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旅行

飯田・天竜峡1泊2日モデルコース|市田柿を干す川霧は、朝しか出ない

公開: 2026-10-24 | #飯田 #天竜峡 #1泊2日 #温泉 #中部

飯田に泊まる理由は朝の川霧です。

市田柿の地理的表示(GI)登録文書は、産地の自然条件として 「晩秋から初冬にかけて川霧が発生し、干柿の生産に絶好の温度と湿度が整う」と書いています。

干し柿を作っている条件そのものです。 これを自分の目で見るには、日が昇る前から天竜川沿いにいる必要があります。

そして冬は、そらさんぽ天龍峡の通行時間が短くなります。 高さ約80mの歩道から峡谷を見るなら、朝いちばんに歩くのが確実です。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
天竜川JR飯田線(飯田駅)飯田駅12:00 START2りんご並木12:403川本喜八郎人形美術館13:404弁天港15:005天竜峡の宿16:30 宿泊1朝の川霧06:302そらさんぽ天龍峡07:403姑射橋08:404天龍峡温泉港10:305元善光寺13:00飯田駅15:00 GOAL1日目のルート2日目のルートJR飯田線(飯田駅)N

川霧は晩秋から初冬、舟は水位しだい

先に条件を書きます。

川霧が出るのは晩秋から初冬の朝です。 GI登録文書が産地の自然的要因として挙げているのは、この時期の川霧と、昼夜の寒暖差の大きさです。

下流側の天竜ライン下りは乗船時間が最大50分で、予約が前提です。 水位が下がると唐笠港まで下らず「天龍峡めぐり」に替わり、2026年は3回告知されました。 川が増水すれば臨時休業です。こたつ舟の運行もありません。

