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旅行

足立美術館・安来日帰りモデルコース|庭は、山ごと借りている

公開: 2026-10-23 | #足立美術館 #安来 #日帰り #観光 #中国

安来市は島根県の東端、北が中海に面した市です。

松江駅から山陰本線で25分前後、米子駅からなら9分前後。 安来駅から足立美術館までは無料シャトルバスで20分前後です。

出雲や玉造が社と湯の土地なら、ここは鉄の土地です。

ただし製鉄の展示を見に行く街ではありません。 鉄を採るために山を崩した跡が、川と平野になって残っています。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
中海JR山陰本線(安来駅)安来駅09:30 START2飯梨川の堤防10:003足立美術館10:40月山富田城跡14:00 GOAL日帰りのルートJR山陰本線(安来駅)N

先に知っておく条件

  • 和鋼博物館は設備改修と展示刷新で休館しています。玉鋼を作るたたら製鉄用具(重要有形民俗文化財)の展示は見られません。再開の時期は確認できていないので、この行程には入れていません。行く前に確かめてください。
  • 月山富田城跡は標高183.9mの山の上です。山中御殿から本丸までは「七曲り」と呼ばれる屈曲した坂道を自分の足で登ります。2015年から2022年の整備で見通しは良くなりましたが、雨や雪のときは足元が条件になります。
  • 中海のカモ・ガン類は冬の渡りです。群れが入るのは寒い時期だけで、夏に行っても見られません。
  • 足立美術館の日本一は2003年の初回から連続しています。連続年数は毎年更新されるので、最新の表記は公式サイトで確かめてください。

1日の流れ

  1. 09:30

    安来駅に着く移動

    松江駅から山陰本線で25分前後、米子駅からは9分前後です。島根県の東端で、北は中海に面しています。

  2. 10:00

    飯梨川の堤防に上がる移動

    飯梨川は天井川で、大きいところで平野面との比高が約3mあります。上流の鉄穴流しが流した土砂が川床を上げました。

  3. 10:40

    足立美術館に入る移動

    安来駅から無料シャトルバスで20分前後ですが、シャトルは駅と美術館の直行です。堤防に寄るこの順で回るなら車が前提になります。庭園は約4万3000㎡で、借景を含めると5万坪に及びます。

  4. 12:00

    生の額絵と横山大観を見る

    窓を額縁に見せる「生の額絵」「生の掛軸」があります。所蔵約2,000点のうち横山大観が約120点です。

  5. 14:00

    月山富田城跡へ移動

    尼子氏の本拠で、月山の標高は183.9m。1934年に国史跡、2006年4月6日に日本100名城(65番)になりました。美術館からの移動手段は確かめられていないので、車で動く前提です。

