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旅行

二本松・岳温泉1泊2日モデルコース|朝いちのゴンドラは泊まった人のもの

公開: 2026-10-23 | #二本松 #岳温泉 #1泊2日 #温泉 #東北

岳温泉に泊まる理由は1つです。朝いちのロープウェイで登る安達太良山です。

山中にはくろがね小屋がありますが、 2023年4月1日から建て替えで休業中です。 宿泊も日帰り入浴もできず、トイレと避難小屋の機能まで止まっています。

つまり山に泊まる方法が無いということです。 山の朝に立ち会うには、麓の岳温泉に前泊する以外にありません。

さらに紅葉の最盛期の土日祝は、ロープウェイの運行開始が早まる年があります。 繰り上げの有無と開始の時刻は年ごとに決まります。 この枠に乗れるのは、前日から麓にいる人だけです。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
阿武隈川JR東北本線(二本松駅)二本松駅11:30 START2霞ヶ城公園12:303智恵子の生家14:304岳温泉16:00 宿泊1岳温泉07:002奥岳08:003薬師岳08:40二本松駅15:00 GOAL1日目のルート2日目のルートJR東北本線(二本松駅)N

先に確かめること|山は規制で、公園は季節で変わる

2日目の行程は、当日の条件で中身が変わります。

ロープウェイが登山と紅葉の足になるのはグリーンシーズン (おおむね4月中旬〜10月末)です。 冬はスキー場としての運行に切り替わります。

安達太良山は気象庁の常時観測火山です。 噴火警戒レベルによって規制範囲が動きます。入山前に当日の規制を確認してください。

沼ノ平コースとくろがね小屋〜鉄山コースは通行禁止です。 火口を望む縦走はこの行程に入れていません。

1日目側にも条件があります。

霞ヶ城公園は桜が例年4月上旬〜下旬、菊人形が例年10月中旬〜11月下旬です。 日程は年ごとに決まります。同じ公園で季節が真逆です。

智恵子の生家と智恵子記念館は隣り合っていて同時に閉まります。 休館日があるので、1日目の曜日が先に決まります。

1日目

  1. 11:30

    二本松駅に着く移動

    東北新幹線は停まりません。郡山駅か福島駅で東北本線に乗り換えます。町を1日目に置くのは、施設が開いている時間しか入れないからです。

  2. 12:30

    霞ヶ城公園を歩く移動

    1414年(応永21)頃の築城で、1868年に落城しました。2007年7月26日に国史跡、入口の箕輪門は1982年の再建です。

  3. 13:30

    日影の井戸で水を押さえる

    応永年間(1400年頃)の井戸です。城の水は安達太良山から18km引いていました。翌朝その山に上がります。

  4. 14:30

    智恵子の生家へ移動

    造り酒屋「米屋」の生まれで、酒銘は「花霞」。生家と智恵子記念館は同時に閉まるので、1日目の曜日を先に決めます。

  5. 16:00

    岳温泉に入る移動

    駅前から福島交通の路線バス(30-1・30-2)。旅館16軒の温泉街で、高原にあるため市街地と気温差があります。

  6. 17:00

    源泉68℃の酸性泉に浸かる

    全国でも珍しい単純酸性泉です。源泉は鉄山の南直下、くろがね小屋付近にあり、8km引いてきています。

  7. 19:00

    夜は二本松の酒

    市内の蔵元は4軒。大七酒造は1752年創業の生もと造り、奥の松酒造は1716年創業の金賞受賞蔵です。

  8. 20:30

    翌朝の便と規制を確かめる

    奥岳行きの便は本数が多くありません。安達太良山は常時観測火山なので、噴火警戒レベルも合わせて確認します。

