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旅行
久留米日帰りモデルコース|川が運んだ土から、絣とゴムが出た
公開: 2026-10-24 | #久留米 #高良大社 #日帰り #観光 #九州
久留米市は福岡県の南西部、筑紫平野の中心にあります。 面積229.96km²、人口298,789人・145,755世帯(令和8年5月1日現在)の中核市で、福岡市から約40kmの距離です。 市域の約7割が田・畑・山林・水面で、筑後川沿いは水田、南の耳納連山のふもとには果樹と植木の畑地が続きます。
玄関口は2つあります。九州新幹線と鹿児島本線・久大本線が集まるJR久留米駅と、西鉄天神大牟田線の西鉄久留米駅(T27)です。 両駅は離れていて、久留米市の都市計画も別個の拠点として扱っています。
同じ久大本線でつながる日田やうきはとは、見るものの性格が違います。 日田は盆地の商家町、うきはは扇状地の重伝建。久留米は平野そのものが産業をつくった都市です。
行く前に確かめること
- 九州新幹線は2026年9月18日に全線運行再開しましたが、以後も変更ダイヤが続いています。 JR九州は2026年冬季(12〜2月)の臨時列車についても、運休や行先・時刻の変更が発生する場合があると明記し、詳細は未定としています。 本数や所要時間を前提にした行程は組めません。JR鹿児島本線は2026年10月10日から通常ダイヤです
- 2026年10月24日時点で、台風第30号の接近に伴い久留米市がイベント中止・変更と施設休館を随時告知しています。 JR九州のD&S列車「或る列車」「36ぷらす3」「かんぱち・いちろく」は10月26日が終日運転中止です
- 筑後川花火大会の2026年開催は中止です。令和8年(2026年)熊本地震を受け、被災者支援を優先するという理由が公式に出ています。 例年は8月5日で、予備日が8月7日。夜に会場周辺の交通規制が入ります。2027年以降は未確認です
- 石橋文化センターの花は時期が決まっています。バラの見頃は春が4月下旬〜5月下旬、秋が10月下旬〜11月下旬。 ハナショウブは6月上旬〜6月下旬、紅葉は11月下旬〜12月上旬です。休館日も決まっているので、行く日に開いているかを行く前に確かめてください
- 田主丸のぶどう狩りは、案内所が開く8月10日〜9月下旬の外では成立しません
- 高良大社は公共交通だと久大本線の久留米大学前駅から徒歩約50分、西鉄バス「御井町」から徒歩約30分です。 車なら九州自動車道の久留米ICから約15分。夜や早朝に上がるなら車かタクシーが前提になります
- 花火動乱蜂(福岡県指定無形民俗文化財)は例年9月15日だけの行事です
- 耳納山地の北麓は2023年7月10日の土石流で死者が出た区域で、福岡県の砂防工事が続きます。 大雨のときは渓流沿いと林道に近づけません。耳納スカイラインの通行規制は未確認なので当日の確認が必要です
- 久留米絣は全30工程を手作業で行う重要無形文化財ですが、織元や工房の公開の有無は確認できていません。 織りを見たい場合は事前連絡が前提です
1日の流れ
- 10:00
JR久留米駅に着く移動
福岡市から約40km、筑紫平野の中心にある中核市です。玄関口はJR久留米駅と西鉄久留米駅の2つで、両駅は離れています。
- 10:40
筑後川の河畔に出る移動
幹川流路延長143km・流域面積2,863km²の九州最大の川です。慶安3年(1650年)の水天宮の落成祝賀が筑後川花火大会の起源で、2026年は中止になりました。
- 11:40
中心市街で久留米絣の木綿を見る移動
久留米絣は1957年指定の重要無形文化財で、製作は全30工程です。織元や工房の公開は確認できていないので、まずは市街の店で反物や製品を見る形にしてあります。
- 13:00
石橋文化センターに入る移動
1956年開園で2026年に70周年。2016年から久留米市美術館と石橋正二郎記念館が入り、1か所で半日が埋まります。休館日が決まっています。
- 15:00
高良大社へ上がる移動
標高312mの高良山の中腹。社殿は万治3年(1660年)建立で、神社建築として九州最大規模の国指定重要文化財です。久留米ICから約15分、徒歩だと久留米大学前駅から約50分かかります。
- 17:00
市街に戻って豚骨ラーメン移動
久留米は豚骨ラーメンの起点とされ、昭和12年(1937年)の屋台に始まるという話が複数の二次情報で一致します。
- 18:30
JR久留米駅から帰る移動
