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旅行

美山・南丹1泊2日モデルコース|灯りが消える19時に、帰りの足はない

公開: 2026-10-24 | #美山 #南丹 #1泊2日 #観光 #関西

美山に泊まる理由は、冬のライトアップ「冬灯廊」の時間割です。

点灯は17:00から19:00です。 京都駅からはJR山陰本線と南丹市営バスの乗り継ぎで約2時間かかります。

灯りが消える頃には、帰りの足がない土地です。

点灯から消灯までの2時間をまるごと見られるのは、集落のかやぶき民家の民宿に泊まった人だけです。 そして観光客が引いたあとの、真っ暗な集落を歩けます。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
由良川天若湖JR山陰本線JR日吉駅11:00 START2日吉ダム11:403道の駅美山ふれあい広場14:304かやぶきの里16:005集落の宿19:30 宿泊1朝の集落07:002大野ダム公園09:303櫓門と番所13:004摩氣神社14:30JR園部駅16:00 GOAL1日目のルート2日目のルートJR山陰本線N

日程を決める条件

  • 冬灯廊は2027年1月30日から2月6日までの8日間です。路地行燈とLED灯籠でかやぶき民家を照らします。 この8日間に当たらない日程でも、泊まる意味は残ります。集落は街灯が少なく、朝は人がいません
  • 冬灯廊の期間は、降雪時に道路と用水路の境が見えにくく危険だと主催側が注意喚起しています。夜に歩くなら足元の明かりが要ります
  • 積雪は12月から2月下旬までです。雪が乗ったかやぶき屋根になるかは、年と日によります
  • 一斉放水点検の日(2026年実績では5月20日と12月1日)は、11:00から終了まで集落内に立ち入れません。 この日を含む日程なら、集落の中を歩く時間を午後に寄せることになります
  • 芦生研究林に入るなら、2日目の行程をそれだけに使います。一般入林は日帰りのみ・10名未満で、事務所への届出が必要です。 期間は4月(安全確認後)から12月(積雪まで)で、夜間は入れません
  • 府道38号線は、田歌・広河原雨量観測所の累加雨量が150mmを超えると通行規制がかかります。前夜に雨が続いたら、芦生は2日目の予定から外れます
  • 園部城の巽櫓は、2日目に中へ入れるとは限りません。京都府立園部高等学校の敷地内にあり、学校の一般公開(1月・2月に実施例)か5月3日の園部城祭りの城跡ツアーのときだけです。櫓門と番所は校門として外から見えます
  • 大野ダム公園が主役になるのは、桜の4月と紅葉の11月です
  • 8月24日の日程なら、夜は鶴ヶ岡や知井の上げ松(松上げ)と、日吉町の牧山の松明行事に替わります。どちらも同じ日の固定行事です