2日目

  1. 07:00

    朝の温泉街を歩く

    4度の移転を経て1906年に現在地へ移った町です。高原なので、紅葉と初雪の時期は山頂と温泉街で季節が1段ずれます。

  2. 08:00

    奥岳へ上がる移動

    路線バスと季節運行のシャトルバスがあります。くろがね小屋はトイレも使えないので、設備は奥岳で済ませます。

  3. 08:40

    あだたら山ロープウェイで薬師岳へ移動

    グリーンシーズン(おおむね4月中旬〜10月末)の運行です。紅葉の最盛期の土日祝は運行開始が繰り上がる年があります。この行程は通常期の時刻で組んでいます。

  4. 09:30

    山上から安達太良山を見る

    本体は1,700m、連峰の最高峰は箕輪山の1,728mです。源泉はさらに上、鉄山の南直下にあります。

  5. 11:30

    奥岳へ下りる移動

    沼ノ平コースとくろがね小屋〜鉄山コースは通行禁止です。1997年9月15日の硫化水素ガス事故以降、規制が続いています。

  6. 13:00

    岳温泉で湯に入る移動

    源泉100%かけ流しを掲げる宿が並びます。山のあとに湯を置くと、下山後の時間が待ち時間になりません。

  7. 15:00

    二本松駅から帰る移動

    バスの便が限られます。乗る便を前日のうちに決めておいてください。

  8. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

町を先に、山をあとに回す

この順番には理由があります。

町の見どころは、施設の開館時間に合わせるしかありません。 霞ヶ城公園と同じ郭内にある「にほんまつ城報館」も智恵子記念館も、 開館時間のある施設です。

山は逆です。朝が本番です。

だから1日目の午後に町、2日目の朝に山という割り振りになります。

逆にするとどうなるか。

着いた日のうちに奥岳まで上がる形は、到着の時刻と本数の少ないバスの両方に縛られます。 乗り換えも挟みます。

そして紅葉期の繰り上げ運行の枠は朝にしかありません。 2日目に山を置かないと、泊まった意味がそのまま消えます。

さらに2日目の朝を町に充てると、開館を待つ時間が出ます。 朝の時間が宿で潰れることになります。

1日目は「引いてきた側」を歩く

町で見るのは、山から下ろしてきたものです。

二本松城(霞ヶ城)は1414年(応永21)頃に築かれ、 1643年に丹羽光重が10万700石で入って近世城郭になりました。 1868年に落城し、2007年7月26日に国史跡となっています。 日本100名城の11番(2006年選定)、入口の箕輪門は1982年の再建です。

ただ1日目に押さえるのは建物ではありません。水です。

城内に応永年間(1400年頃)の「日影の井戸」があり、 樹齢300年の傘松が立っています。

そして城と城下町の水は、約18km先の山中から引かれていました。 丹羽光重が命じた二合田用水路です。

同じ山から、湯は8km、水は18km下りてきていることになります。

1日目は、山から引かれた先を見る日です。 その出所に立つのが2日目です。この順にすると山の高さが意味を持ちます。

落城の日の数字も、ここで見ておきます。 1868年7月29日の二本松の戦いに、 出陣したのは13〜17歳の少年62名で組まれた二本松少年隊です。 隊長は22歳の砲術師範・木村銃太郎、守備兵力は約1,000人、 少年隊からは14名が戦死しています。

攻めた側は7,000人でした。 二本松藩には入隊年齢に2年加算する慣例があり、 約1,000人のなかに13歳が混ざっていた——落城の日の数字はこれです。 城には火が放たれ、戦いは正午を迎える前に終わっています。

