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旅行
養父・天滝1泊2日モデルコース|鉢伏鍋は高原の宿にしかない
公開: 2026-10-24 | #養父 #天滝 #1泊2日 #観光 #関西
養父に泊まる理由は鉢伏鍋です。
カモ肉とキジ肉の合わせミンチに卵の黄身がのって出てきます。 自分で混ぜ、スプーンで団子状にすくって鍋に入れる、ハチ高原の郷土料理です。
これを出すのは飲食店ではありません。氷ノ山・鉢伏エリアの宿です。
標高800〜900mの高原の宿に泊まる日程にしないと、この鍋は食卓に出てきません。
日程を決める条件
- 天滝の登山道は頻繁に閉鎖されます。2023年は台風7号の土砂流出と倒木で入山禁止、9月9日に仮復旧で再開、 同年11〜12月も工事で断続的に閉鎖。2025年は4月21〜25日と10月6〜25日が工事で入山禁止でした。 1日目の軸なので、出発前にやぶ市観光協会の告知で可否を確かめてください
- 冬は2日とも成立しません。天滝の登山口と登山口までの道路は除雪しないため通行が困難で、 名草神社は積雪でアクセスできません。2025年は大雪による土砂流出で名草神社の参道の車道が通行止めになり、解除は4月25日でした
- 別宮の棚田の水面に氷ノ山が映るのは、春に田へ水を張った時期だけです。 稲が伸びてからでも、刈り取ったあとでも映りません。2日目の朝に水鏡を期待できる期間は限られます
- 紅葉は標高差で見頃が約1か月ずれます。2026年10月24日の時点で氷ノ山(1,510m)と鉢伏山が見頃、 天滝渓谷と名草神社、川沿いの養父神社は色づき始めで、日光院の大イチョウはまだ青葉でした。 2日かけて高いところから低いところへ下る日程なら、色づきの段差をそのまま追えます
- 鉢伏山の裾野のススキ草原が白い穂で埋まるのは9月から11月上旬です
- 12月上旬から3月下旬は、市内4つのスキー場の季節です。宿は取れますが、見るものがこの行程とは別物になります
- 名草神社の道は細く、駐車場は5台です。別宮の棚田は約10台、天滝の登山口が約15台。2日とも駐車の条件が厳しい側に振れます
- 天滝の登山道は落石があり滑ります。氷ノ山・天滝の一帯には携帯電話の電波が届かない場所があります。 2025年8月15日に氷ノ山の登山道付近でクマの目撃報告があり、観光協会は鈴やラジオの携行を求めています
1日目
- 11:00
八鹿駅に着く移動
JR山陰本線の八鹿駅が起点です。特急で大阪から約2時間10分、神戸から約2時間10分です。
- 11:50
名草神社に寄る移動
妙見山の中腹、標高約800mです。三重塔・本殿・拝殿の3棟が国指定で、道は細く駐車場は5台です。
- 13:30
天滝の登山口から歩く移動
渓谷沿いに片道約1.2km、40〜45分です。V字谷を7つの橋で渡り、途中に糸滝・夫婦滝・鼓ヶ滝があります。
- 14:30
落差98mの天滝を見る
兵庫県最大の滝で、日本の滝100選です。崖は高さ約100m・幅約50m、壁面に約10段のステップがあります。
- 16:30
ハチ高原の宿に入る移動
鉢伏山の中腹、標高800〜900mに広がる高原です。宿はここと八鹿町高柳、大屋側に分かれます。
- 18:30
夜は鉢伏鍋
カモ肉とキジ肉の合わせミンチに卵の黄身がのります。自分で混ぜ、スプーンで団子状にすくって鍋に入れます。
2日目
- 07:30
朝の別宮の棚田へ移動
標高700m、約130枚の田が斜面に並び、氷ノ山を正面に望みます。駐車場は約10台です。
- 08:30
別宮の大カツラを見る
標高730m、樹高27m、株周囲14mで昭和40年3月の県指定です。根元から湧く清水が下流の棚田を養っています。
- 10:00
鉢伏山の山頂に立つ移動
鉢伏山は1,221mです。車で上がれる氷ノ山展望駅が標高1,050mで、山頂までは20〜30分です。
- 12:30
杉ヶ沢高原へ下る移動
轟火山の溶岩台地の上面です。標高720〜850m・約300haで、かつては但馬牛の共同放牧場でした。