  6. 15:30

    七曲りを登って本丸へ

    山中御殿から本丸までは「七曲り」と呼ばれる屈曲した坂道です。雨や雪のときは足元が条件になります。

  7. 17:00

    安来駅から帰る移動

    米子駅へ9分前後、松江駅へ25分前後です。市内のJR駅は安来駅と荒島駅の2つだけです。

  8. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

庭は借景を含めて5万坪

数字から入ります。

足立美術館の庭園は約4万3000㎡。 借景を含めた面積は5万坪(約16.5万㎡)に及びます。

借景は、庭園越しに見える山とその木々まで含めて眺める造園技法です。 この庭は敷地の中だけで完結していないということです。

開設したのは地元出身の実業家・足立全康です。 1970年(昭和45年)の開館時に71歳、1990年に91歳で亡くなっています。

地元出身の人が、地元の山を借景にした庭です。

山を額に入れる作りです

庭は枯山水庭・苔庭・白砂青松庭・池庭と亀鶴の滝で構成されています。

そして窓を額縁に見立てた「生の額絵」と「生の掛軸」があります。

額の中に入るのは庭園越しに見える山とその木々です。 亀鶴の滝は、その借景の亀鶴山に開いた人工の滝で、 岩肌を15m落ちます。

ここから先は地形の話です。

安来の山は中国山地の花崗岩で、 飯梨川流域の約80%が花崗岩、山地部はほぼ全域がこの岩です。

風化した花崗岩は切り崩しやすい岩です。 だから切り崩して水路に流し込み、砂鉄を洗い分ける「鉄穴流し」が成り立ちました。

ただし崩したのは上流の斜面です。 削った跡そのものは庭から見えません。

庭から見えるのは借景の山で、 その土砂が作った地形は、このあと行く川と平野のほうにあります。

所蔵は約2,000点、うち横山大観が約120点

館の所蔵は約2,000点です。

そのうち横山大観の作品が約120点あります。

2,000点のうち120点が1人の作家という偏りです。

これは集めた人の好みがそのまま館になっているということです。

展示は入れ替わるので、何が出ているかは行ってから分かります。 大観が約120点あるという前提で、その日の掛かりものを見る形になります。

日本一は2003年の初回から連続している

米国の日本庭園専門誌の庭園ランキングで、 2003年の初回から連続して日本一に選ばれています。

ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは三つ星です。

そして入館者は約64万人(2017年)。

島根県の東端、JRの駅が2つしかない市に、 年間64万人が来ている状態です。

だから人の多い時間に当たりやすいと考えておいたほうがよいです。 日帰りで行くなら、着く時間がそのまま混雑の条件になります。

飯梨川は平野より高いところを流れる

安来で現地でしか確認できないものが飯梨川です。

斐伊川水系の一級河川で、河口は中海です。

この川は天井川になっています。 大きいところで平野面との比高が約3mあります。

川が平野より高いところを流れているということです。

理由は上流です。

鉄穴流しは宝暦期(18世紀半ば)以降に大規模化し、20世紀半ばまで続きました。 飯梨川では上流で大正期まで盛んに行われていました。

崩した土砂は川に流れます。 その土砂が川床を上げ、下流域にも大量に流出しました。 その下流に広がるのが能義平野です。

そして下流の灌漑に支障が出るので、 鉄穴流しは秋から春の農閑期に限って行われました。 農村の季節労働になっていたということです。

崩した側にも痕が残っています。 墓地や祠、神木のある土地を避けて削り残した「鉄穴残丘」です。

ここで見るものは1つです。 堤防に上がること。

堤防に上がらないと、 川が平野より高いことは分かりません。

月山富田城は標高183.9m

月山富田城は尼子氏の本拠でした。 月山の標高は183.9mです。

戦いの記録が残っています。

  • 1542年から43年の大内・毛利の攻撃は撃退
  • 1565年から66年の毛利元就の兵糧攻めで兵糧が尽き、開城
  • 1569年に山中幸盛(鹿介)が尼子再興軍を起こす
  • 1611年に堀尾忠晴が松江城へ移って廃城