智恵子の生家は、1日目の曜日で決まる

高村光太郎の妻・智恵子の生家は造り酒屋です。

屋号が「米屋」で、酒銘は「花霞」でした。 生家は明治初期の建物のまま現存し、隣に智恵子記念館が建ちます。 2階には智恵子の部屋が復元されています。

智恵子は1938年(昭和13)10月5日に没し、享年53。 『智恵子抄』の刊行は1941年(昭和16)です。

ここを1日目に入れるのは、休館日の都合です。

生家と記念館は同じ場所にあるため、閉まる日は両方いっぺんに閉まります。 2日目は朝から山に上がるので、町の施設に行ける日は1日目しかありません。

曜日を決めるのが先、行程を決めるのが後です。

油井地区にあり、霞ヶ城(市街)とも岳温泉(西の山麓)とも方向が違います。 1日目のうちに市街側で片付ける形が無理のない組み方です。

夜の温泉街は、4回作り直した町

宿に入ったあと歩く温泉街は、町としては新しい場所にあります。

岳温泉は4期にわたって場所を変えています。

9世紀(863年)の『日本三代実録』に出るのは「小結(こゆい)温泉」です。 そのあと名は湯日・十文字・深堀と変わり、いまの岳になります。 その湯日温泉が1824年の土石流で埋没し、二本松藩主の命で、 前の温泉街より6kmほど下に「十文字岳温泉」として再建されました。

その町も1868年の戊辰戦争で焼失し、1870年に深堀へ。 1903年の火災で全焼し、1906年に現在地で「岳温泉」として再建されました。

土石流・戦火・火災の3つが、町を3回動かしています。

いまの引湯は8km。この長さは全国でも一、二を争います。

夜に歩く意味はここです。 町は4度位置を変え、湯だけが同じ山から下り続けています。 いま歩いているのは1906年の再建以降の町で、 宿は旅館・ホテル10軒と民宿・ペンション6軒です。

この町には1955年の国民保養温泉地の指定(当時は全国7か所)と、 独立宣言の両方があります。 井上ひさしの『吉里吉里人』(1981年)に触発され、 1982年4月28日に独立を宣言、同年7月21日に「ニコニコ共和国」として開国し、 2006年8月31日に日本へ再合併しました。24年の共和国です。

2日目の朝、湯の出所の高さへ上がる

2日目は、前日に見た湯と水の出所へ上がります。

8km引いてくる湯の源泉は、安達太良山の鉄山の南直下、くろがね小屋付近にあります。

ロープウェイで薬師岳(山頂駅)へ上がると、 前日に浸かった湯が下りてくる高さの側に立つことになります。

安達太良山の本体は1,700m、連峰の最高峰は箕輪山の1,728mです。

朝にする理由は3つです。

  • 山上の滞在に時間を長く取れる
  • 紅葉の最盛期の土日祝は運行開始が繰り上がる年がある(時刻は年ごとに決まる)
  • 下山後に湯と帰りのバスの時間が残る

前日に下から見上げた山に、翌朝その中に入る。 この順番が、泊まる1泊で手に入るものです。

火口は見えない。縦走を前提にしない

2日目に組めないことを、はっきり書いておきます。

沼ノ平の爆裂火口を縦走路から見る行程は作れません。

1997年9月15日の事故です。沼ノ平の火口付近で、 硫化水素ガスにより登山者4名が亡くなりました。 登山のパーティーが霧で道を失い、立入禁止区域へ入っています。