- 14:30
養父神社に寄る移動
天平9年の古文書に名が残る但馬五社のひとつです。牛の神を祀り、紅葉の見頃は11月上旬ごろです。
- 16:30
八鹿駅から帰る移動
特急で大阪まで約2時間10分、京都まで約2時間です。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
1日目に削られた側、2日目に残った側
この2日の組み方には理由があります。
養父の見どころは、約250万年前に轟火山が流した硬い玄武岩の溶岩が、 軟らかい古生代の岩盤に蓋をしたという1点から並んでいます。
蓋の切れた先は削れました。削れた断面が落差98mの天滝です。 蓋が載ったままの面は削れませんでした。残った上面が、杉ヶ沢高原とハチ高原と別宮の棚田です。
1日目を削られた側、2日目を残った側に振っています。
順番を逆にすると、消えるものがはっきりしています。 残った側を1日目に回すと、宿が川沿いの町になり、鉢伏鍋が献立から落ちます。
鉢伏鍋を出すのは高原の宿です。高原に宿を取れば、2日目の朝にいる場所は自動的に台地の上面になります。 だから「2日目が上面」は選択ではなく、鍋から決まった結果です。
天滝を午後に入れて、翌朝に回さない
時間の話です。
天滝は登山口の駐車場から片道約1.2km、40〜45分です。往復で1時間半近くかかります。
この往復を2日目に回すと、帰りの列車までに鉢伏山の往復が入りません。 氷ノ山展望駅から山頂までは20〜30分なので、往復と展望で1時間は見ておく必要があります。
落石があり、濡れた岩で滑る道でもあります。電波が届かない区間もあります。 明るい時間に余裕を持って歩ける枠は、1日目の午後しかありません。
滝を見ておくと、2日目の意味が変わります。 98mの崖を下から見上げた翌朝に、同じ溶岩の上面に立つことになるからです。
国指定の建物が3棟並ぶ場所
1日目の午前は、天滝とは別の山に寄ります。
名草神社は妙見山(1,139m)の中腹、標高約800mにあります。
三重塔は高さ約23m、室町時代の建築です。 出雲大社本殿の造営に妙見杉を提供した返礼として、出雲大社から寛文5年(1665年)に移されました。 国指定は明治37年(1904年)です。
本殿と拝殿が続きました。本殿は宝暦4年(1754年)、拝殿は元禄2年(1689年)の建築で、 平成22年4月16日の答申、6月29日の指定で国指定重要文化財になりました。三重塔の指定から106年後です。
結果として、国指定の建造物が3棟並びます。 国指定が3棟そろう場所は、北近畿でほかにありません。
拝殿の形も珍しく、全国的にも希少な「割拝殿」形式です。 境内の妙見杉は樹齢250〜400年です。
同じ山域には但馬妙見日光院があります。 妙見大菩薩を本尊とする真言宗の寺で、6世紀に日光慶重が開創したと伝わり、近世まで帝釈寺日光院と称しました。 山名宗全が戦勝祈願したとされ、寺に伝わる「日光院文書」は兵庫県指定文化財です。 境内の大イチョウは樹齢600年で、秋の落葉は境内が黄色一色になります。
三重塔の軒下に、猿が4匹いる
細部に1つ見るものがあります。
三重塔の3層目の軒下、4隅に猿の彫刻があります。4匹です。
数が合いません。「見ざる・言わざる・聞かざる」は3匹です。 ここには「思わざる」が加わっていて、四猿になっています。
制作は三重塔を但馬に移築した寛文5年です。 但馬地域では最古、兵庫県下でも最古級の猿の彫刻にあたります。
高い位置にあるので、見上げる前提で立ち位置を決めてください。
2日目の朝、台地の上面に立っている
朝の場所は宿で決まっています。
別宮の棚田は鉢伏山の中腹、標高700mにあります。約130枚の田が斜面に並び、氷ノ山を正面に望みます。
すぐ近くに別宮の大カツラがあります。標高730m、樹高27m、株周囲14m、枝張りは直径24m。 昭和40年3月に兵庫県指定文化財になりました。
幹が左巻きにねじれる「捻幹カツラ」で、平成16年10月の台風23号で折れた幹は直径39cm、年輪が245本ありました。
