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旅行

身延・下部温泉日帰りモデルコース|287段の上に本堂、谷底にぬる湯

公開: 2026-10-24 | #身延 #下部温泉 #日帰り #観光 #中部

身延町は山梨県の南部にあります。町の中央を富士川が流れます。

富士川は日本三大急流のひとつです。谷が深く、平らな土地がほとんどありません。

鉄道は南北どちらからも入れます。甲府から身延線の特急で約1時間、富士からも約1時間です。 新宿からは中央本線の特急で甲府まで約1時間40分、乗り換えてさらに約1時間かかります。

同じ山梨の甲府とは町の作りが違います。甲府は盆地の底に町が広がります。 身延は斜面に沿って上へ積み上がります。

この町の見どころは、標高の順に並んでいます。

ルートマップ|このコースの動き方※位置・距離は概略のイメージです
富士川JR身延線(甲府・富士方面)身延駅09:30 START2身延山の門前09:503菩提梯10:104久遠寺の本堂11:005奥之院13:306下部温泉15:30下部温泉駅17:00 GOAL日帰りのルートJR身延線(甲府・富士方面)N

行く前に決まってしまうこと

  • 身延山ロープウェイは2026年12月7日(月)〜11日(金)と12月14日(月)〜15日(火)の計7日間、 点検整備で運休します。運行時間帯も3月16日〜11月15日と11月16日〜3月15日で変わる季節ダイヤです
  • 山頂展望台は標高1153mで、気温は山麓より約7度低くなります。上着が1枚必要です
  • 本堂へは287段の石段を登ります。登らない場合は男坂・女坂の迂回路か、 西谷の「せいしん駐車場」(西側・有料)に設置された斜行エレベーターを使います。 駐車場は2か所で、甘露門下(東側)は無料です
  • 町内の横移動は曜日で変わります。町営バスは4路線で、身延鰍沢線・古関甲斐岩間線・古関循環線の3路線は平日のみです。 日曜・祝日と12月29日〜1月3日は運休します。本栖湖方面の飯富本栖湖線は逆に土日祝のみの1日2往復です
  • 久遠寺のしだれ桜は3月中旬〜4月上旬だけです。祖師堂傍らの「妙法桜」と仏殿前の「瓔珞桜」は樹齢400年を超えるとされます
  • あけぼの大豆の枝豆が出回るのは10月の数週間だけです。産地フェアは10月上旬〜下旬に開かれます
  • 宗祖御会式は10月11〜13日で、万燈行列が出るのは10月12日です。七面山大祭は9月18日・19日、 ホタルの鑑賞期は6月上旬(一色地区・湯町地区)です
  • 身延町公式サイトのツキノワグマ目撃情報には、2026年分として30件が掲載されています。 久遠寺のある身延地内でも5件あり、最新は10月23日です。山の道に入る日は装備を考えてください

1日の流れ

  1. 09:30

    身延駅に着く移動

    甲府から身延線の特急で約1時間です。富士からも身延線の特急で約1時間で、南北どちらからも入れます。

  2. 09:50

    バスで身延山の門前へ移動

    身延駅から身延山までの路線バスは約12分です。富士川の谷から、斜面に張り付いた門前町へ上がります。

  3. 10:10

    三門から菩提梯を登る

    三門から本堂へ続く石段が287段の菩提梯です。登らない場合は男坂・女坂か、西谷のせいしん駐車場の斜行エレベーターを使います。

  4. 11:00

    久遠寺の本堂と五重塔を見る

    本堂は間口32メートル・奥行51メートルで、一度に1,500人の法要を奉行できます。五重塔は明治8年の大火から134年ぶりに2009年5月に再建されました。

  5. 12:30

    門前でゆばの昼食移動

    身延のゆばは日蓮聖人の在山中に弟子が作ったものが伝わったとされ、700年の伝統があります。

  6. 13:30

    ロープウェイで奥之院へ移動

    高低差763mを片道7分で上がります。山頂展望台は標高1153mで、気温は山麓より約7度低くなります。

  7. 15:30

    下部温泉で湯に入る移動

    谷底に自噴するぬる湯の温泉地です。湯元ホテルでは28〜32℃の源泉が自噴しています。

  8. 17:00

    下部温泉駅から帰る移動

    静岡へは特急の直通で1時間10分、新宿へは最短2時間15分です。本数が限られるので、帰りの便を先に確かめてください。

  9. 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。

谷底の湯、287段上の本堂、標高1153mの山頂

高さから入ります。この町で見るものは、3つの段に分かれています。

  • 谷底に下部温泉があります。湯元ホテルでは28〜32℃の源泉が自噴しています
  • 斜面の中腹に久遠寺があります。三門から本堂までが287段です
  • その上が身延山の山頂です。標高1153mで、ロープウェイの高低差は763mです