この事故以降、沼ノ平コースとくろがね小屋〜鉄山コースの2コースが通行禁止です。

その火口自体は1900年(明治33年)の噴火で生じたものです。 長径300m・短径150mの火口ができ、山上の硫黄採掘所が壊滅して多数の死者が出ました。

ここで前日の話がつながります。

湯が山の上から出ていることも、火口に近づけないことも、 出どころは同じ1つの火山です。

1997年以降、同じガスが登山道を閉ざし続けています。 山から湯をもらう町と、山に入れない区域が、1つの山に同居しています。

折り返しは薬師岳と山上の散策路までにして、 規制は当日の情報で判断してください。

下りてから湯に入る順にする

2日目の湯は、山のあとに置いています。

湯は単純酸性泉です。全国でも珍しい泉質で、pHは2.4〜2.5、源泉の温度は約55℃。 8kmを約40分かけて下るあいだに、その湯が落ち着きます。

源泉100%かけ流しを掲げる宿が温泉街に並びます。

湯を下りたあとに置くと、下山後の待ち時間をそのまま湯に充てられます。

順番を逆にしないほうがよい理由がもう1つあります。

くろがね小屋のトイレが使えません。 休業でトイレと避難小屋の機能まで止まっているため、 設備は奥岳で済ませる必要があります。

山に入る前は身軽に、湯は下りたあと。これが2日目の組み方です。

バスの本数が2日目を決める

ここは2日目の足の話です。

二本松駅に停まるのは普通列車だけです。 2024年度の1日平均乗車人員は1,443人です。 東北新幹線は停まらないので、郡山駅か福島駅で東北本線に乗り換えます。

駅前から岳温泉へは福島交通の路線バス(30-1・30-2)。 ロープウェイ山麓の奥岳方面は路線バスと、季節運行の「二本松〜奥岳シャトルバス」があります。

いずれも本数は多くありません。 2日目の朝に奥岳へ上がる便と、帰りの便を、前日のうちに確かめてください。 ここが決まらないと2日目の行程が組めません。

車の場合、霞ヶ城公園に駐車場があります。 300台規模の駐車場で、菊人形の会期だけ400台に増やします。

温泉街は標高約600mの高原です。 中心街の「桜坂」は、市内で開花がいちばん遅い桜並木です。 山頂と温泉街では、紅葉と初雪の時期が1段ずれます。

酒は瓶、羊羹は風船。送るぶんは別に選ぶ

市内の蔵元は4軒で、200年以上続く酒蔵が集まっています。

大七酒造は1752年(宝暦2)創業、いまも生もと造りを続ける蔵です。 奥の松酒造は1716年(享保元)創業、全国新酒鑑評会の金賞受賞蔵です。

酒がここに残った理由は、2日目に上がる山と同じです。 安達太良山の伏流水があり、阿武隈川沿いの盆地は冬に冷え込みます。 そこへ城下町として藩が酒を抱え込んだ事情が重なりました。

玉羊羹は二本松発祥の、ゴム風船に流した一口羊羹です。

1937年(昭和12)に県知事と軍の依頼を受け、 日持ちして栄養のある携帯食として作られたものです。 江戸後期から続く羊羹店のもので、全国菓子大博覧会の名誉総裁賞を受けています。

ただしこの2つは現地の蔵元と菓子店で買うものです。 2日目に山へ上がるなら、重い瓶は1日目に買わないほうが楽です。 配送に回すか、帰る日に買う形にしてください。

下に出るのは福島の日本酒の飲み比べセットと、県内の桃を使ったゼリーです。 二本松の銘柄ではありませんが、山へ持って上がらずに済むのはこちら側です。

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宿は奥岳に近い温泉街側で取る

宿の選び方は、翌朝どこから動くかで決まります。

岳温泉の宿は温泉街に集まる旅館です。 8km引いてきた単純酸性泉を使い、源泉100%かけ流しを掲げる宿が並びます。 温泉街の旅館と日帰り温泉施設は、すべて同じ源泉の湯です。

市街側には駅の近くにビジネスホテルもあります。

ただし2日目の朝は奥岳に上がります。 奥岳登山口は岳温泉から車で15分ほどで、 路線バスも二本松駅→岳温泉→奥岳登山口の順に走ります。 市街に泊まると、朝にまずその温泉街の方向まで戻る移動が足され、 本数の少ないバスを朝いちから当てにする形になります。

朝いちのゴンドラを狙うなら温泉街側です。

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服装と持ち物

  • 1日目は箕輪門から本丸まで上ります。歩けるきれいめスニーカーで
  • 2日目は山です。山頂駅から先を歩くなら登山靴と雨具
  • 温泉街は標高約600mの高原です。羽織りものを1枚
  • 山上と温泉街で季節が1段ずれます。紅葉期は手袋と帽子を1組
  • くろがね小屋のトイレは使えません。奥岳で済ませる前提で
  • 酒を買うなら配送の手配を。2日目に山へ持って上がらない

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