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旅行
天川・洞川1泊2日モデルコース|夜の洞川は泊まった人しか見られない
公開: 2026-10-24 | #天川 #洞川 #1泊2日 #温泉 #関西
洞川に泊まる理由は、日が落ちてからの温泉街です。
洞川温泉発の下市口駅行きバスは1日7便で、最終便は夕方に出ます。バスで日帰りすると、明るいうちに村を出ることになります。
そして洞川の見どころには、暗くなってからのものが3つあります。提灯の灯りに照らされた縁側が並ぶ夜の町並み、6月下旬から7月上旬の蛍、9月中旬に龍泉寺境内で行われる燈花会です。
どれも日が落ちたあとのものなので、バスで来て帰る人には残りません。
だから2日に分けます。1日目は歩いて村に入って夜を取り、2日目の午前を水と結界門に空けます。
先に確かめる条件
- 蛍が乱舞するのは6月下旬から7月上旬です。夜のものなので、泊まる日を合わせる必要があります
- 燈花会は9月中旬に龍泉寺境内で行われます。2026年は9月19日の夜です。行者まつりは8月2日と3日で、鬼踊り行列の集合は夕方です
- 面不動鍾乳洞・五代松鍾乳洞・ごろごろ水の汲み場は、それぞれ休む曜日が決まっています。泊まる曜日によって2日の回り方が変わるので、3か所の休みを先に確かめてください
- 五代松鍾乳洞とモノレールの冬季休業は、12月中旬から3月中旬までの全日です。2026年は春までモノレールの工事が続き、そのあいだは五代松鍾乳洞前を通る稲村ヶ岳の登山道も閉まります。入山は母公堂横からになります
- 面不動鍾乳洞には1日の入場数の上限があり、午後に定員へ達した時点でその日を終えます。荒天では臨時に休みます
- 山上ヶ岳の女人禁制は現在も続いています。女性は2日目に向かう清浄大橋の結界門が終点になります
- 大峯山寺の本堂の扉は、5月3日の戸開式から9月23日の戸閉式までの143日間しか開きません
- 稲村ヶ岳の石楠花は5月から6月が開花期です。登山は往復約16km・約7時間かかるので、この2日の行程には収まりません
- 紅葉の時期は標高で1か月近くずれます。1700m付近は10月上旬、洞川のまちは10月下旬から11月上旬です
- 11月中旬過ぎに初雪が降り、残雪はゴールデンウィークまで山に残ります。冬は路面が凍ります
- 大型連休のあいだは洞川区内の駐車場が全面有料になり、面不動鍾乳洞の専用駐車場は閉じられます。周辺の道路は一方通行になります
- シルバーウィークともみじまつりの時期は、観光協会自身が早めの宿の予約を勧めています。温泉街の宿は旅館・民宿が20数軒です
- 下市口駅を出るバスは1日10便、そのうち終点が洞川温泉の便は7便です。10便のうち4便は5月1日から11月30日まで、1便は土日祝だけの運行です
条件は変わります。出発前に確かめてください。
1日目
- 09:20
下市口駅から奈良交通バス移動
大阪阿部野橋から近鉄特急で約1時間。洞川温泉いきは1日7便で、残り3便は中庵住行きです。
- 10:20
天川川合で降りる移動
天の川と山上川の合流地点です。道の駅吉野路大淀iセンターからは27km・40分の位置になります。
- 10:40
みたらい渓谷を歩く移動
みたらい遊歩道は天川川合と洞川温泉を約2時間で結びます。急な上りと吊り橋、光の滝があります。
- 13:00
洞川温泉に着く
車なら天川川合から7km・10分の距離です。標高約820mで、気温は奈良盆地より3〜5度低くなります。
- 14:00
面不動鍾乳洞に入る移動
延長280m、海抜878m、洞内は年間平均気温8度。1日の入場数に上限があり、午後に定員に達すると営業を終えます。
- 16:30
宿に入る
洞川温泉街に旅館・民宿が20数軒。泉質は弱アルカリ性単純泉で、大峯山の登山者の疲労回復に使われてきた湯です。
- 19:00
夜の洞川温泉街を歩く
観光協会は、提灯の灯りに照らされた縁側が並ぶ町並みを散策の楽しみに挙げています。蛍は6月下旬から7月上旬、燈花会は9月中旬の龍泉寺境内で、2026年は9月19日の夜です。
2日目
- 08:00
朝の洞川温泉街から歩き出す
秋以降は下界より1か月早く季節が進み、9月後半にはストーブを出します。宿も龍泉寺も山上川沿いの同じ通りにあります。