九州新幹線は2026年9月18日の全線再開後も変更ダイヤです。本数と所要時間は当日に確かめてください。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
九州最大の川が、この平野を積み上げた
数字から入ります。
筑後川は幹川流路延長143km、流域面積2,863km²で、どちらも全国21位。 熊本県阿蘇郡南小国町に源を発し、熊本・大分・福岡・佐賀の4県を流れて有明海に注ぎます。流域人口は約109万人です。 久留米市公式も「九州一の大河」が市の北東部から西部にかけて貫流する、と書いています。
この川が運んだ土が、筑後平野の沖積層になりました。 久留米市の農業産出額が福岡県内で最も多いのは、肥沃な土と豊富な用水がそろったからです。 米の生産調整で主要作物だった米の産出額は大幅に減り、いまは野菜が産出額全体の5割近くを占めます。
川は鎮める対象でもありました。 慶安3年(1650年)の水天宮の落成祝賀が筑後川花火大会の起源で、370年以上続いています。2026年は中止です。
気候は内陸型の有明気候区で、気温の年較差と降水量の年変化が大きく、雪は少ない。 降水は梅雨期に集中し、過去10年の年間降水量は平均2,000mm程度です。河畔に出ると、堤防の高さがその数字の答えとして立っています。
平野の綿と藍から、久留米絣が出た
久留米絣は国の重要無形文化財です。指定は1957年(昭和32年)。
創始者は井上伝。1788年に久留米の通外町の米商家に生まれ、12〜13歳のときに古着の白い斑点から構造を解き、 糸を括って藍染めする技法を発明しました。40歳の時点で400人以上の女性に教えています。
製作は全30工程。藍染めは低濃度から中濃度、高濃度へと順に浸しながら叩いて、酸化させて色を定着させます。 1976年の法改正では、技術保持者会が保持団体に認定されました。
平野が木綿を育て、藍が色を決め、人の手が30工程を引き受けた。 原料も染料も、この土地でそろいます。
ただし織元や工房の公開の有無は確認できていません。 当日いきなり織りを見られる前提では組まず、市街の店で反物や製品を見る形から入るのが確実です。
絣の木綿を縫っていた足袋屋が、ゴムに移った
久留米はブリヂストン発祥の地です。 久留米工場は同社の国内タイヤ工場として最初に操業を開始し、筑後川沿いに立地します(公式リーフレット「久留米工場」2024年12月版)。 生産品目は乗用車用・小型トラック用・航空機用・モータースポーツ用・産業車両用の5種。社名はStone-Bridgeの逆です。
足袋メーカーのタイヤ部を分離して1931年3月に創業した、という経緯は社史データベース(二次情報)までしか確認できていません。 一方で久留米市公式は、城下町を母体に久留米絣などの産業が培われ、近代以降は商業とゴム産業の集積で市街地が形成された、と書いています。
木綿を縫う技術と、ゴムを貼る技術は隣にあります。 絣の反物から足袋、足袋からタイヤへ、という順番です。
創業者の石橋正二郎は、利益を郷里に戻しました。 市内小中学校へのプール寄贈と、石橋文化センターです。
石橋文化センターは1956年開園で、園内に5つ入る
開園は1956年(昭和31年)で、2026年に開園70周年を迎えます。
2016年、開園60年を機に石橋美術館の歴史と活動を受け継いで久留米市美術館になり、同時に石橋正二郎記念館が開館しました。 運営は公益財団法人久留米文化振興会です。
園内には石橋文化ホール、石橋文化会館、坂本繁二郎旧アトリエ、久留米市立中央図書館、楽水亭があります。 美術館と記念館を含めて1か所に集まっているので、半日が埋まります。
花のイベントは7つ。バラフェアが春と秋、あじさい・はなしょうぶまつり、もみじまつり、春の花まつり(梅・つばき・さくら)で、園内のライトアップもあります。 久留米ICから約10分です。
工場の利益で建った文化施設が、いまは市の美術館になっている。 前の節で見た連鎖の終点が、この園です。
平野を南から縁取る山の中腹に、1660年の社殿がある
高良大社は筑後国一の宮で、耳納山地の西端にある高良山(標高312m)の中腹に鎮座します。
本殿・幣殿・拝殿は万治3年(1660年)に久留米藩3代藩主 有馬頼利が建立した江戸初期の権現造で、 神社建築として九州最大規模の国指定重要文化財です。大鳥居も重要文化財。 創建は履中天皇元年(400年)と伝え、祭神は高良玉垂命です。
