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旅行
上越・高田日帰りモデルコース|石垣の無い城と、約12kmの雁木
公開: 2026-10-24 | #上越 #高田 #日帰り #観光 #中部
上越市は新潟県の南西、日本海に面した市です。 東京から上越妙高まで北陸新幹線で約1時間50分、長野からは約20分。 上越妙高から高田までは、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインで6〜8分です。
同じ上越でも、妙高・赤倉は雪を滑りに行く土地です。 高田は雪を避けて暮らすために作り替えられた町で、城にも町並みにもその跡が形で残っています。
先に決めておく条件
- 三重櫓は真冬に休館する日が多いです。1月と2月は平日の多くが閉まり、開く日が週の終わりに寄ります。観桜会の期間とゴールデンウィークは無休です
- 三重櫓のライトアップは実施の期間が限られます。観桜会、ゴールデンウィーク、観蓮会の土曜・日曜・祝日、上越まつり、お盆、紅葉時期、年末年始だけです。2026年の紅葉のライトアップは11月1日から8日、紫色に照らすのは11月12日から25日で、いずれも日没から夜のあいだです
- 夜桜(約3,000個のぼんぼり)は観桜会の会期中で、かつ日没後です。会期は3月下旬から4月中旬ですが、開花で数日前後します
- 外堀の蓮の見ごろは7月下旬から8月中旬です(上越市)。観蓮会の会期は7月中旬から8月下旬で、花はほとんどが紅蓮、白蓮は部分的に混じります
- 春日山城史跡広場と春日山城跡ものがたり館は12月から2月末まで冬期休館です
- 山に入るならクマの用意が要ります。新潟県の「クマ出没警戒注意報」が2026年5月19日の発表以降続いています。クマ鈴の貸出は案内所ごとに期間が違い、期間外は自分で音の出るものを持ちます
- 医王寺薬師堂の国重要文化財「銅造如来坐像」の御開帳は5月5日だけです
- 5館共通入館券(上越市立歴史博物館・高田城三重櫓・小林古径記念美術館・日本スキー発祥記念館・坂口記念館)は最初に入館した日から1か月有効ですが、各館の休館日が揃いません。真冬は三重櫓が閉まる日に当たって回りきれません
- 四・九の市(大町4丁目)は午前のうちに立ち、売り切れ次第終わります。遠方から日帰りで来る時刻では間に合いません
いずれも年によって前後します。日付を決める前に、公式の案内で確かめてください。
1日の流れ
- 10:00
高田駅に着く移動
東京から上越妙高まで北陸新幹線で約1時間50分、乗り換えてえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインで6〜8分です。
- 10:30
高田城址公園へ歩く移動
面積は約50ha、駐車場は約850台。1614年に徳川幕府の天下普請として13の有力大名に割り当てられ、4か月足らずで築かれた城跡です。
- 11:00
三重櫓に上がる
1886年頃に取り壊され、1993年に復元されました。高さ14.5m、屋根瓦は24,380枚。真冬は休館する日が多いので先に確かめてください。
- 12:00
外堀を回る
関川の旧流路を使った堀で、広いところで幅約130m。春は約4,000本の桜、夏は約19haの蓮になります。
- 13:30
雁木通りを歩く移動
高田地区に現存する雁木は総延長約12km。庇の下は私有地なので、高さも舗装も一軒ごとに違います。
- 14:30
高田世界館を見る移動
1911年に芝居小屋「高田座」として開業し、1916年に常設映画館になりました。2011年1月26日に国登録有形文化財。高田駅から徒歩5分です。
- 15:30
寺町の浄興寺へ移動
本堂は1989年9月2日に国の重要文化財に指定されました。新潟県内の寺院建築では最大・最古の真宗寺院です。
- 16:30
高田駅から帰る移動
列車は概ね1時間に1〜2本で、昼間は30分から1時間空く時間帯があります。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
1614年に4か月足らずで建った城に、石垣が無い
数字から入ります。
高田城は慶長19年(1614年)、徳川幕府の天下普請として築かれました。 13の有力大名に普請が割り当てられ、伊達政宗が普請総裁となって、4か月足らずで完成しています。
そして石垣も天守閣も造られていません。
代わりにあるのは土です。 内郭は約72ha、本丸の土塁は総延長約1km・高さ約10mあります。
堀も新しく掘ったものではありません。 高田平野最大の河川である関川の旧流路を、そのまま外堀に使っています。
石を積まず、川を引かず、土を盛って4か月。 高田藩の石高は60万石(一説に75万石)で、藩主は八家が入れ替わりました。
城跡は昭和29年(1954年)2月10日に新潟県の史跡に指定されています。 公園の面積は約50ha、駐車場は約850台。 令和2年(2020年)4月1日に「高田公園」から「高田城址公園」へ改称しました。