- 08:30
龍泉寺とモミ林を見る
竜の口の水温は常に10℃。裏山のモミ林は1987年3月10日に奈良県の天然記念物に指定され、標高850mから990mに発達します。
- 09:30
かりがね吊橋を渡る移動
全長120m・高さ50mで、天川村で一番長い吊橋です。モミ林と大原山のあいだに架かります。
- 10:40
ごろごろ水と五代松鍾乳洞移動
ごろごろ水は水温10.4℃、全国で9番目に高いところに湧きます。隣の五代松鍾乳洞では、最大の石柱「大黄金柱」が高さ8mに達します。
- 12:00
清浄大橋の女人結界門まで移動
女人結界門は昭和45年に母公堂から約1.5km大峰山側へ移されました。ここから大峯山寺までは約3時間です。
- 14:00
天河大辨財天社へ移動
「天の安河の宮」が始まりと伝えられ、天川村の名の由来とされます。日本三大弁天の宗家で、能面と能装束が多数奉納されています。
- 16:00
下市口駅へ戻る移動
洞川温泉発の下市口駅行きは1日7便です。村内にタクシーは1台しかないので、戻りの便を先に決めてください。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
歩いて入るのを1日目に置く理由
1日目は洞川温泉まで乗らず、途中の天川川合で降りて歩きます。
みたらい遊歩道は、天川川合と洞川温泉を約2時間で結びます。天の川と山上川の合流地点からみたらい渓谷に入り、急な上りと吊り橋を越え、光の滝を見て洞川に着きます。観光協会は「近畿随一の美しさといわれる」と表現しています。
車なら天川川合から洞川温泉まで7km・10分です。つまりこの2時間は、10分で済む距離をわざわざ歩く時間です。
それでも1日目に置きます。理由は方向です。この道は西から東へ、川を上る向きに歩くものです。2日目に歩くと、村の西へ下ることになります。
2日目に西へ下れば、東の清浄大橋には届きません。順番を逆にすると、結界門が消えます。
町の北と東に分かれているので、1日では両方が急ぎになる
洞川の見どころは2方向に分かれます。
町の北側は面不動鍾乳洞と、龍泉寺裏のモミ林からかりがね吊橋へ続く自然研究路です。町の東側はごろごろ水と五代松鍾乳洞、そのさらに奥が清浄大橋です。
1日で両方を回ると、どちらも足りません。だから1日目を北に、2日目を東に振ります。
2日目を東に一本で通すと、ごろごろ水から清浄大橋までが同じ道の延長になります。そのまま戻れば天川川合を通るので、帰りに天河大辨財天社を足せます。
この村のタクシーは1台だけです。回り直しのきかない土地なので、方向を1日に1つだけ決めます。
夜にしかないものが3つある
泊まった日の夜に入れられるものです。
観光協会は、夏でも涼しい夜に散策すると提灯の灯りに照らされた縁側が並ぶ、と町歩きの楽しみを挙げています。湧水の町なので、名水で淹れたコーヒーを出す店もあります。
蛍が乱舞する時期は6月下旬から7月上旬です。標高820mで気温が県北部より3〜5度低いので、下界とは時期がずれます。
9月中旬には龍泉寺の境内で燈花会があります。2026年の開催日は9月19日で、こちらも暗くなってからです。洞川の年間行事は14あり、そのうち8月2日と3日の行者まつりも、鬼踊り行列の集合が夕方です。
夜の行事は、宿を取ることが参加の条件になっています。
1日目の鍾乳洞は、町の北側だけにする
歩いて着いた午後に、面不動鍾乳洞へ上がります。
延長280mで海抜878m、奈良県の特別天然記念物です。洞内は無風で年間平均気温8度、鍾乳石が1cm伸びるのに100年とも200年ともいわれます。発見は昭和8年、橘本広吉によるもので、発掘には3名で5年かかりました。
ここを1日目に置くのは、1日の入場数に上限があるからです。午後に定員が埋まれば、その日はそこで終わります。2日目に回すと、東へ向かう時間と取り合いになります。
上がり方は2通りです。面不動モノレール「どろっこ」に乗るか、洞川八幡宮脇の自然研究路を歩きます。モノレールには運休する曜日があります。
2時間歩いたあとに洞内8度へ入る順番になります。汗が引きます。
2日目の朝は、水の出口から順に見る
朝は龍泉寺から始めます。
