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旅行
与論島日帰りモデルコース|川が1本もないから透明度25〜35m
公開: 2026-10-24 | #与論島 #鹿児島 #日帰り #観光 #九州
与論島は鹿児島県の最南端にあります。鹿児島空港から南へ576km、沖縄本島の北部までは23kmしかありません。 1972年の沖縄復帰までは、日本最南端の国境の島でした。
空路は鹿児島から約95分、那覇から約40分、奄美から約40分です。3路線とも便数は各1日1便です。
同じ奄美群島の奄美大島とは、島の作りが逆になっています。奄美大島は山と森と川の島ですが、与論島には山も川もありません。
最高標高97.1m、常流河川0本。この2つから、この島の見どころはほとんど説明がつきます。
行く前に決まってしまうこと
- 百合ヶ浜が現れるのは、春から夏にかけての大潮の干潮の時間帯だけです。大金久海岸の沖合約1.5kmで、マリンショップのグラスボート等で約20分です。船は干潮の時刻に合わせて出るので、先に予約を入れてから日を決める形になります
- 観光協会は日別の出現予測を3段階(◎大きく出現・○まあまあ・△微妙)と干潮時刻つきで出していますが、「百合ヶ浜の状態や風や波の影響で予測どおりでも出現しないことがある」と明記しています
- 百合ヶ浜は砂の州です。更衣室・トイレ・シャワーはありません
- ビーチリング(大金久、別名タイムトンネル)も、潮が引いたときにしか現れません。イチャジキ浜でも潮が引くと出ます
- 皆田海岸から皆田離に渡れるのも、潮が引いたときだけです
- 泳げる期間は5月から10月です。冬は天気が崩れて強風の日が多く、休業するマリン業者もあります
- 前浜海岸や竜宮岩から沖縄本島が見えるのは晴れた日だけです。沖永良部島は宇勝海岸から寺崎海岸にかけての海沿いから、天気のいい日に見えます
- 空路は3路線で各1日1便、フェリーの与論寄港も上り・下り各1日1回です。帰りの便を外すと、その日は島から出られません
- 台風の季節は、早ければ6月から10月頃までです。接近の前後を合わせて長い時は、フェリーが1週間ほど止まることがあると観光協会が明記しています
- 赤崎鍾乳洞は不定休です。臨時休業もあり、2026年10月の時点では改装工事中です。当日の営業状況は電話で確かめてください
- 与論の十五夜踊が奉納されるのは、旧暦3月・8月・10月の各15日の年3回だけです
1日の流れ
- 10:00
与論空港に着く移動
鹿児島から約95分、那覇から約40分、奄美から約40分です。定期空路は3路線で、便数は各1日1便です。
- 10:40
茶花で車を借りる移動
役場・港・商店・郵便局が茶花に集まります。島は周囲23.7kmで、車なら一周約60分です。
- 11:20
前浜海岸と竜宮岩へ移動
晴れた日は23km先の沖縄本島が見えます。1972年の沖縄復帰まで、ここが日本最南端でした。
- 12:30
大金久海岸で潮を見る移動
島最大のビーチです。島の海は透明度25〜35mで、大小60の白砂浜があります。
- 13:30
百合ヶ浜へ渡る移動
大金久海岸の沖合約1.5km。春から夏の大潮の干潮の時間帯だけ現れ、グラスボート等で約20分です。予測が◎でも風と波で出ないことがあります。
- 15:00
与論城跡と屋川を見る移動
1405〜1416年頃の石垣が500m余残り、2025年3月10日に国の史跡になりました。屋川は鍾乳洞の水脈を使った井戸です。
- 16:30
ヨロン駅に寄る移動
鉄道のない島の記念物です。5mほどのレールと駅名標が置かれ、空港から車2分・与論港から3分の位置にあります。
- 17:30
与論空港から帰る移動
3路線とも1日1便です。帰りの便が決まると、1日の終わりの時刻も決まります。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