攻め落とされたのは力ではなく兵糧でした。 1565年の包囲から開城までは年をまたいでいます。 攻撃では落ちず、兵糧が尽きて開いた城だということです。

1934年に国史跡、2006年4月6日に日本100名城(65番)。 2015年から2022年にかけて伐採と修復の整備が行われました。

登るのは山中御殿から本丸へ、七曲りの坂道です。

急な斜面を幾重にもうねって角度をやわらげる一本道で、 まっすぐには登れません。

江戸中期、国内の鉄生産量の90%以上を扱った

鉄と城と港を1本につなぐのが商人の話です。

安来は江戸中期、 当時の国内の鉄生産量の90%以上にのぼる素鉄・素鋼品の製造・流通を扱って繁栄しました。

なぜ安来だったのか。

港があったからです。

安来は古代より中海に面した天然の良港でした。 万葉集では「於保の浦」、後に金ヶ浦・錦ヶ浦と呼ばれています。

安来湊が重要港となり、 山陰の和鉄・和鋼を一手に扱う商都に成長したとされています。

そしてこの鋼は今も続いています。 安来鋼(ヤスキハガネ)として、プロテリアル(旧・日立金属)が製造しています。

どじょうすくいは砂鉄採取の動作

安来節は江戸中期の七七七五調の民謡に始まり、 明治期に現在の形になりました。

男踊りの「どじょうすくい」は、 たたら製鉄の砂鉄採取の動作を取り入れたとされています。

そして「どじょう」は「土壌」だという説もあります。

安来市の市の魚は「どじょう」で、 「安来どじょう米」という米の銘柄もあります。

砂鉄を洗う動作が踊りになり、 土砂が作った平野の水田にどじょうがいて、 その米と魚が市の名物になっている。

鉄と踊りと食べ物が同じ根から出ています。

踊りは安来節演芸館で見られます。 改修を経て再びオープンしていますが、 公演の日と回数は確認できていません。

見るつもりで行くなら、先に確かめてください。

移動の組み方が行程を決めます

実務の注意です。

市内のJR駅は安来駅と荒島駅の2つだけです。 面積は420km²を超えるのに、人口は3万人台です。

この広さなので、移動の手段で行ける範囲が変わります。

  • 足立美術館: 安来駅から無料シャトルバスで20分前後
  • 清水寺: 安来駅からイエローバスで14分、米子駅からは18分
  • 車: 山陰道・安来ICから約10分。美術館には乗用車とバスの駐車場があります
  • 荒島駅からは一畑バスが東揖屋・竹矢経由で松江駅まで走っています

清水寺は足立美術館と別方向です。 1日に両方入れると移動が往復になるので、この日帰りは美術館と城跡の側に寄せています。

安来市広域生活バス(イエローバス)は自家用自動車による有償運送で、 本数が限られる前提で組む必要があります。

空港からだと乗り換えが増えます。

  • 出雲空港: 連絡バス35分 → 松江駅 → 山陰本線25分 → 安来駅 → シャトル20分
  • 米子空港: 連絡バス30分 → 米子駅 → 山陰本線9分 → 安来駅 → シャトル20分

どちらも乗り換え3回です。

お土産はそばの乾麺

安来は出雲地方の東部で、『出雲国風土記』には 「出雲国意宇郡安來郷」として載っています。 この一帯のそばは出雲そばとして乾麺で持ち帰れます。

乾麺なら旅の途中で荷物にならないのが現実的な理由です。

現地で買うものもあります。 清水羊羹は清水寺のもので、門前に販売店が4軒あります。 円仁(慈覚大師)が光明真言と精進料理とともに伝えたとされる甘味です。 ただしこの日帰りは清水寺に寄らない組み方なので、買うなら行程を変えてください。

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帰宅日に合わせて届くよう注文しておくと受け取りがスムーズ。

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お取り寄せ対応。荷物を増やしたくない旅は「帰ってから注文」が身軽です。

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※価格は取得時点の目安です。最新の価格・送料はリンク先でご確認ください。

泊まると、人のいない庭に入れます

この日帰りの弱点は着く時間です。

松江駅から25分+シャトル20分、 米子駅からでも9分+シャトル20分かかります。

開館直後に合わせるのは難しい時間です。 シャトルの1日の便数も確認できていません。

借景の山ごと見せる作りなので、 朝の斜光と人の少なさが効きます。

安来の宿は飯梨川沿いの鷺ノ湯温泉と、安来駅の周りに分かれています。 温泉側の泉質は含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、 宿の数は多くありません。 神亀年間(724-729年)に傷を癒す白鷺が見つかったのが名の由来とされ、 戦国時代には尼子氏の御殿湯も置かれていました。

この温泉は足立美術館のすぐ横です。 駅の側は徒歩2〜3分で着く宿が中心で、素泊まりやゲストハウスもあります。 美術館の時間を取るなら温泉側、列車の時間を取るなら駅側です。

さぎの湯温泉 安来苑

足立美術館・安来

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足立美術館目の前の家庭的な旅館。

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※料金は取得時点の最低料金の目安です。プラン・日程により変わります。

服装と持ち物

  • 館内と堤防を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
  • 月山富田城跡は七曲りの坂道です。登るなら滑りにくい靴に替えてください
  • 飯梨川の堤防は風が通ります。羽織りものを1枚
  • 冬に中海の渡り鳥を見るなら、手袋と帽子を足してください
  • バスの待ち時間が出ます。雨の日は折りたたみ傘を

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