1日目

  1. 11:00

    JR日吉駅に着く移動

    京都駅からJR山陰本線です。南丹市営バスの起点は、ここと園部駅の2つです。

  2. 11:40

    日吉ダムの堤体内に入る移動

    平成5年4月に「地域に開かれたダム」の指定を受けた施設で、堤体内のインフォギャラリーを歩けます。ダム湖の天若湖は京阪神のおよそ100万人分の水瓶です。

  3. 13:00

    スプリングスひよしで昼食

    ダム直下の道の駅です。天然温泉と室内温水プールを併設し、黒豆・山椒・きのこを使ったご当地ものがあります。

  4. 14:30

    道の駅美山ふれあい広場へ移動

    安掛で乗り継ぎます。牛乳工房のジェラートとプリンが、この土地の美山牛乳のものです。

  5. 16:00

    かやぶきの里に入る移動

    美山町北の集落です。保存地区は127.5haで、50戸のうち39棟がかやぶき屋根の民家です。

  6. 17:00

    冬灯廊の点灯を待つ

    点灯は17:00から19:00です。路地行燈とLED灯籠でかやぶき民家を照らします。開催は真冬の8日間だけです。

  7. 19:30

    集落の宿に入る

    消灯後の集落は街灯が少なく暗くなります。積雪時は道路と用水路の境が見えにくいと注意喚起されています。

2日目

  1. 07:00

    朝の集落を歩く

    日帰り客が入る前の時間です。日が低いうちは屋根に陰影がつくので、茅の厚みと急な勾配が横から見えます。

  2. 09:30

    大野ダム公園に寄る移動

    ダム湖「虹の湖」の周囲に桜1,000本超とモミジ約500本があります。4月のさくら祭りと11月のもみじ祭りがその時期です。

  3. 11:30

    安掛から南へ戻る移動

    道の駅美山ふれあい広場で乗り継ぎます。トイレがあるバス停のひとつです。

  4. 13:00

    園部で櫓門と番所を見る移動

    園部城の櫓門・番所・隅櫓が京都府立園部高等学校の校門として現存します。平成29年9月29日に京都府暫定登録文化財になりました。内部は常時公開ではありません。

  5. 14:30

    摩氣神社の茅葺きの覆屋を見る移動

    延喜式の名神大社で、本殿と東西摂社の覆屋が茅葺きです。京都府指定文化財です。

  6. 16:00

    JR園部駅から帰る移動

    京都駅までJR山陰本線です。入りが日吉駅、帰りが園部駅なので、2日で往復になりません。

  7. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

1日目に谷を上がり、2日目に下りる

この向きには理由があります。

南丹市営バスの起点は、JR園部駅とJR日吉駅の2つです。 市の時刻表も「JR園部駅・JR日吉駅から美山かやぶきの里方面」という組み立てになっています。

入口が2つあるので、往復ではなく一方通行に組めます。 1日目は日吉から入って北へ上がり、2日目は美山から南へ下りて園部から帰る形です。

逆にすると2つが消えます。

  • 1日目を園部の城跡と社寺に使うと、集落に着くのが遅くなります。点灯の17:00に間に合わせるために、谷の途中を素通りすることになります
  • 2日目を美山で終えると、朝の集落を見てから南へ動く時間がありません。園部の社寺は帰りの列車に挟まれて落ちます

上がってから下りる順番だけが、夜の2時間と朝の集落の両方を残します。

点灯から消灯までの2時間

冬灯廊は年に8日間だけです。

日帰りの人が見られるのは点灯の最初の数十分です。 19:00に灯りが消え、そこから京都駅までは2時間かかります。

泊まると2時間が丸ごと手に入ります。そのあいだに起きることが2つあります。

ひとつは、人が減っていくことです。灯りがついた直後がいちばん混みます。 もうひとつは、消灯後の暗さです。この集落は街灯が少なく、消えると本当に暗くなります。

ただし、その暗さが危険の理由にもなります。 雪が積もると道路と用水路の境が分からなくなる、と主催側が注意喚起しています。

朝の集落は、屋根の勾配を見る時間

2日目の朝を集落に充ててあります。

朝が効くのは勾配です。 かやぶき屋根の民家は50戸の集落に39棟あり、残りは瓦です。 日が低いうちは屋根に陰影がつくので、茅の厚みと急な勾配が横から見えます。

なぜ急なのかは、土地の条件で説明がつきます。 美山町は町域の96%が森で、年平均降水量は1,509mm。12月から2月下旬まで雪が積もります。 東部の三国岳は959m、日本海型と太平洋型の気候の遷移帯です。

雪を滑り落とすための勾配であり、その材料は同じ斜面から採れる茅です。

保存地区は平成5年12月8日(1993年)の選定で、面積は127.5ha。種別は「山村集落」です。 町家が並ぶ保存地区とは種別から違うので、見るものも建物の正面ではなく屋根の面になります。

1日目に水を止める側を見ておく

1日目の入口をJR日吉駅にしたので、集落へ上がる前に当たるのがダムです。

ここは京阪神のおよそ100万人分の水瓶です。 上の森に落ちた雨を溜めて下流の都市へ配る施設が、谷を上がる道の途中に座っています。

近畿最大規模の多目的ダムで、完成は平成10年4月(1998年4月)。 ダム湖の天若湖は甲子園球場の約70倍あります。

変わっているのは見学の形です。 平成5年4月に「地域に開かれたダム」の指定を受けており、堤体の内側を歩けます(南丹市/水資源機構)。 水を止める構造物の中を通れる施設は多くありません。

昼を挟むのは直下の道の駅スプリングスひよしです。天然温泉と室内温水プールがあります。 食べるものも山で、丹波の黒豆と山椒、きのこを使ったラーメンや、ダムにちなんだカレーが並びます。

1日目にここを置くと、夜までの道のりが「水を止める側」から「水が降る側」への一方通行になります。 上の森が1,509mmの雨を受け、下の堰がそれを100万人に配ります。1日目はその縦の関係を、下から順に見ます。

2日目に見る茅葺きは、民家ではない

南へ下りると、茅葺きがもう一度出てきます。

園部町の摩氣神社は延喜式の名神大社で、本殿と東西摂社の覆屋が茅葺きです。京都府指定文化財です。 承暦3年(1079年)に白河天皇の行幸があり、「船井第一摩氣神社」の勅額を下賜されたと伝わります。

ここが2日目の軸になります。

美山で見た茅葺きは民家の屋根でした。 園部で見る茅葺きは、社殿を覆うための屋根です。

同じ材料が、住むための屋根と、祀るための屋根の両方に使われている。 斜面で採れる材料しかない土地では、用途が違っても材料は共通になります。

園部城の櫓門は、いまも校門である

園部城の櫓門・番所・隅櫓(巽櫓)は、京都府立園部高等学校の敷地に当時の姿で現存します。 そして校門として使われています。平成29年9月29日(2017年)に京都府暫定登録文化財になりました。

巽櫓という名前は配置から来ています。城の東南、辰巳の方角に置かれた隅櫓です。

内部は常時公開ではありません。 学校主催の一般公開や、5月3日の園部城祭り・南丹お城サミットの城跡ツアーのときだけ中に入れます。

ふだん見られるのは外側です。櫓門と番所を、通学路の側から見る形になります。

園部に国指定の社寺が集中している

園部町にはもうひとつの性格があります。国の重要文化財の社寺建築が集まっています。

  • 九品寺の仁王門及び仁王像
  • 春日神社本殿(仁平2年=1152年の再建で、現本殿は室町初期の建立とみられます)
  • 大山祇神社本殿(桧の薄板を並べた柿葺)
  • 普済寺観音堂

