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旅行

雪道を歩く靴の選び方|つるつる路面で滑る仕組みと靴底の条件

公開: 2026-10-25 | #冬 #旅行 #雪道 #観光

冬の旅で転ぶかどうかは、雪の量ではなく路面の表面で決まります。

雪道で滑るのは氷そのものではなく、圧雪や氷の表面が0℃前後で薄く融けて水の膜になるからです。乾いた舗装なら0.45以上ある滑り摩擦係数が、氷板や氷膜では0.05〜0.15まで落ちます。

滑るのは氷ではなく水の膜

道路の上の雪氷は、新雪・こなゆき・つぶゆき・圧雪・氷板・氷膜・水べたゆきの7種類に分けられます(木下ほか、低温科学)。

このうち「つるつる路面」と呼ばれるのは3つです。氷膜は路面の水の膜が凍ったもので厚さ1mm未満、氷が薄く下の黒いアスファルトが透けるためブラックアイスバーンとも呼ばれます。氷板は厚さ1mm以上で、十数cmの分厚い氷板になることもあります。つるつる圧雪は、踏み固められた表面のごく薄い層が日射や車の放射熱、タイヤの摩擦で融け、積雪の下の0℃以下の層に冷やされて厚さ数mmの氷膜になったもので、外見は白く光沢があります。

滑り摩擦係数は、非常に滑りやすい圧雪で0.10〜0.20、氷板や氷膜で0.05〜0.15です。いずれも特に滑りやすいのは気温が0℃前後の比較的高いときで、凍っているのかいないのかの判断が難しく、冬の初めに転倒が多い傾向があります。

冬靴と呼べる靴の3条件

滑らない(防滑性)、濡れない(撥水性と防水性)、暖かい(保温性)。この3つをすべて備えた靴が冬靴です。

気をつけたいのは、靴底が固くて単に溝が深いだけの靴です。トレッキングシューズのような靴底はつるつる路面では滑ります。溝の深さだけでなく靴底のやわらかさが要ります。

滑りにくい靴底は4型

  • ピン・金具付き — 固い氷をひっかき、突き刺す
  • 深い溝 — ただし溝に雪が詰まると効かなくなる
  • 軟らかいゴム底 — 路面への接着力が強い
  • 滑り止め材入りゴム底 — ヤスリのように表面をひっかく

あらゆる路面に対応できる靴はないので、靴底の違う靴を2〜3足持って履き分けるのが現実的です。靴底は使うごとに劣化・消耗するので、履き替えれば消耗も和らぎます。靴修理店での張り替えは20〜30分で済みます。

手持ちの靴に足すなら着脱式

靴用アタッチメントには「つま先型」と「全面型」があり、それぞれ金属ピン付きとピンなしの2種類です。かかと面が狭い婦人靴にはつま先型、靴底が広くて平らなスニーカーや紳士靴には全面型が向きます。

ピン・金具付きの靴底も着脱式の金属ピンも、じゅうたんでつまづき、地下街や建物内のタイル床では逆に滑ります。屋内に入る前に必ず外します。

条件ごとの判断

あなたの条件どう動くか
気温が0℃前後で、前日に雨が降ったか日中プラスの気温があった特に滑りやすい条件。氷膜・氷板がある前提で、ピン・金具付きか着脱式を使い、小さな歩幅で足裏全体をつけて歩く。地下街のある区間へ迂回する
気温が低いまま下がり続け、雪が乾いて踏み固められているつるつる路面はできにくい。深い溝のある軟らかいゴム底で足りる。段差や階段の前で溝の雪を落とす
曇りで、濡れているのか凍っているのか見分けがつかない凍っている前提で歩く。氷膜は1mm未満で下の舗装が透けるため濡れて見える。横断歩道の白線は水が浸み込まず白線の上だけ凍ることがあるので踏まない
手持ちがスニーカーやトレッキングシューズだけ固い靴底に溝が深いだけでは滑る。現地で冬靴を買うか着脱式を足す。スニーカーや紳士靴は全面型、かかと面の狭い靴はつま先型
地下街や地下鉄、建物を何度も出入りする金属ピン付きはタイル床で逆に滑り、じゅうたんでつまづく。外せる着脱式にする。出入口そのものが人通りと段差があり転倒の多い場所
坂・交差点・駐車場や店の車の出入口を通る踏み固めとタイヤの摩擦で表面が磨かれている。砂箱があれば砂をまく(1平方メートルに500mlペットボトル1本が目安)
同行者に70代以上がいる、または転倒が不安厚めの毛糸の帽子をかぶり、荷物はリュックにして両手をあける。札幌市では80歳以上の搬送者の半数近くが中等症より重いけがになっている

砂箱の砂は塩分を含まない乾いた砕石で、大きさが揃っていて粗いため、雪や氷に刺さり込みます。砂袋は1.5kg入りと3kg入り、持ち運び用に350mlと500mlのペットボトル入りもあります。

その条件なら、ここへ行く

  • 札幌・小樽 冬の2泊3日モデルコース — 札幌市の転倒搬送はすすきの・大通地区に集中し、駅前通り沿いでは多く発生していません。地下街や地下歩行空間の整備が影響している可能性があり、迂回路を選べます
  • 小樽運河の歩き方 — 日中に融けた水が日没後に凍る時間帯を歩く行程で、氷膜の条件に正面から当たります
  • 函館の冬夜景2泊3日 — 坂の多い街です。再凍結した坂は傾斜のついたつるつる路面になり、靴底の差がそのまま出ます
  • 登別・地獄谷の散策 — 湯気と融け水で遊歩道が濡れ、気温が下がると氷膜になります。木道と階段があり、足裏全体をつける歩き方が効きます
  • 草津の雪見露天2泊3日 — 湯畑周辺の石畳が湯気と融雪で濡れ、0℃前後で凍ります。3条件のうち「濡れない」が効く行き先です
  • 銀山温泉ガイド — 川沿いの同じ道を何度も往復するので、つるつる圧雪ができる条件そのものです

歩き方と、滑りやすい場所

冬道は小さな歩幅でそろそろ歩き、足の裏全体を路面につけ、地面に垂直に踏み出して重心をやや前に置きます。左右の足の幅は適度に離れているほうがよく、目安は20センチ前後です。歩きはじめと、歩く速さを変えるときが要注意です。

滑りやすい場所は決まっています。横断歩道は踏み固めと車の熱による融け、タイヤの磨きと緩い傾斜が重なります。ロードヒーティングの切れ目は段差と部分的な凍結、地下鉄駅や地下街の出入口は人通りと段差、車の出入口の歩道も同じです。

つるつる路面ができる気象は2パターンです。積雪が十分ある状態で気温がプラスになりその後マイナスへ下がるか、真冬に雨が降ってその後マイナスへ下がるか。札幌市では、こうして転倒による救急搬送が非常に多い日がひと冬に数回発生しています。

服装

転ぶ前提で選びます。冬の転倒事故を調べた研究では、けがは頭部が最多で、次が脚部・腰部・足部の順、頭部と脚部で全体の70%を占めます。骨折と打撲が多く、70代以上のけがの約40%が骨折です。札幌市の転倒による救急搬送は1シーズンあたり1,300人台から1,800人台で、70代が最も多くなっています。

  • 衝撃を吸収する厚めの毛糸の帽子をかぶります
  • お尻をおおう長さのコートにします
  • 中綿は濡れにくく乾きやすい化繊かダウンにします。ウールと綿は濡れると乾きません(ダウンと中綿の違い)
  • 手提げではなくリュックにして、両手をあけます
  • 靴はブーツの選び方と北海道・冬旅の服装も見てから決めます

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