周囲23.7km、面積20.58㎢、最高97.1m
形から入ります。
与論島は隆起サンゴ礁(琉球石灰岩)でできた平らな段丘状の島です。 周囲23.7km、面積20.58㎢、最高標高97.1m。上空から見るとほぼ丸い島です(与論町)。
一島一町で、人口は4,861人・2,641世帯(2026年9月末)。国勢調査では1930年の8,227人がピークで、2020年は5,115人でした。
高いところが100mに届かないので、雨は地面を長く流れません。 その結果、島内に常流河川が1本もありません。
川がない島だと分かって見ると、海も水も畑も城も、同じ1つの条件につながります。
川が1本もないから、海が濁らない
まず海に出ます。
島の海の透明度は25〜35mです。大小60の白砂浜があり、島最大のビーチが大金久海岸です(与論町観光協会)。
理由は川がないことです。
川があれば、雨のあとに山の土が流れ込みます。 与論島には常流河川が無く、林野もわずか0.86㎢(島の4.2%)しかありません。
濁り水が海に出る経路が、そもそも島にありません。
だから雨の翌日でも、海の色の戻りが早い島になっています。 前浜海岸や竜宮岩まで行くと、晴れた日には23km先の沖縄本島が見えます。
沖合1.5kmの砂浜は、潮が引いた時間にだけある
同じ条件で、浜が増えます。
百合ヶ浜は大金久海岸の沖合約1.5kmに現れる砂の州です。 春から夏にかけての大潮の干潮の時間帯だけ姿を出します。
渡る手段はマリンショップのグラスボート等で、大金久から約20分です。 干潮時刻に合わせた運航なので、予約が前提になります。
潮で現れるものは、ほかにもあります。 大金久のビーチリング(別名タイムトンネル)は潮が引いたときだけ現れ、イチャジキ浜でも同じことが起きます。 皆田海岸から皆田離へ渡れるのも、潮が引いた時間だけです。
ここは正直に書きます。 観光協会の予測が◎でも、浜の状態や風や波で出現しないことがあります。 砂の州なので、トイレも更衣室もシャワーもありません。
水は地下に抜けて、鍾乳洞と井戸になった
水の行き先が、この島の見どころです。
飲料水は地下水です。2001年に淡水化施設が供用を開始し、令和6年度の上水道は給水人口4,984人・普及率99.9%・年間配水量715,661㎥でした(与論町)。
石灰岩は水を通します。地表を流れない雨は、岩のなかを通って下へ行きます。
その通り道が赤崎鍾乳洞です。
そして、通り道から水を取り出した場所が城集落の屋川(ヤゴー)です。 鍾乳洞の水脈を使った井戸で、石でできた樋が十数mつながっています。 水道が入る昭和期までは城集落の生活用水で、戦中は防空壕として使われました。
町で初めての簡易水道は1964年に茶花と立長にできました。 島の水道が地下水と2001年の淡水化施設で成り立っているのは、いまも同じです。
屋川を先に見ると、鍾乳洞が観光施設ではなく水源の断面だと分かります。
山がないから、島の53%が畑になった
土地の使い方も同じ条件で決まっています。
耕地面積は11.00㎢で、島の総面積の約53%(53.4%)です。林野は0.86㎢(4.2%)しかありません(農水省面積調査・県林業統計、令和6年)。
平らで、山を削る必要がない。だから島の半分以上が畑になりました。
主作はサトウキビです。製糖史上もっとも多かったのが1986年の64,859t、もっとも少なかったのが2004年の26,430tです。
霜が降りない島なので、本土の端境期に出せる作物も作ります。 令和6年度の農協共販は、石川さといもが77,295千円、いんげんが112,789千円でした。 ゴーヤーは冬にハウスで作って本土へ出し、夏は島内で売る形になっています。
車で島を回ると、見えているのはほぼ畑です。 段丘がそのまま耕地になった景色なので、山の緑を探しても出てきません。
三層の断崖が、そのまま城の石垣になった