真言宗醍醐派の大本山で、大峯山寺の護持院です。起源は、役行者が見つけた湧水に八大龍王尊を祀って水行したことだとされます。境内の「竜の口」の水温は常に10℃で、水は大峯山内「一の行場」の龍泉池を通って山上川へ落ちます。
昭和21年の洞川大火で境内の建物のほとんどを焼き、昭和35年に伽藍を復興しました。
裏山のモミ林は1987年3月10日に奈良県の天然記念物です。標高850mから990mに発達する中間温帯樹林で、太平洋側にのみ見られる極相林です。
そのモミ林と大原山のあいだに、かりがね吊橋が架かります。全長120m・高さ50mで、天川村で一番長い吊橋です。洞川には、奈良県の天然記念物に指定されたイワツバメの越冬地があります。地元ではこの鳥を「かりがね」と呼びます。
朝にここを歩くのは、人がいないからではありません。50mの高さと、前日に歩いた渓谷の位置関係が、明るくなって最初のうちは見分けやすいからです。
ごろごろ水と五代松は、同じ石灰岩の表と裏
東へ向かいます。
洞川湧水群は泉の森・神泉洞・ごろごろ水の3か所で、1985年に選ばれた環境省の名水百選に入っています。採水に訪れる人は季節を問わず年間5万人です。泉の森は樹齢300年を超える御神木に囲まれ、神泉洞では水を採れません。
湧き出すのは五代松鍾乳洞付近の石灰岩相からです。全国の湧水のなかで9番目に高いところにあるため、水温は10.4℃になります。汲み場を管理しているのは洞川財産区です。
その隣が五代松鍾乳洞です。鍾乳石は20〜30cmのものから大きいもので3〜4m、最大の石柱「大黄金柱」は高さ8mに達します。トロッコで入口まで上がり、洞内はガイドが先に立ちます。
湧水と鍾乳洞が隣にあるのは偶然ではありません。約100万年前まで陸上の大平原だった一帯が約2,000m隆起し、海底由来の石灰岩が標高800m台まで持ち上がりました。そこに年1,500〜2,500ミリの雨が降り続けました。
岩を溶かした分が洞窟になり、溶かした成分を含んだ分が湧水になります。 汲み場と洞口が歩いて移れる距離にあるのは、同じ岩の表と裏だからです。
清浄大橋の結界門は、昭和45年に1.5km動いた
東のいちばん奥が清浄大橋です。
大峯山(山上ヶ岳)は標高1,719.5m、白鳳年間に役行者が開いた修験道の発祥地で、現在も女人禁制です。女人結界門はもと母公堂にありましたが、戦後に山林作業に従事する女性が増えたため、八つの役講・龍泉寺・信徒総代・地区の長老の協議を経て、昭和45年に現在の清浄大橋まで約1.5km大峰山側へ移されました。
平成12年5月1日には発菩提心門が創建されました。ここから大峯山寺までは約3時間です。
大峯山寺の本堂は元禄4年(1691)の建立で、元禄16年に現在の規模になった国指定の重要文化財です。扉が開くのは5月3日の戸開式から9月23日の戸閉式までの143日間だけです。明治時代の発掘調査では、付近の経塚から藤原道長の経筒など43点が出土しました。護持院は洞川の龍泉寺と、吉野の竹林院・桜本坊・喜蔵院・東南院の五ヶ寺です。
登るなら往復約12km・約6時間で、登山届の提出が必須です。この2日の行程では橋の手前で折り返します。
対岸に見えるのが稲村ヶ岳です。標高1,726mで洞川から約10km、「女人大峯」と呼ばれ、龍泉寺が女人修行の道場としています。山頂付近の石楠花は5月から6月が開花期で、登山は往復約16km・約7時間です。
結界門の手前に立つと、禁制の線が地図ではなく橋の上にあることが分かります。
帰り道に天河大辨財天社を置く
洞川から下市口へ戻る道は、天川川合を通ります。そこから少し南が天河大辨財天社です。
壬申の乱に勝った大海人皇子(天武天皇)が、天女の加護に報いて麓に神殿を造営した「天の安河の宮」が始まりと伝えられます。天川村の名の由来とされる社です。
御祭神は中央に弁才天、右に熊野権現、左に吉野権現で、神仏習合の形態を残します。日本三大弁天の宗家とされ、世阿弥も用いたとされる阿古武尉の面など、能面と能装束が多数奉納されています。
ここを最後に置くのは、通り道だからだけではありません。洞川が水を山に入る前の清めとして使った集落なら、こちらは水の名を村に与えた側です。
2日目の最後に、同じ村の2つの水の扱いが並びます。
夜は名水豆腐とあまご
泊まった日の夕食は、水の産物が並びます。
この村の名産は名水と豆腐と川魚です。10.4℃の水が町なかに出るので、名水豆腐と名水ごまどうふが夕食に並びます。
