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島根県の名物|出雲そば・しじみ・のどぐろ、市町村ごとの本場と持ち帰り方

公開: 2026-10-31 | #島根 #名物 #中国地方 #グルメ

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出雲大社の神門通りを歩けば、出雲そばもぜんざいもしじみ汁も一度に口に入ります。 ただし、その多くは出雲の外で生まれたものです。

しじみは松江の宍道湖、のどぐろは浜田の港、岩がきは隠岐の海士町、源氏巻は津和野、仁多米は奥出雲の棚田。 島根は東西に長く、名物の本場も東西に散っています。この記事は市町村ごとに本場を示し、出雲で済ませるか、本場まで動くかを決める材料にします。

市町村ごとの名物一覧

市町村名物ひとこと
出雲市出雲そば・出雲ぜんざい割子の三段重ね。ぜんざいの語源は神在餅と言われる
松江市宍道湖しじみ・不昧公好みの和菓子1世帯あたりのしじみ購入量が全国1位の街
浜田市どんちっちノドグロ8月から翌5月、80g以上の沖合底びき網のものだけ
隠岐郡海士町岩がき(春香)3年育てて春に出す。冬には無い
鹿足郡津和野町源氏巻カステラ生地にこし餡。藩の危機を救ったという伝承
仁多郡奥出雲町仁多米・雲州そろばん東の魚沼、西の仁多米。そろばんは1985年指定の伝統的工芸品
安来市どじょう掬いまんじゅう1967年発売。市の魚はどじょう
大田市石見銀山のまち・温泉津2007年に世界遺産。食は日本海側の魚
出雲地方(松江市・出雲市)あご野焼きトビウオのすり身を炭火で焼く。旬は5月から7月

出雲市: 割子に盛る出雲そばと、ぜんざいの語源

出雲そばは、わんこそば・戸隠そばと並んで日本三大そばに数えられる麺です。 江戸時代初期に松江藩主の松平直政が信州からそば職人を連れてきたのが始まりと言われています。

出雲流は割子(わりご)と呼ぶ丸い漆器の三段重ねに盛り、つゆを上からかけて食べます。 割子はもともと野外で食べるための弁当箱で、四角い木箱から、明治末に衛生上の理由で丸い漆器へ変わったと言われています。

もうひとつ、ぜんざいの語源は出雲にあるとする説が知られています。 旧暦10月の神在月に神社でふるまわれた神在餅(じんざいもち)の「じんざい」が出雲なまりで「ずんざい」になり、京へ伝わって「ぜんざい」になったと言われています。 門前のそばとぜんざいの組み方は出雲大社の参拝ガイドに書きました。

松江市: 宍道湖のしじみと、不昧公の菓子

宍道湖のヤマトシジミは1970年代に漁獲量が急増し、島根県のしじみ漁獲量は令和6年も全国1位です。 宍道湖で獲れる水産物の9割以上がシジミで、松江市の1世帯あたりのしじみ購入量は全国1位で、全国平均の7倍を超えます。 スズキ・モロゲエビ・ウナギ・アマサギ・シラウオ・コイ・シジミを宍道湖七珍と呼び、頭文字をとって「スモウアシコシ」と覚えます。

松江は菓子の街でもあります。 茶人として知られる藩主松平治郷(不昧)が好んだ山川・若草・菜種の里は、不昧公御好みとして今も作られています。 松江が菓子処と言われるのは、この茶の湯の歴史からです。

浜田市: どんちっちノドグロ

ノドグロ(アカムツ)は山陰の高級魚ですが、浜田市はどんちっちというブランド名で出しています。 どんちっちは、浜田で親しまれている石見神楽の囃子を表す幼児言葉です。 マアジ・ノドグロ・カレイの3種をどんちっち三魚と呼び、基準を満たしたものだけに名前を付けます。

ノドグロの基準は、沖合底びき網の船が8月から翌年5月に獲ったもので、80g以上。 浜田沖のノドグロは他の地区より脂質が多いことが分かっていて、それがブランド化の根拠になりました。 浜田漁港は県内唯一の特定第3種漁港で、浜田1泊2日では港の朝を行程に入れています。 6月と7月の漁獲は対象外なので、初夏に行ってもどんちっちノドグロは並びません。