幅130mの外堀が、春は桜の鏡で夏は蓮の畑になる
川の旧流路を使ったので、堀が異様に広いです。 広いところで幅約130mあります。
この水面が季節で2回働きます。
春は桜です。 明治42年(1909年)に在郷軍人会が2,200本を植えたのが始まりで、現在は公園とその周辺を含めて約4,000本あります。 高田城址公園観桜会の第1回は大正15年(1926年)で、2026年10月の時点で次回が第102回と決まっています。
夏は蓮です。 外堀の約19haを蓮が埋め、上越市も観光協会も「東洋一」と表現しています。 西堀北側の観蓮園では世界各種の蓮が見られます。
同じ水面です。 堀の広さが、そのまま花の面積になっています。
ソメイヨシノの寿命は一般に60年とされ、市が保全活動を行っています。
三重櫓は1993年の復元で、高さ14.5m・瓦24,380枚
いま建っているものは新しいです。
本丸御殿は明治3年(1870年)の火災で焼失し、三重櫓は明治19年(1886年)頃に取り壊されました。 現在の三重櫓は平成5年(1993年)の復元で、高さ14.5m、屋根瓦は24,380枚です(上越市の公式ページは「高さ15メートル程」と表記しています)。 極楽橋は平成14年(2002年)に木橋として復元されました。
つまり城の建物は、いちど失われてから戻されたものです。 一方で土塁と堀は1614年のまま残っています。
櫓に上がる前に土塁の線を目で追ったほうが、城の形は分かります。
雁木は約12km、庇の下は私有地
町に下ります。
高田地区に現存する雁木の総延長は約12kmで、上越市の文化振興課は日本一と書いています。
雁木は家の前に張り出した庇です。 「この下に高田あり」と高札が立つほどの雪に対して、冬も往来するために作られました。 松平光長の時代以降に造られたと考えられています。
ここが面白い点です。 雁木は母屋の一部で、庇の下は私有地です。
だから高さも舗装も一軒ごとに違います。 公共の通路ではなく、各家が自分の軒先を出し合って繋いだ結果が12kmになりました。
市は景観条例の「景観づくり重点区域」に指定して建て替えを規制しています。 大町五丁目地区は約4.8haで、雁木の有効幅員1.5m以上、形態は落とし式を基本、構造は木造を基本。 南本町三丁目地区は約1.2haで、有効幅員1.3m以上、雁木灯は3,000K以下の電球色です。 いずれも着手の30日前までに届出が必要です。
町ごとに業種が決められていた
雁木通りを歩くと、辻に標が立っています。 高田開府400年を機に、旧町名の辻標が40本以上設置されました。
城下町高田はおよそ40の「個別町」からできています。 小町三町(本町4〜6丁目)だけが問屋町、魚類の取り扱いは田端町だけ、という形で業種が町ごとに統制されていました。
町を貫くのは北国街道です。 中山道の追分宿から分岐し、高田を経て出雲崎に至る、五街道に次ぐ脇往還で、佐渡鉱山の金銀を江戸へ運ぶ道でした。
辻標を読むと、どの町が何をしていたかが分かる作りになっています。
1911年に芝居小屋として建った映画館が、いまも開いている
高田駅から徒歩5分に高田世界館があります。
明治44年(1911年)に芝居小屋「高田座」として開業し、大正5年(1916年)に「世界館」と改称して常設映画館になりました。 平成21年に一度閉館しましたが、いまはNPO法人街なか映画館再生委員会が運営する現役の映画館です。
平成23年(2011年)1月26日に国登録有形文化財に登録されました。 木造2階建で瓦の一部は鉄板葺、建築面積331平方メートル、正面15m・奥行23mです。
同じ明治44年に、もう1つ別のことが起きています。 1911年1月12日、高田の陸軍第13師団で日本初の本格的なスキー指導が行われました。 オーストリア・ハンガリー帝国のレルヒ少佐(1869〜1945)が長岡外史師団長の要請で約1年滞在し、2本のストックを使わない一本杖スキー術を伝えています。 上越市は「日本スキー発祥の地」、同じ1月12日は「スキーの日」になりました。 金谷山には昭和5年(1930年)の「大日本スキー発祥之地碑」があります。
雪の多い師団の町に、芝居小屋とスキーが同じ年に来たということです。
寺町に66の寺が並ぶ
高田駅から徒歩7分の浄興寺を含む一帯が寺町です。
えちごトキめき鉄道の沿線ガイドは、寺町に66もの寺が連なり、高田城築城の際に城の防衛のために集められたともいわれる、と書いています。
浄興寺本堂は平成元年(1989年)9月2日に国の重要文化財に指定されました。 新潟県内の寺院建築では最大・最古の真宗寺院です。
称念寺の木造一鎮倚像と善導寺の木造善導大師立像も国の重要文化財で、享保15年(1730年)建立の高田別院は山門・塀・本堂・鐘楼が国の登録有形文化財です。
1月の日照は62.4時間、雪の日は25.2日
町の形の理由は数字で出ています。
