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旅行
美山・南丹日帰りモデルコース|森が96%だから屋根はカヤになった
公開: 2026-10-24 | #美山 #南丹 #日帰り #観光 #関西
南丹市は京都府の中部にあります。この記事で回るのは、北の美山町、中部の日吉町、南の園部町です。
京都駅からはJR山陰本線と南丹市営バスの乗り継ぎで約2時間、車なら京都市内から約80分です。
同じ京都府でも、嵐山や宇治のような町歩きとは土地の形が違います。 美山町は町域の96%が森で、人が住めるのは由良川が刻んだ谷底だけです。
美山・南丹の見どころは、森が多すぎて平地がないことの帰結です。
行く前に決まってしまうこと
- かやぶきの里の一斉放水点検は年2回だけです。春が5月20日、秋が12月1日(2026年実績)で、雨天でも実施されます。 放水は約5分間で終わります。点検開始30分前の11:00から終了まで集落内に立ち入れないので、農道沿いや集落入口など外側から見る形になります
- 冬のライトアップ「冬灯廊」は真冬の8日間だけです(2027年は1月30日から2月6日)。 点灯は17:00から19:00なので、日帰りの行程では最後まで見られません
- 雪のかやぶき屋根が見られるかは年と日によります。積雪は12月から2月下旬までで、年平均降水量は1,509mmあります
- 芦生研究林の一般入林は4月(安全確認後)から12月(積雪まで)で、10名未満・日帰りのみ・夜間禁止です。 事務所への届出が必要で、入れるのも林道・ブナノキ峠歩道・軌道の一部に限られます。思いつきで寄れる森ではありません
- 芦生へ向かう府道38号線は、田歌・広河原雨量観測所の累加雨量が150mmを超えると通行規制がかかります。前日から雨が続いた日は到達できません
- 大野ダム公園の桜1,000本超は4月のさくら祭り、モミジ約500本は11月のもみじ祭りの時期です
- 上げ松(松上げ)と日吉町の牧山の松明行事は、どちらも8月24日に固定されています。この1日を外すと見られません
- 鮎は夏の川、松茸は秋のものです。通年ではありません
- 園部城の巽櫓の内部は常時公開ではありません。京都府立園部高等学校の敷地内で、学校の一般公開(1月・2月に実施例)か5月3日の園部城祭りの城跡ツアーのときだけ入れます
1日の流れ
- 09:30
JR園部駅に着く移動
京都駅からJR山陰本線です。南丹市営バスの起点は、この園部駅とJR日吉駅の2つです。
- 10:40
かやぶきの里に着く移動
南丹市美山町北の集落です。平成5年12月8日に国の重要伝統的建造物群保存地区(山村集落)に選定され、保存地区の面積は127.5haあります。
- 11:20
39棟のかやぶき屋根を見る
集落50戸のうち、かやぶき屋根の民家は39棟です。残りは瓦なので、屋根は一様ではありません。
- 12:30
集落で昼食と資料館
民家の屋根裏を見学できる資料館があります。一斉放水点検の日は11:00から集落内に入れないので、その日は時間をずらします。
- 14:00
道の駅美山ふれあい広場へ移動
安掛にあります。牛乳工房が美山の牛乳でジェラートとプリンを作り、ふらっと美山が地元の農畜産物の出口です。トイレがあります。
- 15:30
日吉ダムの堤体内を歩く移動
平成10年4月(1998年4月)完成の多目的ダムです。堤体内のインフォギャラリーを歩けます。ダム湖の天若湖は甲子園球場の約70倍です。
- 17:00
JR日吉駅から帰る移動
京都駅まで乗り継ぎで約2時間です。入りを園部駅、帰りを日吉駅にすると往復になりません。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
町域の96%が森で、平地は谷底しかない
数字から入ります。
美山町は町域の96%が森林です。年平均降水量は1,509mm、12月から2月下旬まで雪が積もります。 東部には三国岳の959mがあり、日本海型と太平洋型の気候の遷移帯にあたります。
つまり雨と雪が多く、斜面しかない土地です。
斜面には茅(ススキ)が育ちます。屋根に積もる雪を落とすには、勾配を急にする必要があります。
手に入る材料と、落とさなければならない雪。この2つがかやぶき屋根の形を決めました。
かやぶきの里は50戸のうち39棟
