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旅行
竹田城・朝来日帰りモデルコース|天守台353.7m、残るのは石垣だけ
公開: 2026-10-24 | #竹田城 #朝来 #日帰り #観光 #関西
朝来市は兵庫県のほぼ中央にあります。総面積403.06平方キロメートル、人口28,989人(2020年の国勢調査)。
ここは分水嶺です。日本海へ流れる円山川と、瀬戸内海へ流れる市川の、両方の源流域にあたります。
朝来市は幕末の生野義挙を説明するなかで、この土地を「市川と円山川の分水嶺であり、四方は峠に囲まれて守りやすく攻めるに難しい天然の要害の地」と書いています。1日で見るものは、ほぼこの1行から出てきます。
大阪から車で約2時間、神戸から約1時間30分、京都から国道9号経由で約2時間30分。鉄道は姫路からJR播但線で和田山まで約2時間弱です。
同じ兵庫でも、円山川を下った河口の城崎とは土地の性格が違います。ここは川の出口ではなく、峠の上です。
先に決めておく条件
- 竹田城跡は1月4日から2月末までが冬季閉山で、入城できません。3月に春のシーズンとして再開します
- 雲海は運まかせです。立雲峡が示す条件は、主な時期が9月から11月、前日の夜から気温が下がって日中との寒暖差が10℃以上ある日、よく晴れて風がない日。朝来市も天候により発生しないことを明記しています
- 早朝から入城できるのは雲海シーズン(9月中旬から12月初旬)だけです。12月の初旬を過ぎると日中の短い時間に戻ります。日帰りの時間帯に雲海と早朝ライトアップは入りません
- 駅裏登山道と表米神社登山道は、クマの出没で閉鎖が続いています(2026年10月の更新時点)。登るのは西登山道か南登山道です
- 大雨・洪水・暴風の警報が出ているとき、台風接近時、落雷、積雪、登山道の凍結では入城できない場合があります
- 立雲峡へ上がる車道は、積雪時に車両通行止めになります
- 城跡内は一方通行で、設定ルートの外は立入禁止区域です
- 城跡のボランティアガイドは1週間前までの申込が必要です。神子畑交流館の神子畑ガイドも事前予約です
開山の期間と登山道の状況は変わります。出発前に朝来市の案内で確かめてください。
1日の流れ
- 09:30
和田山ICに着く移動
大阪から車で約2時間、神戸から約1時間30分です。朝来市は日本海へ流れる円山川と瀬戸内海へ流れる市川の分水嶺にあたります。
- 09:50
山城の郷に車を置く移動
普通車100台で無料です。ここから竹田城跡までの区間は狭路で、一般車両は入れません。
- 10:10
西登山道で竹田城跡へ移動
どの登山ルートでも駐車場から山頂まで徒歩40〜50分かかります。中腹の乗降場から城跡入口までの900mは全員が歩きます。
- 11:00
天守台353.7mと石垣を見る
古城山の頂に石垣だけが残ります。城跡内は一方通行で、見学だけで30〜60分かかります。
- 12:30
城下町で昼をとる移動
城の直下の和田山町竹田です。情報館 天空の城とJR竹田駅舎内の観光案内所があります。
- 13:40
立雲峡から城を正面に見る移動
朝来山の中腹にある県立自然公園です。第3展望台まで約100m・約5分、第1展望台まで約810m・約30分です。
- 15:00
生野銀山の坑道を歩く移動
1868年に日本初の官営鉱山になった山です。観光坑道は約1kmで、坑内は年間13度です。
- 16:40
口銀谷のカラミ石の町を抜けて帰る移動
製錬滓を固めたカラミ石が民家の土台や塀に使われています。2014年に重要文化的景観として告示された一帯です。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
天守台353.7m、残っているのは石垣だけ
数字から入ります。
竹田城跡は古城山の頂にあり、天守台の標高は353.7mです。国史跡の指定は1943年9月8日、追加指定が2009年7月23日です。
建物は何も残っていません。残っているのは石垣です。天守台をほぼ中央に置き、南へ南二の丸と南千畳、北へ二の丸・三の丸・北千畳が伸びます。
山城の遺跡としては全国でもまれな完存する遺構で、虎が臥せた姿から虎臥城とも呼ばれます。日本100名城の1つで、恋人の聖地にも2012年に認定されました。
石垣の上に立って最初に分かるのは、四方の峠が見下ろせることです。この城が見ていたのは景色ではなく、道でした。
石垣は野面積みで、倭城に倣っている
積み方に時代が出ます。
大小の石材を組む野面積みで、近江の穴太衆が築いたとされます。天守台の隅は算木積み、石の表面には矢穴が残り、石取場・大竪堀・登り石垣も確認されています。全体として倭城の築城形態に倣った作りです。
