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旅行

足立美術館・安来1泊2日モデルコース|開館直後の、人のいない5万坪

公開: 2026-10-23 | #足立美術館 #鷺ノ湯温泉 #1泊2日 #温泉 #中国

安来に泊まる理由は開館直後の庭です。

足立美術館は約4万3000㎡の庭を、借景を含めて5万坪の広がりで見せます。 庭園越しの山ごと見せる作りなので、朝の斜光の時間帯が最も効きます。

ところが日帰りでは合わせにくい時間です。 松江駅から山陰本線25分+無料シャトル20分、 米子駅からでも9分+20分。シャトルの1日の便数も確認できていません。

飯梨川沿いの鷺ノ湯温泉に前泊すると、 朝いちばんを庭に当てられます。この2日はそのために組んでいます。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
中海JR山陰本線(安来駅)安来駅13:00 START2飯梨川の堤防13:403清水寺14:40G鷺ノ湯温泉17:00 宿泊1足立美術館09:002月山富田城跡12:30安来駅16:00 GOAL1日目のルート2日目のルートJR山陰本線(安来駅)N

先に知っておく条件

  • 開館の時刻は行く前に確かめてください。この行程は「開館直後に入る」ことだけが前提で、具体的な時刻には寄りかかっていません。
  • 清水寺の精進料理を出しているのは山内の旅館と日本料理店だけで、軒数が限られます。予約の要否は確認できていないので、食べるつもりなら事前に確認してください。
  • 安来市広域生活バス(イエローバス)は自家用自動車による有償運送です。本数が限られる前提で1日目を組んでいます。
  • 2日目の月山富田城跡は標高183.9mです。山中御殿から本丸までの七曲りを歩くので、庭を見る日の服装とは別の足元が必要になります。
  • 和鋼博物館は改修で休館しています。たたら製鉄の用具を見るつもりでは来ないでください。再開の時期は確認できていません。

1日目

  1. 13:00

    安来駅に着く移動

    松江駅から25分前後、米子駅から9分前後。初日は駅から南へ、飯梨川沿いに動きます。

  2. 13:40

    飯梨川の堤防に上がる移動

    大きいところで平野面より約3m高い天井川です。流域の約80%が花崗岩で、崩した土砂が下流に能義平野を作りました。

  3. 14:40

    清水寺に入る移動

    安来駅からイエローバスで14分。根本堂は明徳4年(1393年)で、国の重要文化財です。

  4. 15:40

    門前で清水羊羹を買う

    円仁が光明真言と精進料理とともに伝えたとされる甘味で、門前に販売店が並んでいます。

  5. 17:00

    鷺ノ湯温泉に入る移動

    泉質は含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。飯梨川沿いの小さな温泉で、戦国期は尼子氏の御殿湯が置かれました。

  6. 19:00

    宿で夕食

    安来市の「市の魚」はどじょうです。能義平野の低湿な水田が生息環境で、「安来どじょう米」という銘柄もあります。

2日目

  1. 09:00

    開館直後の足立美術館に入る移動

    庭園は約4万3000㎡、借景を含めて5万坪です。開館の時刻は行く前に確かめてください。

  2. 09:40

    生の額絵の前に立つ

    窓を額縁に見せる作りで、庭園越しに見える勝山(標高252m)などの山々が額の中に入ります。

  3. 10:40

    横山大観の作品を見る

    所蔵は約2,000点で、うち横山大観が約120点です。入館者は約64万人(2017年)。

  4. 12:30

    月山富田城跡へ移動

    月山の標高は183.9m。1565年から66年の毛利元就の兵糧攻めで開城し、1611年に廃城になりました。美術館からの移動手段は確かめられていないので、車で動く前提です。