棚田と木は別々の見どころではありません。 大カツラの根元から湧く清水が、下流の棚田を養っています。 台地に蓋をした溶岩から出た水です。
棚田を先に見てから水の出どころへ上がる順番なので、流れを逆からたどる形になります。
1,221mの山頂は、1,050mから20〜30分
高さを稼ぐ場所です。
鉢伏山は養父市と香美町の境にある1,221mの山で、ハチ高原はその中腹、標高800〜900mに広がります。
車で上がれるのは氷ノ山展望駅の標高1,050mまでです。 そこから山頂までは20〜30分なので、残りの171mだけを歩くことになります。
裾野のススキ草原には、ミツガシワ群生地とヤマドリゼンマイ群落があります。どちらも県指定天然記念物です。 近くの高坪山は1,104mです。
正面に見えるのが氷ノ山、兵庫県最高峰の1,510mです。 山頂は鳥取県若桜町との県境で、氷ノ山後山那岐山国定公園に入ります。
安山岩の成層火山で、山頂には厚さ約5cmの板状節理の岩盤が重なります。 噴火の年代は資料によって割れています。約250万年前とするものと約300万年前とするものがあり、どちらとも決めかねます。
噴火口は山頂から東へ約300m下った、古生沼・古千本杉の付近と考えられています。
その古生沼は標高1,460m付近、幅30m×長さ60mの高層湿原です。 ヤチスゲ・エゾリンドウ・ツマトリソウ・アカモノといった氷河期の植物が残り、 「古生沼の高地湿原植物群落」として兵庫県指定天然記念物になっています。 牧野富太郎が昭和12年(1937年)8月8日に氷ノ山へ登り、ヒョウノセンカタバミを発見しました。
ここは山頂まで登った人だけの場所です。 この行程では、鉢伏山から形を見るところまでにしています。
下りながら、牛と米と山椒の話になる
2日目の午後は標高を下げます。
杉ヶ沢高原は轟火山の溶岩台地の上面です。標高720〜850mで、かつては地元の但馬牛の共同放牧場でした。
ここから先、養父の食べ物はすべて標高で説明がつきます。
- 轟大根は標高約750mの冷涼な気候で育てます。出荷は6月下旬から11月上旬です
- 蛇紋岩米は市内の限られた範囲に広がる蛇紋岩土壌のコシヒカリです。 マグネシウムと鉄分を多く含む土と、氷ノ山山系から湧く清水で育てます。収穫量が少なく「幻の米」と呼ばれます
- 八鹿豚は八鹿町三谷の山間です。比較的冷涼な環境を生かし、1箇所あたりの飼育頭数を減らして育てます
- 朝倉山椒は八鹿町朝倉が発祥で、400年の歴史があります。木にトゲがなく実が大粒で、 リモネンやフェランドレンの割合が高いので柑橘系の香りがします。生野奉行の間宮直元が徳川家康に献上した記録が残ります。 枯れやすく産地化が難しかったのですが、平成21年(2009年)に枯れにくい苗木が開発され、3年間で3,000本以上が植えられました
最後は川沿いの養父神社に下ります。天平9年(737年)の古文書に名が残る但馬五社のひとつで、牛の神を祀ります。 農耕に必要な牛の売買が、この神社の管理下にあったからです。
台地の上で牛を飼い、下りた先で牛を売った。 2日かけて標高を下げると、その順番を地面の上でたどることになります。
紅葉の見頃は11月上旬ごろです。2026年のやぶ紅葉まつりは11月7日から29日まで、夜間のライトアップがあります。
2日目の足を残しておく
2日分の足の話です。
- 起点はJR山陰本線の八鹿駅です。特急で大阪から約2時間10分、京都から約2時間、神戸から約2時間10分、鳥取から約1時間40分です
- 車は養父ICか八鹿氷ノ山ICから。養父IC→八鹿氷ノ山IC(およびその逆)のみの乗降はできません。 八鹿氷ノ山ICの開通は平成24年11月なので、古い地図のカーナビは和田山ICや山東ICで降ろしてきます
- 高速バスは全席指定で、1か月前からの予約が前提です。大阪・梅田から約2時間50分、神戸・三宮から約2時間15分。 城崎温泉線はJR八鹿駅発着、浜坂・湯村温泉線は養父市役所・但馬農高・関宮発着で、乗り場が違います