上流側の天竜川和船下りは、水量が多すぎると運航中止です。

そらさんぽ天龍峡には通行できる時間があり、10月から3月はその幅がさらに狭くなります。 朝は遅く開き、夕方は早く閉まります。天気によって前後することもあります。

1日目

  1. 12:00

    飯田駅に着く移動

    伊那谷の中央で、標高は川沿いの400mから南アルプス塩見岳の3,013mまであります。面積658.66km²・人口93,465人の市です。

  2. 12:40

    りんご並木を歩く

    1947年4月20日の飯田大火は焼損面積481,985㎡でした。防火帯道路の緑地帯が並木になり、1999年に公園として再生されています。

  3. 13:40

    川本喜八郎人形美術館に入る

    黒田人形の奉納は4月、今田人形は10月、人形劇フェスタは8月上旬の4日間です。日が合わないときに人形を見る場所がここです。

  4. 15:00

    弁天港から和船に乗る移動

    天竜川和船下りで弁天港から時又港まで約6km・約35分です。最大定員24名を船頭2名が操り、乗る前に約20分のレクチャーがあります。

  5. 16:30

    天竜峡の宿に入る移動

    名勝の指定地にあたる川路や龍江に、天竜川沿いの温泉宿があります。

  6. 18:30

    夜は五平餅と谷のもの

    五平餅は木曽・伊那から東濃・飛騨まで、中部の山間部に伝わる郷土料理です。米を搗いて甘辛いタレを絡め、炭火で焼きます。

2日目

  1. 06:30

    朝の川霧を見る

    市田柿のGI登録文書が、産地の自然条件として晩秋から初冬の川霧を挙げています。干し柿を作っている条件そのものです。

  2. 07:40

    そらさんぽ天龍峡を渡る移動

    全長280mの天龍峡大橋の下にある高さ約80mの展望歩道です。10月から3月は通行できる時間が短くなります。

  3. 08:40

    姑射橋から遊歩道を一周する

    一周約1時間です。官報の記載では崖の高さが最高約57m、幅は最も広いところで8mとあります。

  4. 10:30

    天龍峡温泉港から舟に乗る

    天竜ライン下りは最大50分で予約が前提です。水位が下がると唐笠港まで下らず、2026年は3回のコース変更が告知されました。

  5. 13:00

    元善光寺へ寄る移動

    飯田市座光寺にあり、長野の善光寺の本尊がもともと安置されていた寺です。御開帳は数え7年に一度です。

  6. 15:00

    飯田駅から帰る移動

    特急「伊那路」は1日2往復で、停車駅は全線94駅のうち11駅だけです。

  7. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

2日を分ける線は、朝に出るものの側にある

1日目を町と上流の舟に、2日目の朝を峡谷に置いています。

逆にすると2つが崩れます。

ひとつは川霧です。 1日目の午後に峡谷へ行き、翌日に町へ回すと、霧が出る朝が1回も残りません。

もうひとつは歩道です。 冬は通行時間が短く、夕方には閉まります。 1日目の夕方に天龍峡大橋へ着いても、高さ約80mから峡谷を見ることはできません。

朝しか手に入らないものを2日目に寄せる。それがこの2日の形です。

1日目の舟と2日目の舟は、別の区間です

飯田の舟下りは2社・2区間に分かれています。

上流側、鵞流峡より北は南信州リゾートの「天竜川和船下り」で、弁天港から時又港まで。 下流側、名勝天龍峡より南は天龍川ライン遊舟の「天竜ライン下り」で、天龍峡温泉港から唐笠港までです。

上流の和船は約6kmを約35分で下ります。 和船の最大定員は24名、船頭は2名。乗る前に約20分のレクチャーがあります。

この区間は一度途切れました。 運航会社が2021年12月に営業を終了し、南信州リゾートが2023年4月15日に再開しています。

1日目の午後にこちらを置いたのは、約35分で終わるからです。 最大50分の下流のコースは、2日目の朝の峡谷と続けて乗るほうが筋が通ります。

2日目は、80m・岸・川面と高さを下げる

2日目は見る高さを順に下げていきます。

まず高さ約80mです。 天龍峡大橋は三遠南信自動車道の天龍峡IC〜龍江IC間として2019年11月17日に開通し、 全長280mの車道の下に展望歩道が付いています。

次に岸です。 姑射橋を中心に遊歩道が一周していて、歩くと約1時間です。 途中に吊り橋のつつじ橋があり、龍角峯の頂上が展望地点になっています。

最後に川面です。 天龍峡温泉港から舟に乗ると、さきほど上から見下ろした崖を下から見ます。 官報の記載では、崖の高さは最高約57m、幅は最も広いところで8mです。

この順番を逆にすると、最後に見るのが一番遠い景色になります。 高いところから始めて川面で終えるほうが、谷の深さが残ります。

名勝「天龍峡」の名は江戸時代に付いた

天龍峡が国の名勝に指定されたのは昭和9年1月22日。 峡谷の長さは南北約2km。龍江と川路という2つの地区にまたがります。

名前のほうは、もっと古くからあります。 弘化4年に阪谷朗廬が『遊天龍峡記』を残し、この峡谷を「天龍峡」と命名しました。

奇岩と淵には「天龍峡十勝」として10か所の名が付いています。 垂竿磯、烏帽石、姑射橋、歸鷹崖、浴鶴巌、烱烱潭、樵廡洞、仙牀磐、芙蓉峒、龍角峯です。

名勝の指定地なので、木や竹を切ること、建物の建替え、川やのり面の工事、 電柱や外灯を立てたり外したりすることまで、現状変更の許可申請が要ります。

だから工事で通れない区間が出ることがあります。 遊歩道を一周する予定なら、通行の状況を先に確かめておくほうが確実です。

色づき始めは10月下旬、見頃は11月上旬から中旬。 遊歩道沿いの公園には推定樹齢300年の枝垂れ桜が2本あり、 天龍峡八重桜街道は約2kmにわたる桜並木です。

舟運が絶えて、観光の舟下りだけが残った

いま乗る舟は、物資を運んでいた舟の残りです。

天竜川の舟下りは江戸時代の物資輸送・旅客通船を継いだもので、 遊覧専門になったのは大正6年。観光川下り舟としては全国で6番目に歴史が古いものです。

明治24年に英国人宣教師ウォルター・ウェストンが乗り、明治26年に定期的な通運が始まりました。

積み荷がこの谷の経済を示しています。 下り舟は米と柿、上り便は魚・茶・塩。谷が外から買っていたのは塩と魚でした。

そして航路が消えます。 昭和初期以降のダム建設で舟運は途絶え、観光の舟下りだけが残りました。

昭和10年に完成した泰阜ダムは、名勝天龍峡の約6km下流にあります。 地元はダムの堰上げと土砂の堆積で天竜峡の河床が上がり、洪水が頻発するようになったと訴えてきました。

鵞流峡の入口では川幅が200mから30mに縮みます。 洪水の流下を阻害する形で、ここが谷の細さをそのまま見せています。

1日目の町と、2日目の帰り道

町の見どころは飯田駅の周りと、駅の北側にまとまっています。 だから1日目の午後と2日目の帰り道に分けます。

りんご並木は1947年4月20日の飯田大火の跡です。 焼失3,742棟、焼損面積481,985㎡で、市内の約7割が焼けました。 復興でつくった防火帯道路の緑地帯に、1953年、飯田東中学校の生徒たちの提案で植えられています。