富士川が深い谷を刻んだので、この町には高さの差しかありません。

湯は自噴する場所に湧きます。だから温泉は谷底にあります。 寺の本堂は、1475(文明7)年に第11世日朝上人によって西谷から現在地へ移りました。 山頂へは索道が架かりました。

信仰も湯も、同じ斜面を高さで分け合っています。 だから1日の行程は、そのまま登って下りる形になります。

287段の菩提梯を登ると本堂に出る

三門から本堂へ続く石段を菩提梯と呼びます。段数は287段です。

久遠寺が公表しているのは段数だけです。高低差や勾配の数字は出ていません。 登る前に分かるのは「287段ぶん上にある」という事実だけです。

身延山の総門内の境内総面積は約300万坪あります。 三門と本堂と奥之院は、それぞれ別の高さにあります。

だから境内は横に歩くより縦に移動します。

287段を登るか、迂回路を使うかで、1日の歩き方が変わります。 男坂・女坂の迂回路と、西谷のせいしん駐車場の斜行エレベーターが用意されています。

本堂は一度に1,500人を入れる

数字で押さえます。本堂は間口32メートル、奥行51メートルです。 一度に1,500人の法要を奉行できます。

287段の上に、1,500人ぶんの間口が載っています。

ここは日蓮聖人が入った山です。入山は1274(文永11)年5月17日、 同年6月17日から西谷の草庵を住処としました。

1281(弘安4)年11月24日に旧庵を廃して本格的な堂宇を建て、 自ら「身延山妙法華院久遠寺」と命名しています。

聖人は1282(弘安5)年9月8日に下山し、同年10月13日に武蔵国池上で61年の生涯を閉じました。

1706(宝永3)年には皇室勅願所になりました。

五重塔は134年ぶりに戻った

境内の建物には抜けていた期間があります。

五重塔は明治8年の大火で焼失しました。再建されたのは2009年5月です。 焼失から134年ぶりでした。

つまり、いま見る五重塔は新しい建物です。

国登録有形文化財は町内で30件あり、すべてが建造物です。 大多数が身延山久遠寺関連で、祖師堂及び御供所、三門、大客殿などが入ります。

古い建物と2009年の建物が、同じ斜面に並んでいます。

千本杉は高さ40メートルを超える

木のほうが先に高さを稼いでいます。

境内の千本杉は高さ40メートル以上に達します。 身延山の千本スギは昭和34年2月9日に山梨県指定天然記念物となりました。

天然記念物に指定されたのは木立のほうで、建物ではありません。

斜面に建つ堂宇のあいだを、それより高い杉が埋めています。 石段を登りながら見上げると、空が杉で細く切られます。

ロープウェイは高低差763mを7分で上がる

ここで一気に高さが変わります。

身延山ロープウェイは高低差763mです。片道7分、20分間隔の運行で、秒速5mで上がります。 山頂展望台は標高1153mです。

763mを7分ということは、歩いて登る時間とはまったく別の移動になります。

山頂の気温は山麓より約7度低くなります。 門前で上着が要らない日でも、山頂では要ります。

ロープウェイの高低差763mは、この町が高さでできていることの数字そのものです。

運行時間帯は3月16日〜11月15日と11月16日〜3月15日で変わります。 2026年12月は7日〜11日と14日〜15日の計7日間が点検運休です。

下部温泉はぬる湯と51℃の2本立て

下りた先の湯には2種類あります。

ひとつは「隠し湯」と呼ばれる従来の源泉です。ぬるい湯で、湯元ホテルでは28〜32℃が自噴しています。

もうひとつは奥の湯高温源泉です。平成18年5月に掘削・分湯が始まり、湯温は51℃です。 入浴の目安は5〜10分以内で、発汗量は200〜400mlとされます。

泉質は単純(鉱泉)温泉です。

同じ温泉地のなかで、長く浸かる湯と短く上がる湯が別に引かれています。 宿を選ぶときに効くのはこの違いです。

下部温泉は武田信玄公の隠し湯と伝えられ、川中島の合戦で傷を負った兵たちが湯治したとされます。 身延町は日本の名湯百選の一つと記載しています。