虎口は枡形と食い違いを使い分け、南千畳には横矢がかかります。
天守台北西の花屋敷曲輪は、秀吉の朝鮮出兵の拠点だった肥前名護屋城跡の遊撃丸と形状が酷似しています。平殿から花屋敷へ降りる見学通路は2026年8月7日に開きましたが、曲輪内は未整備で立入禁止です。
誰が、いつ積んだのか。それは石の組み方のほうが先に答えます。
なぜこの山の頂だったのか
理由は峠です。
嘉吉の乱の後、赤松氏に対する山名氏方の最前線基地として築かれました。山名持豊が着手したのが1431年、完成が1443年と口碑に伝わります。年代の幅は嘉吉年間です。
完成後は太田垣光景を初代として太田垣氏が7代にわたり城主を務め、1580年の秀吉の但馬攻めで支配が終わりました。
いま見る石垣は、そのあとの時代のものです。播磨龍野城主から1585年に入城した赤松広秀(斎村政広)の時代に整備されたと考えられています。所領は20,000石、1594年に22,000石。広秀は関ヶ原の後に自刃させられ、城は1600年に廃城になりました。
築城から廃城まで約160年です。石垣が残って建物が残らなかったのは、石垣を整えた直後に城が終わったからでもあります。
同じ峠の南で銀が出た
分水嶺のもう一方の斜面へ下ります。
生野銀山は807年(大同2年)に銀が出たと伝えられ、開坑の起源は1542年、山名祐豊が銀石を掘り出したことに置かれています。1567年には日本最大の鉱脈とされた慶寿ひが見つかりました。
信長と秀吉を経て、1600年に家康が但馬金銀山奉行を置きます。佐渡金山・石見銀山と並ぶ天領で、1716年に生野代官所が置かれ、吉宗の頃に最盛期を迎えました。最盛期の産出は月150貫、約562kgの銀です。
そして1868年、ここは日本初の官営鉱山になります。明治政府はお雇い外国人第1号としてフランス人技師ジャン・フランソワ・コアニエを招きました。コアニエは10年を日本で過ごし、関わったフランス人技師は計24人を数えます。1889年に宮内省御料局の管轄となり、1896年に三菱合資会社へ払い下げられ、1973年に閉山、翌年に観光施設として開きました。
坑道の総延長は未公開部分を含めて350km以上、深さは880mに達します。新大阪駅から静岡駅の近くまでの距離に匹敵する長さです。観光坑道はそのうち約1kmで、江戸時代の手掘り跡と明治以降の近代坑道を続けて見られます。坑内は年間13度です。
城と銀山は別の見どころに見えます。しかし押さえたい峠は同じでした。
銀を海へ出すために73kmの道を通した
銀は山にあるままでは使えません。港まで運ぶ必要があります。
日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」は、姫路・飾磨港から生野鉱山へ南北一直線に貫き、さらに明延・中瀬へ続く全長73kmの道です。対象は明延・神子畑・生野・中瀬の4鉱山。かつての馬車道やトロッコ道は、いまは国道や市道として使われています。
神子畑と生野を結んだ馬車道は総延長16.2km、幅員3.6mでした。そこに架かる神子畑鋳鉄橋は国指定の重要文化財です。1883年から足かけ2年、総工事費4万円で架けられ、設計と施工は日本人ですが、フランス人技師団の技術指導の結果が大きいとされます。現存する鉄橋として日本で3番目に古く、全鋳鉄製の橋では日本最古です。
神子畑はもともと銀の支山でした。1878年に新鉱脈が見つかって生野鉱山の支山として稼働し、明延で錫が出ると選鉱場に転換して、最盛期は東洋一と呼ばれました。山の急斜面に巨大な建物跡が残ります。明延から神子畑までの約6kmは明神電車が結び、運賃が1円だったので一円電車と呼ばれました。明延で錫が見つかったのは1909年、閉山は1987年です。
道のほうが、鉱山より長く残りました。いま走っている国道が、その道です。
カラミ石が土台になっている町
生野の鉱山町の景観は、製錬の副産物でできています。
製錬滓をブロック状に固めたカラミ石が、民家の土台・塀・水路・擁壁まで至る所に使われています。市川の河床には当時の選鉱施設だった汰り池の跡が残り、口銀谷には国登録有形文化財の町屋が並びます。
「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観」は2013年11月15日の文化審議会答申を経て、2014年3月18日に重要文化的景観として告示されました。兵庫県からの選定は初めてで、現役の鉱業都市としての選定は全国で初めてです。閉山後もスズの製錬とレアメタルの回収が続いています。
400年以上にわたって重層的に形成された景観という評価です。ここで見るのは建物よりも、足元と塀です。
