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旅行
竹田城・朝来1泊2日モデルコース|夜明け前に登った人だけの石垣
公開: 2026-10-24 | #竹田城 #朝来 #1泊2日 #観光 #関西
朝来に泊まる理由は1つです。日の出前の山頂に立てることです。
雲海シーズンのあいだ、竹田城跡は夜明け前から開きます。早朝のライトアップもこの時期だけで、史跡のなかから石垣の照明を間近に見られるのは9月から12月初旬の早朝に限られます。
そこへ行く足がありません。どの登山ルートでも駐車場から山頂まで徒歩40〜50分かかります。山城の郷の駐車場は普通車100台ですが、10月と11月の土日祝は午前2時から3時頃に満車になることがあります。早朝雲海バスは11月の土曜・日曜・祝日だけの運行で、2026年は竹田城跡まで上がらず山城の郷で折り返します。
城跡にも立雲峡にも電灯は一切ありません。始発列車では、この時間帯に山にいられません。
先に決めておく条件
- 2日目の早朝を山頂に当てています。雲海シーズン(9月中旬から12月初旬)の外では、そもそも夜明け前に入城できません
- 1月4日から2月末までは冬季閉山で、入城そのものができません。3月に春のシーズンとして再開します
- 雲海は天候次第で、朝来市も運まかせと書いています。立雲峡の条件は、前日の夜から気温が下がって日中との寒暖差が10℃以上ある日、よく晴れて風がない日。主な時期は9月から11月です
- 駅裏登山道と表米神社登山道はクマの出没で閉鎖が続いています(2026年10月の更新時点)。西登山道か南登山道を使います
- 暗いうちに歩きます。朝来市は懐中電灯・雨合羽・防寒具・飲料水・鈴かラジオを必携に挙げ、山頂は零下になることもあるとしています
- 立雲峡の車道は積雪時に通行止めです。駐車場の工事で全面入山通行止めになったこともあります
- 神子畑交流館には休館日があり、約1時間半の神子畑ガイドは事前予約が必要です。明延鉱山の探検坑道と中瀬の石間歩坑口も事前申込です
- 城跡のボランティアガイドは1週間前までの申込で、人数に限りがあります
早朝の開城と登山道の状況は年によって変わります。日程を決める前に朝来市の案内で確かめてください。
1日目
- 11:00
和田山ICに着く移動
大阪から車で約2時間、神戸から約1時間30分です。1日目は分水嶺の南側へ下ります。
- 11:50
神子畑の鋳鉄橋と選鉱場跡移動
神子畑鋳鉄橋は全鋳鉄製の橋では日本最古です。1883年から足かけ2年、総工事費4万円で架かりました。
- 13:30
生野銀山の坑道に入る移動
坑道の総延長は350km以上、深さは880mです。観光坑道は約1kmで、坑内は年間13度です。
- 15:30
口銀谷のカラミ石の町を歩く移動
国登録有形文化財の町屋が並びます。足元と塀を見る町なので、明るいうちに歩きます。
- 17:00
城下町の宿に入る移動
和田山町竹田です。翌朝は暗いうちに動くので、城の直下に泊まります。
- 19:00
但馬牛と、冬なら岩津ねぎ
岩津ねぎは11月下旬から3月下旬の期間限定です。日本三大ねぎの1つで、青葉から白根まで食べられます。
- 20:30
懐中電灯と防寒具を枕元に置く
城跡と立雲峡に電灯はありません。朝来市は懐中電灯・雨合羽・防寒具・飲料水・鈴かラジオを必携に挙げています。
2日目
- 04:40
暗いうちに山城の郷へ移動
普通車100台の駐車場です。10月と11月の土日祝は午前2時から3時頃に満車になることがあり、満車時は道路上で入庫待ちができません。
- 05:00
西登山道を登る移動
駐車場から山頂まで徒歩40〜50分です。駅裏登山道と表米神社登山道はクマの出没で閉鎖が続いています。
- 06:00
夜明け前の天守台に立つ
早朝の点灯は9月から12月初旬までです。史跡のなかから石垣の照明を間近に見られるのは、この時期の早朝だけです。
- 07:30
明るくなった石垣を見て下る
城跡内は一方通行で、見学だけで30〜60分かかります。野面積みの石の面が1つずつ見えてきます。
- 09:00
立雲峡の第3展望台から城を見る移動
駐車場から約100m・約5分です。竹田城跡を正面から望む撮影地で、樹齢300年を超える老桜があります。
- 10:30
城下町で土産を買う移動
持ち帰るのは牛肉と酒です。岩津ねぎは11月下旬から3月下旬の期間限定で、その時期以外は現地にありません。
- 12:00
宝珠峠の茶すり山古墳に寄る移動
5世紀前半の円墳で、直径約90m・高さ約18mの2段築成です。円墳としては近畿最大規模です。
- 13:30
和田山ICから帰る移動
山頂から下りてそのまま高速へ入れる向きに組んでいます。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