山そのものが文化財の集まりです。 国指定は社殿・大鳥居・紙本墨書平家物語・高良山神籠石(史跡)・モウソウキンメイチク林(天然記念物)の5件。県指定が6件、市指定が2件。 山中には毘沙門岳城・鶴ヶ城・杉ノ城・吉見岳城・古宝殿城の山城跡が残り、豊臣秀吉も陣を置きました。
一の宮と城跡5か所が同じ山に集まる理由は1つです。 ここが平野の全体を押さえられる高さだからです。
アクセスは車が前提です。久留米ICから約15分、久留米大学前駅から徒歩約50分、西鉄バス「御井町」から徒歩約30分。 山内の移動も徒歩なら区間あたり約8〜25分、車道を使えば約4〜5分です。
川を渡る人が集まった場所に、屋台が立った
久留米は筑前・豊後・肥前・肥後を結ぶ交通の要衝でした(久留米市公式)。 川を渡る人と荷が1か所に溜まる土地です。
久留米は豚骨ラーメンの起点とされます。 昭和12年(1937年)に屋台が開業し、東京・横浜の中華そばと、店主の出身地の長崎ちゃんぽんから着想して豚骨スープのラーメンを出した、という話です。 公的機関の一次資料は確認できておらず、複数の二次情報が一致する範囲として読んでください。
素材の選び方は平野と結びついています。筑後平野は畜産の土地で、骨が手に入りました。
もう1つの夜の食べ物が焼きとりです。 市が「焼きとり日本一」を宣言したのは2003年6月です。人口1万人あたりの焼きとり店数が全国1位、という意味での宣言です。 鶏だけでなく豚・牛・馬・魚介・野菜も串にし、ダルム(腸)・ヘルツ(心臓)というドイツ語の医学用語で呼びます。
ただし串の店は夜営業が中心です。日帰りだと、ここは昼のラーメンまでで止まります。
足は2つの駅、山はタクシー
実務の注意です。
- 市内を鉄道5路線(九州新幹線・JR鹿児島本線・JR久大本線・西鉄天神大牟田線・西鉄甘木線)が通り、国道は6本あります。 玄関口はJR久留米駅と西鉄久留米駅の2つで、離れています。どちらに着くかで歩く範囲が変わります
- 九州新幹線は変更ダイヤが続いているので、本数と所要時間は当日に確かめてください。鹿児島本線は通常ダイヤに戻っています
- 高良大社は車かタクシーで上がる前提です。公共交通だけなら、久留米大学前駅から片道で徒歩約50分かかる前提で時間を取ってください
- 石橋文化センターは園内が広く、1か所で半日かかります。休館日と花の時期を先に確認してください
- 久留米から東へ(日田・由布院方向)抜ける計画は、災害時に代替が効きにくい路線に乗ることになります。 久大本線は2017年7月の九州北部豪雨で花月川橋梁が流失して2018年7月14日に全線再開、2020年7月豪雨では豊後森〜庄内が被災して2021年3月1日に復旧しました。 隣の日田彦山線の添田〜夜明は鉄道として復旧せず、2023年8月28日にBRT「ひこぼしライン」(約40km・専用道約14km・停留所36か所)へ転換されています
- 中心市街(焼きとりとラーメン)、田主丸(ぶどう)、高良山は方向が違います。1日で全部は回りません
- 耳納山地の北麓は砂防工事が続く区域です。大雨のときは山側に入らないでください
土産はラーメンの生麺と、県内の餅菓子
出てくるのは2種類です。
1つは久留米ラーメンの取り寄せセットです。生麺と豚骨スープが入った2食や4食の箱で、ここで食べた系統をそのまま持ち帰る形になります。
もう1つは梅ヶ枝餅です。これは久留米のものではなく、同じ福岡県の太宰府の餅菓子で、冷凍で届くものがあります。 久留米で買う土産として並びますが、由来は別の土地だと分かって選んでください。
どちらも軽くはありません。買うのは最後に回してください。
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泊まると、夜の串と翌朝の山が手に入る
この1日で確実に落ちるのは夜です。
焼きとりの店は夜営業が中心で、酒のあとに豚骨ラーメンへ回る動線は日帰りでは組めません。 しかも九州新幹線は変更ダイヤが続いていて、終電の読みが立ちません。
泊まれば、翌朝そのまま高良大社の参道に向かえます。 平野を見下ろす時間を朝に置けるのは、泊まった人だけです。
宿は2つに分かれます。 市街側は久留米駅と西鉄久留米駅の周り、天神町・花畑・日吉町・通町あたりで、天然温泉の大浴場を持つ宿もあります。 もう1つは市街を出た田園側で、三潴町や田主丸町に温泉の宿があります。
夜の店に歩いて通うなら市街側、静かな朝が目的なら田園側です。

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