石灰岩の段丘は、防御にも使われました。
与論城跡は1405〜1416年頃、琉球北山王の三男・王舅が築いた城です。 北山王が滅んだため未完成で終わりました。
残っているのは、天然の三層の断崖と、それを結ぶ石垣500m余です。 北端から南東へ200m余の石積みも残り、2025年3月10日に国の史跡に指定されました。
断崖は積んだものではなく、隆起サンゴ礁が段になった地形そのものです。 足りない分だけ石を積めば城になります。
城跡に建つのが地主神社です。 ここで奉納されるのが与論の十五夜踊で、1561年(永禄4年)創作の奉納踊です。 1993年12月13日に国の重要無形民俗文化財に指定されました。 旧暦3月・8月・10月の各15日に行われます。二番組は12名、一番組は9名です(令和6年3月末)。
手仕事も残りました。 芭蕉布の製造技術が2020年3月16日に国の重要無形民俗文化財になっています。材料はイトバショウで、栽培から織り上げるまで9工程です。 織る工程は与論民俗村で体験できます。
国史跡になったのは2025年3月です。指定の直後なので、入れる範囲は現地の案内を見てから決めてください。
海が切れてすぐ深いから、ソデイカが47%
食べ物も、同じ地形から出ます。
令和6年度の水産物は水揚量254t・水揚高2.60億円です。 魚種別ではソデイカが47%、シビ・マグロが21%を占めます。漁協の組合員は正60人・准190人の計250人です(令和7年3月末)。
サンゴ礁が切れたところから急に深くなる海なので、沿岸の網漁ではなく、深いところを狙う漁が主軸になります。
食卓に出るものは3つの筋に分かれます。
- 海のもの: ソデイカ、特産のもずく。もずくは酢の物・天ぷら・だし巻きなど加工の幅が広いです
- 奄美群島のもの: 鶏飯。与論を含む奄美群島のソウルフードで、特産の黒ほろほろ鳥を使う店もあります
- 畑のもの: 島らっきょう、青パパイヤ、石川さといも。沖縄本島が23km先なので、沖縄料理の影響が濃い献立になります
茶花漁港では毎朝8時から競りがあります。 朝の便で入る旅程なら、ここは通り道です。
信号は1か所、タクシーは1社
実務の注意です。
- 島は周囲23.7kmで、車なら一周約60分です。観光スポットまで30分かからない距離に収まります。信号機は島内に1か所だけです
- 公共バスは北回り・南回りの2系統が約1時間おきです。朝から夕方までしか走らないので、最終の時刻は現地で確かめてください。タクシーは1社、レンタカーは4社、レンタサイクルは2社あります
- 最高97.1mでも坂はあります。自転車で一周する場合は、段丘を上がる区間を見ておいてください
- 与論空港は1976年5月1日の供用で、滑走路1,320m×120mです。機材はATR-72(70席)・ATR-42(48席)・DHC-8-Q400(50席)で、平均利用率は鹿児島便65.9%・奄美-与論-沖縄便79.1%・那覇便84.9%です(令和7年9月1日現在)。繁忙期は席が取りにくい構造です
- 奄美大島行きの直行便は2022年7月に廃止されています。奄美から与論へ入る約40分の直行便は残っていますが、帰りは那覇空港経由で約1時間45分かかります(乗継時間を除く)
- フェリーは2社(マルエーフェリー・マリックスライン)の毎日交互運航で、与論への寄港は上り・下りとも1日1回です。鹿児島新港から19時間40分(上りは20時間20分)、那覇から4時間50分、本部から2時間30分、名瀬から7時間50分かかります
- 船が着くのは与論港(供利港)です。10,000t級が接岸できる岸壁190m・水深-9.0mで、空港から車で約5分。荒天時は茶花港への港変更があり、2つの港のあいだも車で約5分です
- 2026年10月24日の時点では、台風30号の影響で鹿児島〜沖縄航路のフェリーが10月23〜27日にかけて複数便欠航になっています。欠航が決まるのは鹿児島新港発が当日の午前中、那覇発が前日の夕方までです