人形劇のほうは日が限られます。 黒田人形の奉納公演は毎年4月の下黒田諏訪神社の春祭り、今田人形は毎年10月の大宮八幡宮神社の秋季祭典。 いいだ人形劇フェスタは毎年8月上旬の4日間で、2026年は7月30日から8月2日、約100か所の会場に分かれます。

その日に当たらないときに人形を見る場所が、飯田市川本喜八郎人形美術館です。 2007年の開館で、寄贈された200体以上のうち約100体を展示しています。

2日目の帰りに寄るのは元善光寺です。 飯田市座光寺にあり、長野の善光寺の本尊がもともと安置されていた寺です。 御開帳は数え7年に一度で、六善光寺同時御開帳の一つです。

陸路が細いから、いまも山を掘っている

この谷の話は、まだ終わっていません。

三遠南信自動車道は、中央自動車道の飯田山本ICと新東名の浜松いなさJCTを結ぶ約100kmの計画路線です。 2日目に渡る天龍峡大橋も、この道の一部です。

うち青崩峠道路は延長5.9km。 青崩峠トンネルは延長4,998m・幅員9.5mの2車線で、2023年5月26日に貫通し、 2025年3月2日にトンネル内で完成式が行われました。

リニア中央新幹線の長野県駅は飯田市上郷飯沼に計画されています。 品川〜名古屋間の開業は当初2027年でしたが、工事の遅れで2030年代半ばになる見通しです。 総工費は9兆300億円の見積もりから10兆5,000億円に上振れています。

舟で柿を出していた谷が、いまもトンネルと新幹線を掘っている。 伊那谷の細さは、過去の話ではありません。

飯田線の本数と、町の規模を数字で見ておく

実務の注意です。

飯田線は愛知県の豊橋から長野県の辰野まで、94駅で195.7kmをつなぐ路線です。 特急「伊那路」が停まるのはそのうち11駅、1日2往復だけです。

天竜峡駅から南、豊橋方面は1日12本(うち特急2本)。北の飯田・辰野方面は1日21本です。 11時台は上下とも1本もなく、昼の便の次の南行きまで2時間20分空きます。

金野・田本・為栗の3駅には、停まらない列車があります。 過去には2020年7月の豪雨、2021年8月の大雨、2022年6月の落石で長期の不通が出ています。

飯田市は人口93,465人・面積658.66km²(2026年1月31日)で、高齢化率は33.3%(2025年10月)。 全国平均より4.3ポイント高いです。

市街地の飲食店の数と営業時間を、都市部の感覚で考えないほうがいい規模です。 夕食は宿で取るか、先に店を決めておくほうが確実です。

市田柿は、この川霧で干したもの

市田柿はGI第13号。登録は平成28年7月12日です。

登録文書が産地の自然的要因として挙げるのは2つです。 昼夜の寒暖差が大きいこと、晩秋から初冬にかけて川霧が発生することです。

つまり伊那谷という深い谷と天竜川そのものが、干し場の条件になっています。

干し柿の生産量・出荷量は長野県が日本一です。その95%以上が市田柿です。 産地として登録されているのは飯田市と下伊那郡、それに上伊那郡の飯島町と中川村です。 発祥は旧市田村です。

2日目の朝に川霧を見てから持ち帰ると、同じものを2つの形で見ることになります。 霧と、その霧で干した柿です。

もう一方は乾麺のそばです。常温で日持ちするので、柿と一緒に持ち帰れます。

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宿は天竜川沿いの温泉に取る

飯田の宿は天竜川沿いの温泉に散らばっています。

名勝の指定地にあたる川路や龍江に建つ宿があります。 山あいに入った一軒宿もあります。飯田駅の周りには市街地の宿があります。

2日目の朝に川霧と峡谷を見るなら、峡谷側に取るほうが確実です。 朝いちばんに歩道へ向かうのに、移動が要りません。

温泉の内容は宿ごとに違います。予約のときに宿のページで確かめてください。

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服装と持ち物

  • 遊歩道の一周で約1時間歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
  • 階段と段差の多い遊歩道です。両手が空くリュックで
  • 川霧が出る朝は冷えます。標高400mの谷で、夜明け前に外に立つ前提の上着を
  • 舟の防寒は自分で用意します。ひざ掛けを1枚
  • 約80m上の歩道は吹き抜けます。帽子は飛ばない形のものを
  • 昼と朝で気温が動きます。重ねて脱げる服で

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