  5. 13:30

    七曲りを登って本丸へ

    山中御殿から本丸へ、屈曲した坂道を登ります。2015年から2022年の整備で見通しは良くなりました。

  6. 16:00

    安来駅から帰る移動

    帰りの列車の時間を先に決めてから登るほうが安全です。米子駅へ9分前後、松江駅へ25分前後。

  7. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

逆にすると、庭が人の中に入ります

この2日で動かせないのは2日目の朝だけです。

庭を1日目の午後に入れると、どうなるか。

到着が松江から45分、米子からでも29分かかるので、 1日目の庭は人が増えた時間になります。

そして2日目の朝に清水寺へ回すと、 イエローバスの本数に朝の行程を預けることになります。

だから1日目に寺と川、2日目の朝に庭です。

入れ替えると、泊まった意味がなくなります。

1日目に堤防へ上がっておく

1日目の最初に飯梨川の堤防へ上がるのは、 2日目に見る庭の意味が変わるからです。

飯梨川は天井川で、大きいところで平野面との比高が約3mあります。 川が平野より高いところを流れている状態です。

こうなった理由が上流にあります。

鉄穴流しは宝暦期(18世紀半ば)以降に大規模化し、20世紀半ばまで続きました。 流域の約80%が花崗岩で、山地部はほぼ全域がこの岩です。 風化した花崗岩は切り崩しやすいので、水路に流し込んで砂鉄を洗い分けられます。

崩れた土砂は川に出ます。 川床が上がり、下流域にも大量に流出しました。 その土砂の行き先が下流の能義平野です。

ただし下流の灌漑に支障が出るので、 作業は秋から春の農閑期だけに限られました。農村の季節労働です。

崩した側にも痕が残っています。墓地や祠、神木のある土地を避けて削り残した「鉄穴残丘」です。

崩したのは上流の斜面で、削った跡は庭からは見えません。 庭から見えるのは借景の山だけで、 崩した土砂のほうは、この堤防の下にあります。

ここを先に見ておくと、2日目に庭で山を見るときに 鉄を採ったのは上流、積もったのはこの下という位置関係が頭に入っています。 逆順だと、堤防はただの川を見て終わります。

清水寺は587年開山、根本堂は1393年

1日目の午後は瑞光山清水寺(天台宗)です。

寺伝では用明天皇2年(587年)に尊隆上人が開き、 806年に再興されました。

根本堂は明徳4年(1393年)で、 国の重要文化財です。

三重塔は安政6年(1859年)に信徒の手によって建立されました。

ここで押さえておくのは食べ物の由来です。

精進料理と羊羹は、円仁(慈覚大師)が光明真言とともに伝えたとされています。

現在も精進料理を出す旅館と日本料理店が山内にあり、 清水羊羹の販売店は門前に並んでいます。

寺の食事の甘味が、そのまま土地の土産として残ったという形です。

寺は安来駅からイエローバスで14分、米子駅からは18分。 足立美術館とは別方向なので、ここは1日目に片付けます。

鷺ノ湯温泉は尼子氏の御殿湯だった

泊まるのは鷺ノ湯温泉です。

泉質は含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。 飯梨川沿いに数軒という規模の温泉です。

名の由来は神亀年間(724-729年)で、 傷を癒す白鷺が見つかったとされています。

そして戦国時代には尼子氏の御殿湯が置かれました。

ここが安来らしいところです。 城主の湯に泊まって、朝に庭へ向かうという2日になります。

鉄と城・湯・庭が、この一つの市に並んでいる土地です。

2日目は庭を先、城を後にする

2日目の順番にも理由があります。

朝は開館直後の足立美術館です。

庭は枯山水庭・苔庭・白砂青松庭・池庭と亀鶴の滝で構成され、 窓を額縁にした「生の額絵」と「生の掛軸」があります。

額に収まるのは庭園越しの山とその木々です。 亀鶴の滝は、借景の亀鶴山に開いた人工の滝です。 約4万3000㎡の庭に借景を足した5万坪が窓の外です。

所蔵は約2,000点で、横山大観が約120点。 約2,000点のうち120点が1人という偏りで、集めた人の好みが館の形になっています。

2003年の初回から連続で日本一(連続年数は毎年更新されます)、 ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは三つ星。 入館者は約64万人(2017年)です。

だから開館直後を外すと人の多い時間に当たりやすいと見ておきます。

そのあとに城へ向かいます。

窓の中で山を見てから、城跡の山を自分の足で登るという順番です。

先に登ると、庭に着くのは人が増えてからになります。 動かせないのは朝の庭だけで、城は時間が後ろでも成立します。

月山富田城は兵糧で落ちました

登る山は月山、標高183.9mです。ここに尼子氏の本拠がありました。

記録の並びが城の性格を示しています。

  • 1542年から43年: 大内・毛利の攻撃を撃退した
  • 1565年から66年: 毛利元就の兵糧攻めで兵糧が尽き、開城

攻撃では落ちず、兵糧で落ちた城です。

落ちたあとも話は続きます。 1569年に山中幸盛(鹿介)が尼子再興軍を起こし、 1611年に堀尾忠晴が松江城へ移って廃城になりました。

国史跡になったのは1934年、日本100名城(65番)に選ばれたのは2006年4月6日です。 城跡全体の伐採・修復整備は、第一期・第二期に分けて2015年から2022年まで続きました。