ゆばとあけぼの大豆も、高さから出ている

食べ物も同じ説明でつながります。

身延のゆばは、日蓮聖人が身延山に在山中、弟子が師の栄養源として作ったものが伝わったとされます。 700年の伝統です。原料の大豆は、町ぐるみでゆばに適した品種を栽培しています。

山にこもった僧の蛋白源が、そのまま産業として残った形です。

あけぼの大豆は標高300〜700mの曙地区で育ちます。 昼夜の寒暖差が大きく、霧が多く発生する風土が条件です。

枝豆として出回るのは10月の数週間だけです。

門前には、参拝客向けに丼を束ねた「身延どんぶり街道」という企画もあります。 石段を登る客が相手なので、量のある献立が並びます。

本数と曜日と、登る段数

実務の注意です。

  • 鉄道は2方向から入れます。北は甲府から身延線の特急で約1時間、南は富士から約1時間です。 静岡からは特急の直通で下部温泉駅まで1時間10分、新宿からは最短2時間15分です
  • 身延駅から身延山(久遠寺門前)までは路線バスで約12分です
  • 車は中部横断自動車道が前提です。新宿から中央道・中部横断道経由で身延山ICまで約2時間、 東京から東名・新東名経由で約2時間10分、小牧JCTから約3時間20分です。 下部温泉は下部温泉早川ICから5分、甲府から50分、河口湖から1時間です
  • 町内の横移動は車が前提です。町営バス4路線のうち3路線は平日のみで、1日の本数が限られます。 本栖湖方面の1路線だけが土日祝のみなので、曜日を間違えると動けません
  • 日蓮聖人の御廟所へは西谷参道を歩いて15分程度です。境内は高さが分かれているので、 三門・本堂・奥之院を1日で回ると上下の移動が積み上がります
  • 湯之奥金山博物館の砂金採り体験は30分間です。休館日が決まっているので、行く前に確かめてください
  • 道の駅「しもべ」は国道300号沿いの身延町古関4321にあります。 下部農村文化公園とオートキャンプ場が併設されています
  • 列車もバスも本数が限られます。帰りの便を先に決めてから行程を組んでください

土産は日持ちする山梨の2品

身延のゆばもあけぼの大豆も、現地で食べるほうが向いています。 枝豆は10月の数週間しか出回りません。

持ち帰りに回るのは、時期に左右されない山梨の品になります。

あわびの煮貝は1粒ずつの小分けセットで売られています。 山梨県観光土産品公正取引協議会の名が入った箱で、海のない県の土産として定着しているものです。

「くろ玉」は山梨の銘菓です。8個入と12個入があるので、配る人数で選べます。

どちらも常温で持ち運べます。石段を登る前に買うと荷物になるので、最後に回してください。

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泊まると朝の本堂に出られる

この1日で落ちるのは、朝の境内です。

身延駅から身延山まではバスで約12分かかります。 日帰りだと、朝の早い時間に境内にいることができません。

身延山には宿坊があります。東谷6軒・西谷10軒の計16軒で、多くが精進料理をベースにした食事を出します。 門内に泊まれば、287段の上の本堂へ朝のうちに出られます。

谷底の下部温泉には宿が12軒あります。ぬる湯に長く浸かる形の湯で、性格が違います。 温泉街の「大市館」は国登録有形文化財です。

門前に泊まるか、谷底に泊まるかで、翌朝に手に入るものが変わります。

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服装と持ち物

  • 287段の石段を登ります。歩けるきれいめスニーカーで
  • 山頂は山麓より約7度低くなります。上着を1枚
  • 境内は高さが分かれています。両手が空く荷物で
  • 杉と五重塔を見上げる時間が長いので、つばのある帽子を1つ
  • 谷の町なので、朝夕は冷えます。羽織りものを足してください

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