隠岐郡海士町: 岩がきは春だけ

隠岐の岩がきは海士町で育てられ、春香(はるか)の名で出ます。 きれいな海で3年以上かけて育て、規格を通ったものだけが春香を名乗れます。 真牡蠣の旬が冬なのに対して、春香は春が旬で、季節が逆です。 冬に隠岐へ渡っても春香は食べられず、春に渡ると大粒の生がきが出ます。 島の回り方は隠岐諸島1泊2日に書きました。

鹿足郡津和野町: 源氏巻

源氏巻は、カステラのような薄い生地でこし餡を包んだ長方形の菓子です。 津和野の町なかに菓子店が並び、店ごとに生地や餡が少し違います。

名前は、幕末に津和野藩の菓子職人が紫色の餡の菓子を藩主の正室に献上し、正室が源氏物語「若紫」の和歌を思い浮かべて付けた、と言われています。 元禄のころ、吉良上野介に辱めを受けていた藩主を救うため、家老が吉良家に進物を贈ったのが源氏巻だった、という伝承もあります。 藩の危機を救った縁起の良い菓子という話ですが、藩の公式記録には残っていないので、どちらも伝承として受け取ってください。

仁多郡奥出雲町: 仁多米と雲州そろばん

仁多米は、奥出雲町で穫れるコシヒカリの産地ブランドです。 標高300〜500mの棚田で作られ、夏の昼夜の寒暖差が大きく、花崗岩から湧く水で育ちます。 東の魚沼、西の仁多米と呼ばれ、米・食味分析鑑定コンクールで金賞を重ねてきました。 冷めてもおいしいとされるので、持ち帰って家で炊く名物に向きます。

同じ町の横田地区には雲州そろばんがあります。 1985年に国の伝統的工芸品に指定された、島根の工芸の代表です。

安来市: どじょう掬いまんじゅう

どじょう掬いまんじゅうは1967年発売の、山陰を代表する土産菓子です。 安来節のどじょう掬い踊りで使うひょっとこの面をかたどった顔が目印で、松江市の中浦食品が作っています。 安来市の市の魚はどじょうで、安来日帰りの記事に、踊りの動作が砂鉄採取から来ているという話を書きました。 山陰土産として広く出回っていますが、モチーフは安来の民謡と踊りです。

大田市: 石見銀山のまち

食ではありませんが、島根の名物を語るのに石見銀山は外せません。 2007年にユネスコの世界遺産に登録され、大森の町並みと温泉津の温泉街がどちらも構成資産に入っています。 17世紀初頭が産出の最盛期で、当時の日本は世界の銀の約3分の1を産出し、その大部分がここだったとされています。 大田の食は浜田と同じ日本海側の魚で、石見銀山・温泉津1泊2日では土産をのどぐろの干物に置いています。

出雲地方: あご野焼きは初夏のもの

あご野焼きは、トビウオ(あご)のすり身を炭火で焼いた練り物です。 鳥取県西部から島根県にかけて作られ、すり身に地酒を練り込むのが特徴です。 トビウオは島根の県の魚で、旬は5月から7月。 あごが落ちるほどおいしいからあごと呼ぶ、と言われています。 真空パックのものは年中買えますが、生のあごが揚がる初夏が本来の季節です。

持ち帰るか、取り寄せるか

島根の名物は、乾物と菓子が多く、生ものは配送向きです。

  • 常温で持ち帰れる: 出雲そばの乾麺、仁多米、源氏巻、どじょう掬いまんじゅう、松江の和菓子(日持ちは店の表示を見る)、雲州そろばん
  • 保冷が要る: あご野焼き、のどぐろの干物、しじみ(砂抜き済みの冷凍)
  • 配送に回す: 生のノドグロ、岩がき。春香は殻付きなので宅配で頼むほうが楽です

宍道湖のしじみは砂抜き済みの冷凍で届くので、益田の記事でも持ち帰りはしじみに落ち着きました。

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本場で食べるなら、泊まる場所

出雲そばとぜんざいとしじみ汁は、出雲か松江に泊まれば一度に食べられます。 のどぐろは浜田に泊まると朝の港から動けます。 岩がきは隠岐に渡る前提で、春の日程を組んでください。

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