美山町北の集落は、平成5年12月8日(1993年)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。 種別は「山村集落」で、保存地区の面積は127.5haあります。
全国の重伝建は令和8年9月4日現在で107市町村130地区、合計約4,072.0haです。 1地区あたりの平均は約31haなので、美山町北はおよそ4倍の広さになります(文化庁)。
広いのは、集落の作りが違うからです。 家が密に並ぶ町家の町とは違い、美山は谷筋に家と農地と山林が続きます。まとまりとして取れる範囲が、はじめから広くなります。
そして集落の全戸が茅葺きではありません。 50戸のうち、かやぶき屋根の民家は39棟です(南丹市)。
残りは瓦の家です。生活している集落なので、屋根は一様ではありません。
日中の集落は観光地である
美山町はUN Tourism(国連世界観光機関)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」認証地です。 2021年の認証で、同年は世界32カ国44地域が選ばれ、日本からは北海道ニセコ町と京都府南丹市美山町の2地域だけでした。
人が来るのは認証の前からです。美山町の観光客数は2003年に年間70万人を超えています(美山町観光まちづくり協会)。
50戸の集落に年70万人という比率なので、日中は人が多い前提で時間を組むことになります。 民家の敷地には入らず、道から見る形です。
同じ森が、人の入れない原生林でもある
集落の上流にあるのが芦生研究林です。由良川源流の森で、京都大学が管理しています。
面積は4,180.5ha、設置は大正10年(1921年)です。 記録されている植物は1,050種(木本273種・草本654種・シダ120種)、きのこは413種以上、鳥類は33科111種、京都府レッドデータブック記載種が200種あります。 未施業の天然林が面積の約半分を占めます。
一方で一般の入林は、区域・期間・人数が厳しく限られます。 軌道上の橋が通行禁止になったため、歩けるルートは今年度から短縮されています。
屋根のカヤを採る斜面と、届出がなければ入れない森は、同じ森の内と外です。
森に降った雨が、鮎と滝とダムになる
1,509mmの雨は森にいったん溜まり、谷に集まります。
この水が3つの形で見えます。
- 川の鮎。由良川の源流域で、市公式に「清流美山の鮎まつり」(鮎のつかみ取りがメイン)があります
- るり渓の滝。渓谷に滝と巨岩が並びます
- 日吉ダム。京阪神のおよそ100万人分の水瓶です
森・谷・水という順番が、そのまま見どころの並びになっています。
日吉ダムは堤体の中を歩ける
日吉ダムは近畿最大規模の多目的ダムで、平成10年4月(1998年4月)に完成しました。 ダム湖の天若湖は甲子園球場の約70倍の広さです。
堤体の中にインフォギャラリーがあり、ダムの内側を歩けます。 平成5年4月に「地域に開かれたダム」の指定を受け、日本ダムアワード2013を受賞しています(南丹市/水資源機構)。
ダムが開いているのは理由があります。 上流で水を止めて下流100万人に配る施設なので、仕組みを見せる側にまわっています。
直下の道の駅スプリングスひよしは、天然温泉と室内温水プール、BBQ、キャンプサイトを併設した複合型です。 2019年の温泉総選挙で観光庁長官賞を受け、以降もスポーツ・レジャー部門で1位が続いています。
ここのご当地ものはダムカレーと、黒豆・山椒・きのこを使ったラーメンです。 山の素材を、ダム見学の足で食べさせる組み立てです。
美山とるり渓は、同じ1日で結べない
谷が別だと道も別になります。
南丹市の時刻表は「JR園部駅・JR日吉駅から美山かやぶきの里方面」と「JR園部駅からるり渓方面」という組み立てです。 この2系統が分かれているので、1日でどちらかを選ぶことになります。
るり渓を選ぶ日の中身はこうです。
京都府立るり渓自然公園の渓谷で、標高340mから530m、散策コースは約4kmです。 「るり渓12勝」と呼ばれる滝と巨岩が並び、最上流の通天湖のダムから落ちる水のカーテンは高さ12.5mあります。 座禅石は幅6m×高さ2m×奥行2mで、寛永年間(1630年)に一絲和尚が座禅したと伝わります。
平成8年(1996年)に環境省の「残したい日本の音風景百選」に選ばれました。水の音が選定の対象になった場所です。
背後の深山は791mで、京都・大阪・兵庫の三府県にまたがる山脈の最深部です。 山頂にレーダー雨量観測所があり、晴れれば大阪湾まで見えます。
食べるものも森と谷で決まっている