あまご(アメノ魚)は標高820mの冷たい山上川の水で養魚されます。天川村河川の解禁は3月中旬、鮎は6月初旬です。
葛粉とかき餅・きりこは、厳しい冬の寒さを利用した味です。9月後半にはストーブを出すほどで、秋以降の季節は下界より1か月早く進みます。
陀羅尼助丸を製造販売する店は洞川に13軒あります。修験者の秘薬とされた和漢薬で、役行者が修行中に腹をこわし、黄柏(きはだ)の皮を口に含んで治したことが起源とされます。洞川地区の人口473人に対して13軒という密度が、ここが大峯参りの基地だった証拠です。
バスの本数と、カーナビの道
実務の注意です。
1日目に天川川合で降りる前提なので、便の本数を先に見てください。2024年2月1日改正の時刻表では、下市口駅発は1日10便、うち洞川温泉行きが7便です。残り3便は中庵住行きになります。逆向きの洞川温泉発も同じ7便です。
10便のうち4便は5月1日から11月30日までの運行、1便は土日祝だけです。冬は便が減ります。2日目は天河大辨財天社に寄ってから下市口に戻るので、戻りの便を先に決めてから午前の行程を組んでください。
村内にタクシーは1台だけです。宿の送迎があるかを予約のときに確かめてください。
車の場合、一部のカーナビが県道48号洞川下市線(黒滝村中戸経由・小南峠越え)を案内しますが、道幅が狭く対向が困難な場所が多数あります。 観光協会は、中継点に天川川合を必ず選んで国道309号から入るよう書いています。
道の駅吉野路大淀iセンターから天川川合まで27km・40分、天川川合から洞川温泉まで7km・10分です。大阪市内と奈良市内からは約2時間、名古屋西ICからは約3時間半です。
高野山奥の院から約1時間余、熊野本宮大社から約2時間余、大台ケ原から約1時間半は、いずれも県道経由で大型車が入れません。
天川村の面積の4分の1は吉野熊野国立公園です。公園全体の陸域面積は61,604haで、うち奈良県分が31,313ha、指定は1936年2月1日です。近畿最高峰の八経ヶ岳(1,915m)を含む大峯山脈は「近畿の屋根」と呼ばれます。
柿の葉ずしは帰り際、葛は初日に買う
持ち帰るものは2つです。
柿の葉ずしは吉野郡の保存食です。洞川温泉街にも専門店があります。山の郡で魚を日持ちさせる作り方で、鯖や鮭を押して柿の葉で包みます。木箱入りの詰め合わせがあるので、2日目の帰り際に買って持ち帰れます。
葛は冬の寒さを使った吉野の産物です。葛湯、葛ようかん、葛菓子の詰め合わせになります。常温で運べるので、1日目に買って宿に置いても崩れません。
夜に名水豆腐を食べて、翌日に葛を買う。どちらも同じ水と同じ寒さから出た食べ物です。
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宿を洞川温泉街に取ると、夜が歩ける
宿は山上川沿いの洞川温泉街に並びます。旅館と民宿が合わせて20数軒あり、泉質は弱アルカリ性単純泉です。大峯山に登る人の疲れを取るために使われてきた湯です。
温泉街に取る理由は、夜の町並みと燈花会の会場が徒歩圏に入るからです。村内にタクシーが1台しかないので、離れた宿だと夜に動けません。
宿が並ぶ通りの延長に龍泉寺があります。2日目の朝を龍泉寺から始められるのは、両方が同じ通りにあるからです。
天川川合にも宿が何軒かあります。みたらい遊歩道の入口に近い位置なので、歩きを2日目に回す組み方ならこちら側が合います。
村営の湯は2024年4月25日に「洞川温泉ビジターセンター」として開きました。内湯と露天風呂に吉野杉が使われています。
洞川のまちの紅葉は10月下旬から11月上旬に集中します。20数軒に対して人が集まる時期なので、観光協会も早めの予約を勧めています。

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服装と持ち物
- 約2時間の遊歩道があるので、歩けるきれいめスニーカーが前提です
- みたらい遊歩道には急な上りと吊り橋があります。両手が空くかばんで
- 鍾乳洞に入ると年平均8度の空気です。夏でも上に着るものを1枚
- 標高820mで夜は冷えます。町歩きには1枚多めに
- 9月後半には上着が必要になります。季節が下界より1か月早く進む土地です
- 水を汲んで帰るなら容器が要ります