登りは山中御殿から本丸へ、七曲り。 急な斜面を幾重にもうねって角度をやわらげる一本道です。

庭と寺で使う体力とは種類が違います。 同じ日に詰めるかは、服装と天候で決めてください。

鉄は港から出ました

最後に土地の外とのつながりです。

江戸中期の安来は、 当時の国内の鉄生産量の90%以上にのぼる素鉄・素鋼品の製造と流通を握っていました。

それができたのは港があったからです。

中海に面した天然の良港が古代からありました。 その入り江は万葉集で「於保の浦」、後に金ヶ浦・錦ヶ浦と呼ばれています。 安来湊が重要港となり、山陰の和鉄・和鋼を一手に扱う商都に成長したとされています。

中海は島根・鳥取にまたがる汽水湖です。

  • 湖の面積は国内第5位
  • 塩分は海水より薄い
  • 浅い湖で、最大の水深も20mに届かない

本庄工区の干拓は2000年に中止、淡水化計画も2002年に中止。 2005年にラムサール条約登録湿地となり、 冬にはカモ・ガン類の群れが渡ってきます。

そして食べ物も同じ地形から出ています。

安来市の「市の魚」はどじょうで、「安来どじょう米」という銘柄もあります。 生息環境は能義平野の低湿な水田です。

中海の貝は、淡水と海水の両方の生物が棲む汽水湖のものです。 かつては隣の宍道湖の数倍の漁獲があり、赤貝(サルボウガイ)などを産しました。 現在の漁獲規模は確認できていないので、「かつて」と書いておきます。

2日目の帰りの時間を先に決めてください

実務の注意です。

この市は420km²を超える広さに3万人台が住んでいて、 JRの駅は安来駅と荒島駅の2つだけです。

美術館・城跡・清水寺・温泉を結ぶなら車、 でなければ無料シャトル+イエローバスの組み合わせになります。

  • 車なら山陰道・安来ICから約10分です。美術館には乗用車とバスの駐車場があります
  • シャトルなら安来駅から美術館まで20分前後。1日の便数は確認できていません
  • 荒島駅に降りる手もあります。一畑バスが東揖屋・竹矢を経由して松江駅まで走っています

空港からは乗り換えが3回です。

  • 出雲空港からは連絡バス35分、松江駅で山陰本線に乗り換えて25分、安来駅からシャトル20分
  • 米子空港からは連絡バス30分、米子駅で山陰本線に乗り換えて9分、安来駅からシャトル20分

2日目は城を登ってから駅に戻るので、 帰りの列車の時間を先に決めてから七曲りに入るほうが安全です。

お土産はそばの乾麺

安来は出雲地方の東部にあたります。 この一帯のそばは出雲そばで、乾麺なら持ち帰れます。

乾麺は2日目に城を登る行程と相性がいいのが実務的な理由です。 荷物が重くならず、帰りの列車の時間にも縛られません。

現地で買うほうは1日目です。 清水羊羹は門前の販売店4軒で先に買えます。 円仁が光明真言と精進料理とともに伝えたとされる甘味です。

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宿は温泉側と駅側に分かれます

安来の宿は、鷺ノ湯温泉の旅館と安来駅から歩ける宿が中心です。 清水寺の山内にも旅館があります。

温泉側は飯梨川沿いの旅館で、軒数は多くありません。 足立美術館のすぐ横にあたります。

駅側は徒歩2〜3分で着くので、列車の時間に合わせやすいです。

  • 2日目の朝を庭に使うなら温泉側
  • 列車の時間を優先するなら駅側

この2日は朝の庭が目的なので、温泉側を前提に組んでいます。

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服装と持ち物

  • 寺と平野と館内を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
  • 2日目の七曲りは坂道です。滑りにくい靴を別に持つか、登るかどうかを天候で決めてください
  • 朝の庭は冷えます。羽織りものを1枚多めに
  • 飯梨川の堤防は風が通ります。帽子は飛ばされない形のものを
  • 温泉旅館に泊まるので、湯上がりに着るものを軽めに1枚
  • 冬に中海の渡り鳥を見るなら手袋を

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