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旅行
甲府・昇仙峡日帰りモデルコース|花崗岩の山が、渓谷と宝飾を作った
公開: 2026-10-23 | #甲府 #昇仙峡 #日帰り #観光 #中部
甲府市は山梨県の中ほど、甲府盆地にあります。
市街の北、荒川の上流に御岳昇仙峡があります。
甲府駅からバスで、滝上まで約60分。
同じ山梨でも、河口湖や富士吉田の富士五湖側とは気温が約5℃違います。 盆地側は日照が多く、雨が少ない土地です。
行ける範囲が季節で変わります
先に条件を書きます。 この渓谷は上に行けるかどうかが時期で変わります。
- 冬期(12月1日〜3月31日)は路線バスが「昇仙峡口」で終点になります。 この間、渓谷の上部とロープウェイ側へは車かタクシーが前提です
- 紅葉の見頃は11月上旬から中旬です。ロープウェイの上と下で標高が約300m違うので、 見頃の進み方は現地の発表で確かめてください
- 名勝区間の遊歩道は歩行者の道です。車で谷底をたどることはできません
- カーナビに「昇仙峡」と入れないでください。通行止めの区間へ案内されることがあります。 施設名かバス停名で設定します
- 秋は冬眠前のクマが活発です。山梨県が出没マップとX速報を出しています。 昇仙峡観光協会も熊の情報を出しています
- パノラマ台からの眺望は晴天前提です。夏は猛暑日が平年16.9日あり、空が霞みます
1日の流れ
- 09:00
甲府駅からバスに乗る移動
山梨交通のバスで、昇仙峡口まで約30分です。戻りの便の時刻を先に確かめてください。
- 09:40
天神森から渓谷を歩き始める移動
入口の長潭橋は1925年(大正14年)架橋のコンクリートアーチ橋です。天神森から仙娥滝まで約5kmあります。
- 10:40
覚円峰を見上げる
高さ約180mの花崗岩の巨岩です。秩父山地の花崗岩を荒川が削り、断崖と奇岩が残りました。
- 11:30
仙娥滝に着く移動
落差30mで、日本の滝百選に入ります。入口から滝の上までは約6km、徒歩約1時間15分です。
- 12:30
滝上で昼食にする
ほうとうと甲府鳥もつ煮が土地のものです。鳥もつ煮は甲府では主に蕎麦屋で出されます。
- 13:30
ロープウェイでパノラマ台へ移動
片道5分、高低差約300mです。パノラマ台駅から弥三郎岳(標高約1,058m)まで徒歩約15分です。
- 15:00
バスで甲府市街へ戻る移動
滝上から約60分です。冬期(12月1日〜3月31日)は路線バスが昇仙峡口で終点になります。
- 16:30
武田神社と宝飾の町を見る移動
1519年に武田信虎が躑躅ヶ崎に館を築いた跡です。神社は1919年創建。県内約800社の宝飾業者がほぼ甲府に集まります。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
渓谷は約5km、滝上までは約6km
数字から入ります。
御岳昇仙峡は国の特別名勝です。 指定は1953年で、「日本一の渓谷美」と呼ばれています。
長さは、天神森から仙娥滝まで約5km。
入口から滝の上までだと片道約6kmで、 甲府観光ナビは所要を約1時間20分の目安としています。
ここで決まることがあります。 往復は同じ道をもう一度歩くことになるので、 片道を歩いて、片道はバスで戻るのが現実的な形です。
覚円峰は高さ約180m、仙娥滝は落差30m
渓谷のシンボルは2つです。
覚円峰は高さ約180mの花崗岩の巨岩です。 谷の底から見上げる形になります。
仙娥滝は落差30mで、 日本の滝百選に入っています。
どちらも同じ花崗岩の山地の中にあります。 立って残った岩壁と、水が落ちる段差を、 同じ谷で続けて見ることになります。
この岩が削られて谷になった
なぜこの形なのか、という話です。
ここは花崗岩の山地です。
文化庁の日本遺産の紹介文は、荒川が隆起した花崗岩の山地を浸食し、 この渓谷美と水晶をこの地にもたらしたと書いています。 覚円峰は、その花崗岩が風化と水食を受けて残った岩壁です(昇仙峡観光協会)。
仙娥滝のほうは、地殻変動による断層によって生じたと 昇仙峡観光協会と甲府観光ナビが説明しています。
削られた谷と、断層でできた落差が、同じ区間に並んでいます。 岩も谷も水晶も、同じ花崗岩の山地から出ているということです。
同じ花崗岩の山地から水晶が出た
ここから話が町につながります。
水晶が出たのは、昇仙峡の奥にある金峰山の一帯です。
日本遺産の紹介文は、金峰山周辺の花崗岩を主とする地質に、 優れた結晶が産出される水晶鉱床がいくつもあったと書いています。 黒平の向山坑、黒平から山梨市西保にかけての乙女鉱山などです (山梨県立宝石美術専門学校の資料)。
谷を削った山と、水晶が出た鉱床の母岩が、同じ花崗岩の山地です。
そして江戸時代に、京都の玉造職人から研磨と加工の技法が伝わりました。