1日目に南、2日目に北へ上がる理由
この2日は、1日目に分水嶺の南(生野・神子畑)、2日目に北の峠(竹田城跡)という向きで組んでいます。
逆にすると3つが崩れます。
1つ目は夜の位置です。生野と竹田は分水嶺の反対側で、車で移動する時間がかかります。1日目に城へ上がって2日目に生野へ下る形にすると、夜明け前に動く朝が1日目になり、前泊のない日に当たります。
2つ目は坑道と町歩きの明るさです。生野の鉱山町は、民家の土台や塀に使われたカラミ石を見る町です。足元を見る場所なので、暗くなってからでは成立しません。
3つ目は帰りの道です。2日目の午前に山頂から下りてくると、そのまま和田山ICへ向かえます。南へ下ってから北へ戻ると、同じ区間を2度走ります。
城は夜に照らされますが、見られるのは早朝の点灯のときだけです。夜に城下町から見上げても、そこに光はありません。
分水嶺という1行が、何度も使われている
朝来市は幕末の生野義挙を説明するなかで、挙兵地に生野が選ばれた理由をこう書いています。代官所と銀山の政治力・経済力に加えて、「市川と円山川の分水嶺であり、四方は峠に囲まれて守りやすく攻めるに難しい天然の要害の地」であったこと。
同じ条件が、時代ごとに別の用途で使われてきました。
室町には峠を押さえる最前線基地として山頂に城が築かれ、江戸には峠の南の銀山が幕府直轄になり、幕末には挙兵の拠点に選ばれました。生野義挙は1863年10月12日の未明に代官所を占拠し、同日の正午頃には農兵2千人余が集まりましたが、出石藩が一番手950人、二番手と三番手に各133人を送り、翌13日の夜に本陣が破陣します。妙見山に逃れた南八郎ら13名は山伏岩で自刃しました。3日です。その4年後に明治維新が来ます。
生野町と宍粟市一宮町の境にある段ヶ峰(標高1,103m)も、瀬戸内海と日本海の分水嶺にあたります。朝来市は南北約32km・東西約24kmの範囲で、その稜線が市の背骨になっています。
2日で回っているのは、観光地の2つではなく、同じ峠の両側です。
1日目は坑道の温度に合わせる
生野銀山の坑内は年間13度です。
これは服の話だけではありません。夏でも涼しい坑道は、見学の前後に温かいものを食べる土地の形を作りました。施設のなかで出される銀山うどんは、その並びにあります。
坑道は未公開部分を含めて総延長350km以上、深さ880mに達します。鉱脈は大小60余条、主要鉱脈の延長は2.6km余、開発深度は1km、産出鉱物は約70種です。観光坑道は約1kmで、江戸期の手掘り跡と近代坑道が同じ道の上に並びます。
そこへ向かう前に神子畑を入れています。神子畑鋳鉄橋は神子畑と生野を結んだ運搬用馬車道に架けられた5つの橋のひとつで、全鋳鉄製の橋としては日本最古です。選鉱場跡は山の急斜面に建物の基礎だけが段々に残り、明延の鉱石が専用の明神電車で運ばれてきました。
橋を先に見ておくと、坑道で掘られたものがどこへ運ばれたのかが順番で分かります。
源流の水に、特別天然記念物がいる
分水嶺の土地は、川の上流しか持ちません。
朝来市内の河川には特別天然記念物のオオサンショウウオが広く生息し、調査では2,000匹を超える生息が確認されています。円山川・市川・与布土川・糸井川で見つかっており、黒川渓谷では40年以上の調査で産卵巣穴と繁殖行動も確認されました。生野町では「あんこう」と呼ばれます。
糸井渓谷の最奥部には、国指定天然記念物の糸井の大カツラがあります。樹高35.0m、枝張りは東西30.0m・南北31.0m。主幹は朽ちていますが、その周囲から約84本のひこばえが林立しています。
水源しかない土地だから、水がきれいなまま残りました。黒川温泉美人の湯とよふど温泉という公共の温泉も、この源流域にあります。前者はアルカリ性単純温泉、後者は単純低温泉でラドンの含有量が多い湯です。どちらも休館日があります。
夜明け前の2時間に起きること
2日目の朝が、この行程の本体です。
宿を出るのは暗いうちです。山城の郷に車を置いて、西登山道を登ります。徒歩40〜50分、照明はありません。中腹の乗降場から城跡入口までの900m(約20分)も、タクシーで上がった人と同じだけ歩きます。
山頂に着くと、石垣が下から照らされています。早朝の点灯があるのは9月から12月初旬までです。それ以外の季節に夜明け前に登っても、暗い石垣しかありません。
雲海が出るかどうかは、ここまで来ても分かりません。前日の夜から気温が下がり、日中との寒暖差が10℃以上あって、よく晴れて風がない朝に出ます。3つが揃わない朝には出ません。
出なかったときに残るものがあります。人がいない時間の石垣です。城跡内は一方通行で、見学だけで30〜60分かかります。日が差してくると、野面積みの石の面が1つずつ見えてきます。
