を使った薬味です。

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宿は三隈川沿いから選びます

船が宿の持ちものなので、宿の位置がそのまま夜の予定を決めます。

三隈川沿いの日田温泉に泊まれば、暗くなってから川に出て、終わってそのまま部屋へ戻れます。 豆田町も駅も、川を挟んだ反対側にあるだけです。

玖珠川上流の天ヶ瀬温泉と、奥日田の山あいの宿は性格が違います。 どちらも湯を目的にする場所で、天ヶ瀬は2日目に通る温泉地です。 鵜飼を見るつもりなら、泊まるのは三隈川沿い、立ち寄るのが天ヶ瀬という配分になります。

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服装と持ち物

  • 豆田町は石畳と砂利です。歩けるきれいめスニーカーが合います
  • 夜の船に乗ります。川の上は陸より冷えるので、羽織りものを1枚
  • 桜滝の遊歩道は濡れます。滑りにくい靴で
  • 梅雨期は雨量が集中します。上下が分かれた雨具のほうが楽です
  • 温泉に入るので、髪と肌のものは小分けで
  • 盆地の朝晩は冷えます。1枚多めに考えてください

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