山から石が出て、町に技が入ったという順番です。
山梨は貴金属出荷額の約3割、業者はほぼ甲府
結果が数字に出ています。
山梨県は全国の貴金属製品出荷額の約3割を占めます。
事業所数は全国一で、全国の約3分の1があります。
そして県内の宝飾関係業者は約800社で、 そのほとんどが甲府に集まっています。
原石のほうは、1889年(明治22年)ごろには乱掘で生産量が減り、 採掘による水害も多発したと、 山梨県立宝石美術専門学校「ジュエリー産地やまなしヒストリー」にあります。
それでも残ったのは磨く技術です。 山から出た石ではなく、石を磨く技が土地に残ったということです。
日本遺産の名前が、この筋そのもの
この流れは、名前として認定されています。
「甲州の匠の源流・御嶽昇仙峡〜水晶の鼓動が導いた信仰と技、そして先進技術へ〜」。
2020年度(令和2年度)に日本遺産に認定されました。
対象は甲府市と甲斐市の2市で、 構成文化財は23件です。
渓谷の地質と渓谷美、そして信仰や神社の文化財で構成されています。
岩・渓谷・信仰・産業を1つの話として扱っているということです。
町の始まりは1519年の躑躅ヶ崎館
甲府という町自体にも起点があります。
1519年(永正16年)、武田信虎が躑躅ヶ崎に館を築きました。 これが甲府の町の始まりです。
信虎・信玄・勝頼の3代63年がここを本拠にしました。
その館跡に、1919年(大正8年)に武田神社が創建されています。
渓谷から戻って立ち寄ると、 館跡の平地が市街の北、山の裾にあることが分かります。 山が背になる場所です。
渓谷の道は9年かけて開かれた
いま歩く道にも由来があります。
渓谷沿いの道の元は、「御岳新道」です。
地元の長田圓右衛門が、 1834年(天保5年)に着手し、1843年(天保14年)に完成させました。 9年かかっています。
のちに有料道路として整備され、 1997年(平成9年)に無料化されました。 現在は山梨県道7号甲府昇仙峡線です。
入口の長潭橋は1925年(大正14年)架橋のコンクリートアーチ橋です。
道が1本開くまでに9年という土地を歩くことになります。
バスの本数と戻りの便を先に確かめる
実務です。
- 甲府駅から山梨交通のバスで、 昇仙峡口まで約30分、グリーンラインまで約40分、滝上まで約60分です。 戻りの便の時刻を先に確かめてください。問い合わせは山梨交通です
- 冬期は路線バスが昇仙峡口で折り返します(12月1日〜3月31日)。 上部へは車かタクシーです
- ロープウェイは片道5分、高低差約300m。 パノラマ台駅から弥三郎岳(標高約1,058m)まで徒歩約15分です
- 車は山梨県道7号甲府昇仙峡線。昇仙峡内に公営の駐車場があります
- 甲府盆地は冬日が平年64.1日ある一方、1cm以上の降雪日は平年3.4日です。 凍結はあっても、雪で動けなくなる土地ではありません
土産はほうとうと、果物の菓子
ほうとうは、かぼちゃや大根などの根菜を味噌で煮込む太い平打ち麺です。 生麺と乾麺のセットが持ち帰り向きです。
数を配るなら果物のゼリーなどの菓子です。 常温で日持ちします。ただし果実の産地は山梨のものに限りません。
甲府鳥もつ煮は、持ち帰りより店で食べるものです。 鶏の内臓を砂糖と醤油で煮詰めた一品で、 2010年9月の第5回B-1グランプリ(神奈川県厚木市、来場43.5万人)でゴールドグランプリを獲りました。 甲府では主に蕎麦屋で出されます。
ぶどうと桃、そこから出たワインは、産地の中心が東隣の石和・勝沼側です。
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泊まると盆地側がもう1日つかえる
日帰りだと、渓谷で1日が終わります。
滝上までバスで片道約60分、 歩いて約6km、 ロープウェイと弥三郎岳まで徒歩約15分。 これで日が落ちます。
泊まる先は甲府市街にある湯村温泉です。
開湯は808年と伝えられ、信玄の隠し湯の伝承も持ちます。 湯はナトリウム・カルシウムを含む塩化物泉で、高温泉です。
太宰治と井伏鱒二が滞在した温泉地でもあります。
甲府の宿は、この湯村温泉と甲府駅前に多く、 残りは郊外のインター周辺や渓谷のなかに散っています。 温泉地が市街にあるので、渓谷から降りてそのまま入れます。

甲府・昇仙峡
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服装と持ち物
- 渓谷を片道約6km歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 遊歩道は川沿いに整備されています。濡れていることがあるので、滑りにくい靴底で
- 谷底とパノラマ台では標高が違います。羽織りものを1枚
- 熊鈴など音の出るもの。秋は特に持っておいてください
- 夏は猛暑日が平年16.9日です。帽子と水を
- 冬は冬日が平年64.1日あります。手袋を1組