同じ朝に、城に立つことと城を見ることは両立しない
ここが2日目の分かれ目です。
雲海を撮る場所は立雲峡です。朝来山の中腹から竹田城跡を正面に望みます。しかし立雲峡も駐車場から歩く場所で、やはり電灯がありません。
竹田城跡と立雲峡は、円山川をはさんだ向かい合わせです。同じ朝の同じ時刻に、両方にはいられません。
この行程では山頂を選んでいます。立雲峡は明るくなってから、第3展望台(駐車場から約100m・約5分)に寄る形にしてあります。雲海が残っていなくても、さきほどまで立っていた石垣を正面から見られます。
立雲峡の案内では、第1展望台までが約810m・約30分です。朝の登りのあとに入れるかどうかは、その日の足で決めてください。
帰りに峠の古墳へ寄る
2日目の最後は、和田山から山東へ抜ける宝珠峠です。
峠の途中、尾根の先端に茶すり山古墳があります。5世紀前半の円墳で、直径約90m・高さ約18mの2段築成、標高約144m。墳頂の平坦面は東西約36m・南北約30mあります。円墳としては近畿で最大規模です。国史跡の指定は2004年2月27日です。
副葬品に襟付短甲があります。畿内の大有力者しか持ち得なかった品で、ヤマト政権と強く結びついた首長の墓とされます。
同じ峠に、5世紀の墓と15世紀の城が置かれています。見張る場所と葬る場所が重なったのは、どちらも道を見下ろせたからです。
車と駐車場の時間割
前泊する側の実務です。
大阪から車で約2時間、神戸から約1時間30分、鳥取から国道9号で約2時間。鉄道なら特急で大阪から約2時間、京都から約1時間45分、神戸から約2時間です。
山城の郷より上の狭路は一般車両が入れません。無料の駐車場は、山城の郷が普通車100台、竹田城下町が150台、竹田まちなか観光が60台、竹田区が70台(土日祝のみ)で、立雲峡側にも駐車場があります。竹田まちなか観光の駐車場は夜間に使えないので、前泊で車を置く場所は宿に確認してください。
早朝に動く日は、満車の時間を見込みます。10月と11月の土日祝は山城の郷が深夜のうちに埋まることがあり、満車のときは道路上で待てません。市は平日の分散来訪を呼びかけています。山城の郷へのバスの駐車は予約が必要です。
日中の天空バスは3月から運行して12月には走らず、早朝の時間帯には動いていません。周回道路は一方通行で、山城の郷から城跡までは行き約10分、帰りは竹田駅経由で約25分かかります。
神子畑選鉱場跡はJR新井駅からタクシーで15分、播但道朝来ICから10分です。山城の郷の特産の館は設備更新の工事で休業していた時期があるので、売店とレストランを当てにする場合は先に確かめてください。城下町の情報館 天空の城、観光案内所の交流の館、JR竹田駅舎内のわだやま観光案内所は営業しています。
持ち帰るのは酒と牛肉
泊まりにすると、夜の食事と土産の両方が土地のものになります。
冬に当たれば岩津ねぎです。11月下旬から3月下旬の期間限定で、鍋・天ぷら・丸ごとの炭火焼きで出てきます。冬の寒さと積雪で甘さと軟らかさが増すねぎで、岩津ねぎの解禁に合わせたあさごうまいもんフェスも11月に開かれます。ただし持ち帰りの形にはなりません。
持ち帰るのは酒と牛肉です。酒は産地をまたいだ純米大吟醸の飲み比べセットで、兵庫の蔵のものが入った詰め合わせがあります。牛肉はステーキの詰め合わせで、朝来のある但馬は和牛の産地です。
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宿は城下町に取る
宿の場所で、2日目の朝が決まります。
朝来市の宿は3つに分かれます。城下町の和田山町竹田、和田山駅の周り、そして多々良木のダム湖側です。
夜明け前に動くなら城下町です。和田山町竹田の宿は城の直下にあり、暗いうちに駐車場へ回る距離が最も短くなります。町家を使った宿もこの一帯です。
和田山駅の周りはビジネスホテルで、鉄道で入って翌朝にタクシーを呼ぶ形なら選択肢になります。多々良木は林間の静かな側で、源流の水と温泉に寄せるならこちらです。
朝に出発する宿では、朝食の時刻が山に登る時刻と合いません。前夜に飲み物と行動食を用意しておくほうが確実です。

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服装と持ち物
- 暗い登山道と石垣の上を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 懐中電灯は必携です。城跡と立雲峡に照明はありません
- 山頂は零下になることもあります。防寒具は夜明け前の気温で考えてください
- 徒歩40〜50分の登りがあります。両手が空くかばんで
- 鈴かラジオを1つ。暗いうちに歩くので、音の出るものを手元に置きます
- 坑内は年間13度です。1日目の生野で羽織りものを使います