- 気象の数字は年で振れます。令和6年の実測が年平均気温23.9℃・年間降水量2,914.0mm・年平均風速4.9m/sで、11月の1か月だけで761.5mm降りました。観光協会が平年として掲げるのは22.9℃・1,798.1mm・5.2m/sです
- ヨロンマラソンは近年11月下旬の日曜に開かれています(2023年11月19日、2024年11月24日、2025年11月23日)。島の総収容が1,117人なので、この時期は宿が埋まります
- 島の医療は1996年開院の病院1軒と、クリニック1・診療所1・歯科2です。薬は島で手に入らないものとして用意してください
- 島は奄美群島国立公園に含まれます。2017年3月7日に国定公園から国立公園へ変わり、与論島には「与論島礁湖」「与論海岸」の海域公園地区が設けられています。2007年には「与論町ヨロン島サンゴ礁条例」も制定されました
土産は黒糖と、黒糖の酒
持ち帰るものは、畑の形そのままです。
島の耕地11.00㎢の主作がサトウキビなので、加工品の中心は黒糖になります。 粒の大きい加工黒糖は、そのままかじるものと料理に使うものがあります。 きび酢を合わせた黒糖もあり、こちらは味が丸くなります。
酒も黒糖から造ります。黒糖焼酎を造れるのは奄美群島だけで、ほかの地域では認められていません。 造っているのは島内に1軒ある酒蔵で、操業は1947年です。紙パックなら瓶より軽く、荷物に入れやすくなります。
作り方そのものも文化財です。 「薩南諸島の黒糖製造技術」の登録は2024年3月21日、国の登録無形民俗文化財です。
並んでいるのは与論島のものだけではなく、奄美大島や徳之島の品も混ざります。 奄美群島はどの島もサトウキビの島なので、黒糖と黒糖焼酎は群島でまとめて売られます。
黒砂糖 きび酢黒糖 加工黒糖 200g 奄美大島 お菓子 お土産
¥1,250奄美大島のお土産店・2026-10-24時点
お取り寄せ対応。荷物を増やしたくない旅は「帰ってから注文」が身軽です。
楽天で見る※価格は取得時点の目安です。最新の価格・送料はリンク先でご確認ください。
泊まると、21等級の夜が手に入る
この1日で落ちるものがはっきりしています。夜です。
島内の複数地点で21等級以上(単位mag/□″)が出たのは、2021年度の夜空の明るさ調査です。 観光協会のサイトには「日本で一番暗い場所に選ばれた」と書かれています。
街灯の照明対策を町ぐるみで進めた結果が評価され、2023年にGreen Destinations「世界の持続可能な観光地TOP100」に入りました。 夜に出る星空ツアーは、星のソムリエが案内します。
ただし、これは夜しか成立しません。 空路は3路線とも1日1便、フェリーの与論寄港も各方向1日1回です。日帰りだと、日没後に島にいる時間が取れません。
泊まれる場所は、ホテルが3軒と、旅館・民宿・ペンション・1棟貸しが79軒です(令和7年4月1日現在)。 一般客の総収容は1,117人で、2024年の旅行客入込数は67,089人でした。
宿が建つのは茶花・立長・古里・麦屋・東区などです。茶花と立長は空港・港・商店に近い側で、古里や麦屋は集落のなかに点在します。 一周約60分の島なので、場所によって移動時間が大きく変わることはありません。
※料金は取得時点の最低料金の目安です。プラン・日程により変わります。
服装と持ち物
- 車で島を回り、浜へ下ります。歩けるきれいめスニーカーが合います
- 砂の州に水道設備はありません。水着は服の下に着ておく形で
- 浜に日陰がありません。つばの広い帽子と、肌を覆える上着を
- 令和6年の年間降水量は2,914.0mmです。短時間に強く降るので、小さくたためる雨具を
- 年平均風速4.9m/sの島です。船の上と浜は風が通るので、羽織りものを
- 離島です。持病の薬は島で買えないものとして持っていってください