生身天満宮は日本最古の天満宮といわれ、本殿は京都府指定文化財です。 延喜元年(901年)に道真公が太宰府へ流された際、園部代官の武部源蔵が生祠を建てたのが起源と伝わります。

北の美山は、人が住める場所が谷底だけの土地です。 南の園部は、駅と高校と城跡がある町です。

同じ市の中で、残り方が違います。2日目の下り坂は、その違いを順に通過する道になります。

芦生の森は、泊まっても入れるとは限らない

由良川源流の芦生研究林は、京都大学が管理する4,180.5haの森です。 設置は大正10年(1921年)、地上権は当初99年で、令和2年(2020年)4月に30年が再設定されました。

内訳は、未施業の天然林が面積の約半分、二次林が約1,800ha、スギの人工林が約250haです。 植物1,050種、きのこ413種以上、鳥類33科111種、京都府レッドデータブック記載種200種が記録されています。

泊まれば時間が増えますが、入林の条件は変わりません。 入れる区域は林道・ブナノキ峠歩道・軌道の一部に限られ、軌道上の橋が通行禁止になったため、今年度からルートが短縮されています。

日帰りのみ、10名未満、夜間禁止、届出が必要です。一般利用エリアの外は、認定団体のガイドツアーでなければ入れません。

2日目をここに充てるなら、園部の社寺と城跡は次回になります。

実務の注意

  • 2日分の移動がJRと南丹市営バスの乗り継ぎになります。市営バスは1日券と2日券が選べ、支払いは全線でPayPayに対応します。 時刻表は令和8年4月1日の改正版なので、出発前に最新版を確かめてください
  • バス停のほとんどにトイレがありません。日吉駅・スプリングスひよし・ひよし温泉・安掛(道の駅美山ふれあい広場)・北(かやぶきの里)・美山支所前・鶴ヶ岡・大野ダム・和知駅にはあります
  • 宿が美山・日吉・園部に散らばります。1日で2つの谷を回るなら車のほうが現実的です。車なら京都市内から約80分、大阪・神戸方面からもほぼ2時間以内です
  • かやぶきの里・芦生・大野ダムは徒歩で結べる距離にありません。どれを2日目に入れるかは、宿の位置で決まります
  • 夜に集落を歩くなら、手持ちの明かりを用意してください。街灯が少なく、積雪時は用水路の位置が分かりません
  • JR山陰本線の園部〜綾部は、鉄道と幹線バスを軸に再構築が進む区間です。 令和4年3月に京都府・綾部市・南丹市・京丹波町が沿線地域公共交通計画を策定し、次期「計画2031」の中間案が令和8年10月9日から10月30日に意見公募にかかりました。帰りの便は最新の時刻表で確かめてください
  • 参照する情報は南丹市美山観光まちづくり協会(miyamanavi.com)と南丹市公式にしてください。かやぶきの里の旧公式ドメインは別の用途に転用されています

土産は帰り道の園部までもつものを選ぶ

2日目は南へ下って園部から帰ります。荷物は朝から持ち歩くことになります。

だから選ぶ基準は、潰れないことと常温で置けることです。

ちりめんじゃこを山椒で炊いた佃煮は、小さな袋で常温に置けます。 料亭の袋入りなら、そのまま人に渡せます。山椒は、この山あいのご当地ものにも使われている素材です。

大納言小豆は丹波の乾物です。重さはありますが、2日目のバスでも潰れません。 1kg単位のものは自分で煮る人向け、少量のものは渡す相手がいる場合に向きます。

どちらも日持ちするので、1日目に買っても2日目に買っても構いません。

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宿は谷ごとに性格が違う

美山・南丹の宿は、温泉街にも駅前にも固まっていません。谷筋に点在しています。

  • 美山町の山あいの民宿。佐々里のように谷の奥へ入る宿は、冬の道の条件がつきます
  • 日吉町の農家の宿。生畑など日吉側に泊まると、1日目にダムと温泉を挟む行程に合います
  • 山里料理を出す旅館。鮎は夏、松茸は秋のものなので、食べたいものがあるなら季節で宿を選ぶことになります
  • 古民家を直した宿と自然文化村の宿。集落の建物の造りを内側から見たい場合の選択です

夜の2時間と朝の集落を取りにいくなら、集落かその周りに泊まるのが条件になります。

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服装と持ち物

  • 2日とも谷筋と集落を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
  • 夜の集落は街灯が少ないので、小さなライトを1つ。手がふさがらないものが向きます
  • 12月から2月下旬は雪です。防水の靴と、滑りにくい靴底を
  • 雨の多い土地です(年平均降水量1,509mm)。レインウェアは2日分の予定に入れてください
  • 朝の集落は冷えます。重ね着で調整できる形に
  • 社寺と城跡も歩きます。2日目に足が残る荷物の量にしてください

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