立雲峡は、城を正面から見る場所
城に登ると、城そのものは見えません。
立雲峡は朝来山の中腹にある県立自然公園で、竹田城跡を正面から望む撮影地です。展望台は3つあり、立雲峡の案内には駐車場からの距離と所要が示されています。第3展望台まで約100m・約5分、第2展望台まで約220m・約10分、第1展望台まで約810m・約30分です。
樹齢300年を超える老桜があり、但馬吉野と呼ばれます。命名は昭和の初めで、大阪から訪れた松本卯一郎が毎日30〜40人の人夫を入れて自費で開拓し、頭山満の雅号「立雲」から名付けられました。1932年4月17日に大阪竹田会がこの地を訪ね、同年5月2日付の大阪朝日新聞全関西版に載っています。ソメイヨシノと山桜は3月中旬ごろから動きます。
城を歩いた足で向かいの山へ移ると、自分が立っていた石垣の全体が見えます。順番としては、こちらが後です。
車が前提の土地です
実務の注意です。
山城の郷から竹田城跡までの区間は狭路で、一般車両の乗り入れが禁止されています。車で来た人は山城の郷か城下町の駐車場に置き、そこから徒歩・タクシー・天空バスに乗り換えます。駐車場はいずれも無料です。
収容台数は、山城の郷が普通車100台(大型バス10台は要予約)、竹田城下町が150台、竹田まちなか観光が60台、竹田区が70台(土日祝のみ)です。10月と11月の土日祝は、山城の郷が夜明けよりずっと早い時間に満車になることがあります。満車のときは道路上での入庫待ちができず、国道沿いの駐車場へ回されます。道路・農道・私有地への駐車は禁止です。
歩く距離を見込んでください。どの登山ルートでも、駐車場から山頂まで徒歩40〜50分かかります。タクシーやバスで上がっても、中腹の乗降場から城跡入口までの900m(約20分)は全員が歩きます。城跡内の見学だけで30〜60分です。
周回道路は一方通行です。山城の郷から竹田城跡へは行き約10分ですが、帰りは竹田駅を経由するため約25分かかります。タクシーで戻る場合、距離と時間が行きの約3倍になります。
天空バスは3月から運行し、12月には走りません。本数は限られ、まちなか駐車場から竹田城跡への直通便はごくわずかです。早朝の時間帯には走っていません。
神子畑選鉱場跡と神子畑交流館はJR新井駅からタクシーで15分、播但道朝来ICから10分、駐車場は普通車26台です。生野銀山はJR生野駅の側にあります。
持ち帰るのは牛肉
朝来でいちばん知られている食べ物は岩津ねぎです。下仁田ねぎ・博多万能ねぎと並ぶ日本三大ねぎの1つで、関東の根深ねぎと関西の葉ねぎの中間種、青葉から白根まで食べられます。江戸時代に生野で銀の採掘に携わった人々の冬の栄養源として栽培が始まったと、朝来市観光協会が説明しています。
ただし販売は11月下旬から3月下旬の期間限定です。それ以外の時期には現地にありません。
年中持ち帰れるのは牛肉です。朝来市は但馬にあり、山城の郷でも但馬牛が出ます。ただし売店とレストランは設備更新の工事で休業していた時期があるので、現地で買うなら先に確かめてください。
四方を峠に囲まれて耕地が限られた土地が、和牛の産地になりました。
ステーキの詰め合わせには他産地のブランド牛を合わせたものもあるので、産地の表記を見てください。
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泊まると、夜明け前の山頂に立てる
このコースを泊まりにする意味は時刻です。
雲海シーズンの早朝入城と早朝のライトアップは、どちらも夜明け前から始まります。どの登山ルートでも駐車場から山頂まで40〜50分かかり、城跡にも立雲峡にも電灯は一切ありません。始発列車で来て間に合う時間帯ではありません。
宿は3つの場所に分かれます。城下町の和田山町竹田には町家の宿と小さな宿があり、山頂への距離がいちばん短いです。和田山駅の周りにはビジネスホテルが並びます。多々良木のダム湖側には林間の宿があります。
夜明け前に動くつもりなら城下町です。

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- 登山道と石垣の上を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 駐車場から山頂まで徒歩40〜50分、城跡内にも階段と起伏があります。靴底のしっかりしたもので
- 山頂は零下になることもあります。1枚多めに考えてください
- 坑内は年間13度です。夏に生野銀山へ入るなら羽織りものを1枚
- 城跡と立雲峡に電灯はありません。日暮れにかかるなら懐中電灯を
- 朝来市は鈴かラジオも必携に挙げています。市内でクマの出没が確認され、一部の登山道が閉鎖されています