- 八鹿駅からハチ高原へは路線バス[2]鉢伏線が片道約55分です。鉢伏着は1日8本前後で、 日曜・祝日・お盆・年末年始に運休する便があります。2日間とも宿の送迎とバスの本数を先に押さえてください
- 名草神社方面は[6]石原線、天滝方面は[3][4]明延線・若杉線です。若杉線には「天滝口」という停留所がありますが、 そこから天滝の登山口までの距離は公式の資料で確認できませんでした。この行程は車で動く前提です
- 2026年11月1日の全但バスのダイヤ改正では、[2]鉢伏線、[3][4]明延線・若杉線、[5]井坪線、[6]石原線は改正の対象外です。 [5]井坪線の井坪〜新井〜アルバ間は2025年4月1日改正をもって運行休止で、朝来市のデマンド型乗合交通に移行しました
- 2026年10月28日〜11月10日は養父市九鹿地区の舗装工事で路線バスが迂回、 2026年11月9日〜20日は北近畿豊岡自動車道の工事通行止めで高速バスが迂回します
- 1日目に天滝を往復1時間半歩きます。2日目は鉢伏山の往復があるので、1日目に飛ばしすぎないほうが無難です
- 2027年5月14日から30日まで、ワールドマスターズゲームズ2027関西が開かれます。 養父市は公式競技オリエンテーリング(フォレスト)の開催地で、2026年7月12日にはハチ高原でリハーサル大会が行われました。 国内30,000人・海外20,000人が目標の大会なので、この時期は宿の確保が別の難易度になります
- 空路はコウノトリ但馬空港です。伊丹空港から最短35分、空港から養父市内まで車で約30分です
- 養父市内からは竹田城まで車で30分、出石35分、豊岡市内40分、城崎温泉50分、湯村温泉60分です
牛の土地だから、牛が土産になる
杉ヶ沢高原が但馬牛の共同放牧場だったのは、溶岩台地の上面が平らで涼しかったからです。
農家は「但馬の一頭飼い」といって、牛を家族の一員として育ててきました。 この土地で育った牛の多くは、神戸牛や松阪牛の名前で出ていきます。
持ち帰るなら但馬牛です。和牛と食べ比べる詰め合わせなら、産地の違いが口の中で分かります。
もう1つは但馬のねぎを使ったぽん酢です。常温で日持ちするので、2日目の夕方に買っても構いません。 鉢伏鍋の記憶が残っているうちに、家で鍋に使うという渡し方ができます。
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帰宅日に合わせて届くよう注文しておくと受け取りがスムーズ。
楽天で見る※価格は取得時点の目安です。最新の価格・送料はリンク先でご確認ください。
宿は標高で選ぶ
養父は温泉街のある土地ではありません。宿は標高で3つに分かれます。
高原側が丹戸・大久保・鉢伏高原の一帯です。 ハチ高原の宿で、鉢伏鍋が出るのはこの標高800〜900mの範囲です。 2日目の朝に別宮の棚田と鉢伏山へ出るなら、ここに取るのが一番短く済みます。 ハチ高原のグラウンドを改修したグランピング・キャンプ場も2021年5月29日に開業しています。
川沿い側が八鹿町高柳や小山です。駅とICに近く、列車で来る日程に強い宿です。 ただし、ここに泊まると鉢伏鍋は出ません。 1日目の夜に何を食べるかで、泊まる標高が決まります。
もう1つが大屋側です。若杉高原や加保の宿で、天滝とあゆ公園に近い位置です。
※料金は取得時点の最低料金の目安です。プラン・日程により変わります。
服装と持ち物
- 2日とも歩きます。町なかは歩けるきれいめスニーカーで足りますが、天滝は靴底の溝が深いものを
- 1日目の天滝は往復1時間半、落石と濡れた岩があります。両手が空くかばんで
- 2日目は山へ上がります。鈴かラジオを1つ、音の出るものを持ってください
- 宿が標高800〜900mです。川沿いの八鹿とは朝晩の体感が変わるので、1枚多めに
- 2日目の朝に棚田へ出ます。田のあぜは土なので、濡れてもいい靴を
- 電波が届かない場所があります。地図は紙か、事前に落としたもので
- 鉢伏山の山頂は風が通ります。帽子は飛ばない形のものを