平地がないので、大規模な耕作に向きません。その代わりに残ったものが食になっています。
- 鹿肉のジビエ。集落が森に囲まれた谷底にあるので、獣害の裏返しとして食の柱になっています
- 松茸。森林率96%の土地柄で、観光協会は松茸を独立したカテゴリに置いています
- 美山牛乳。谷筋の草地を使った酪農で、道の駅美山ふれあい広場の牛乳工房がジェラートとプリンを作っています
- 京地どり・地卵・米・野菜。小規模な畜産と直売に寄っており、道の駅の「ふらっと美山」が出口です
- 平井牛。南丹市の黒毛和牛で、市はふるさと納税の返礼品として前面に出しています
実務の注意
- 公共交通は京都駅からJR+南丹市営バスで約2時間です。バスの起点はJR園部駅とJR日吉駅の2つで、 京都駅からの直行便が常時あるとは市も協会も書いていません(日帰りバスツアーは別にあります)
- 南丹市営バスのバス停は、ほとんどにトイレがありません。 あるのは日吉駅・スプリングスひよし・ひよし温泉・安掛(道の駅美山ふれあい広場)・北(かやぶきの里)・美山支所前・鶴ヶ岡・大野ダム・和知駅だけです。乗り継ぎの前に済ませてください
- 市営バスには1日券と2日券があり、全線でPayPay払いに対応しています。時刻表は令和8年4月1日の改正版です
- 車なら京都市内から約80分、大阪・神戸方面からもほぼ2時間以内です。 見どころが美山・日吉・園部に散らばる地形なので、2か所以上を1日で回るなら車が現実的です
- かやぶきの里・芦生・大野ダムは互いに離れています。徒歩で結べる距離ではありません
- 一斉放水点検の日は11:00から集落内に入れません。集落の店や資料館は、点検の前後に分けて組んでください
- JR山陰本線の園部〜綾部は、鉄道と幹線バスを軸に再構築が進められている区間です。 京都府・綾部市・南丹市・京丹波町が令和4年3月に沿線地域公共交通計画を策定し、次期「計画2031」の中間案が令和8年10月9日から10月30日に意見公募にかかりました。本数や運行形態は今後変わりえます
- 情報は南丹市美山観光まちづくり協会(miyamanavi.com)と南丹市公式で確かめてください。 かやぶきの里の旧公式ドメインは現在まったく別の用途に転用されているので、検索結果から入らないほうが安全です
土産は山椒の佃煮と、丹波の大納言小豆
この土地の食べ物は、川の魚も秋のきのこも、その場で出されるものです。持ち帰りには向きません。
荷物に入るのは、山の素材を日持ちする形にしたものになります。
ちりめんじゃこを山椒で炊いた佃煮は、常温で置けます。 ご飯に乗せる量が少しずつなので、1袋で長く続きます。老舗の袋入りは、そのまま渡せる形です。
丹波の大納言小豆は乾物です。1kg単位で選べるものもあり、自分で煮る人向けです。 潰れず匂いも出ないので、バスとJRを乗り継ぐ帰り道でも扱いやすいです。
山椒も小豆も、平地の少ない丹波の山あいで続いてきた品目です。
京都 老舗 京佃煮 ご飯のお供 佃煮 ちりめんじゃこ 山椒 常温保存 おにぎり お弁当 朝ごはん 和風惣菜 惣菜 お取り寄せ 自宅用 大容量 ご飯のおとも メール便 お試し 贈り物
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泊まると、灯りが消えるまで居られる
日帰りで落ちるのは夜と朝です。
冬灯廊の点灯は17:00から19:00です。 京都駅からはJR+バスで約2時間かかるので、19時まで集落に居ると帰りの足が残りません。
朝も同じです。年70万人を超えた集落が静かなのは、日帰り客が入る前の時間だけです。
宿は温泉街や駅前に固まっていません。谷筋に点在しています。 佐々里のような谷の奥の宿、日吉町の農家の宿、山里の料理を出す旅館、古民家を直した宿、自然文化村の宿まで性格が違います。
どの谷に泊まるかで、翌朝に歩き出せる場所が変わります。

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服装と持ち物
- 集落の中と谷筋を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 年平均降水量1,509mmの土地です。傘よりも、両手が空くレインウェアが向きます
- 12月から2月下旬は雪が積もります。靴は濡れてもよいものを
- 標高のある谷は朝夕に冷えます。羽織りものを1枚
- 民家の敷地に入らずに見るので、双眼鏡か望遠の効くカメラを1つ