高田の平年値(1991〜2020年)は、年降水量2,837.1mm、年平均気温13.9℃、年降雪量413cm、年最深積雪96cm。 1月だけで降雪171cm、最深積雪79cm、日照時間は62.4時間です。 1日あたり2時間ほどしか日が差しません。
雪の日は年81.3日で、うち1月が25.2日(2007〜2020年)。 気象庁の高田観測地点の歴代最深積雪は377cm(1945年2月26日)、2位375cm(1927年2月9日)、3位374cm(1945年1月24日)で、統計は1922年1月からです。 ひと冬の降雪の合計は1986寒候年の1,494cmが最大、月では1985年1月の728cmが最大です。
冬の雷も多いです。 雷日数は年39.8日(参考値、1991〜2007年)で、12月に7.1日、1月に6.5日。 冬型の日は海側で雷と突風が起こりやすくなります。
石垣の無い城、幅130mの堀、12kmの庇。 出どころは全部この数字です。
列車とバスの前提
実務です。
東京から上越妙高までは北陸新幹線で約1時間50分、長野から約20分。 名古屋からは中央本線で長野まで約3時間、そこから新幹線で約20分。大阪からは敦賀まで約1時間20分、新幹線で約1時間50分です。
東京から高田駅前に入る高速バスは、当面の間、全便運休です(頸城自動車・上越観光Navi)。 金沢から約2時間40分、富山から約1時間50分、長野から約1時間30分のバスはありますが、停まるのは北陸自動車道の「木田」停留所で、高田や直江津の市街ではありません。予約が必要です。
市内の移動は妙高はねうまラインです。 上越妙高〜高田は6〜8分(南高田を挟んで2駅)、直江津〜高田は9〜10分、春日山〜高田は4〜5分。 高田駅の本数は2026年10月24日時点で上下合わせて58本、概ね1時間に1〜2本で、昼間は30分から1時間空く時間帯があります。
高田駅から歩いて届く範囲はこうです。 高田世界館5分、高田小町5分、浄興寺7分、瞽女ミュージアム高田8分、お馬出しの辻15分、旧師団長官舎15分、上越市立歴史博物館20分。 雁木通りを歩くなら高田駅を起点にすれば足ります。
高田城址公園へは上越妙高駅から車で15分、高田駅から車で10分、直江津駅から車で20分。 北陸自動車道上越ICから20分、上信越自動車道上越高田ICから15分で、駐車場は約850台です。
春日山城跡は徒歩前提の駅ではないので、春日山駅からタクシーで10分を見ます。 観光案内所は高田駅前と直江津駅前にあり、南高田と北新井は無人駅で窓口がありません。
混むのは4月だけ
混雑は季節に極端に偏ります。
令和6年(2024年)の上越市の観光入込客数は3,183,154人で、前年比はマイナス1.2%。 そのうち4月だけで654,000人、年間の20.5%です。 市も「4月の入込客数が突出して多い点が上越市の特徴であり、高田城址公園観桜会の影響によるところが大きい」と分析しています。
最も少ないのは1月の76,000人(2.4%)と12月の80,000人(2.5%)です。
桜を見るなら4月、城の構造と町並みを見るなら4月以外、という分かれ方になります。
お土産は米の菓子になります
高田平野は米の土地です。 持ち帰るものも米から出ています。
1つは笹だんごです。 米粉の生地を笹で包んだ和菓子で、つぶあんとこしあんが選べます。 冷凍で届くものがあり、日持ちを気にせず送れます。
もう1つは米菓です。 新潟の米で作るあられ・おかき・せんべい、それに柿の種。 詰め合わせなら、黒豆せんべいやえびのおかきのように味の違うものが一度に入ります。 柿の種はわさび醤油や柚子胡椒風味のように味を分けたものがあり、わさびの薄焼きせんべいもあります。
どちらも米を加工して日を持たせたものです。
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泊まると、夜と朝が1回ずつ取れます
日帰りで落ちるのは夜と朝です。
ライトアップが点くのは日没より後です。観桜会の夜桜も、約3,000個のぼんぼりが灯ってからが本番になります。 四・九の市が立つのは午前のうちで、売り切れ次第で終わります。 夜のものと朝のものが、半日以上離れています。
上越市の宿泊調査でも1泊が過半です。 令和6年の宿泊者数は599,679人泊で、1泊が132,828人泊に対し2〜3泊は46,782人泊、4泊以上は11,264人泊。 高田は1泊で夜と朝を1回ずつ取る町として使われています。
宿は3方向に分かれます。 高田の町なか(本町のあたり)に取れば、夜のライトアップと翌朝の市に歩いて行けます。 上越妙高駅の西口には駅前のホテルが並び、新幹線の到着と発車に合わせやすいです。 日本海沿いの大潟区や柿崎区には温泉の宿があり、海と湯を目当てにするならそちらになります。
※料金は取得時点の最低料金の目安です。プラン・日程により変わります。
服装と持ち物
- 公園と町並みを歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 雁木の下は一軒ごとに高さと舗装が違います。段差を踏める靴で
- 冬は雪が積みます。1月の降雪171cm・最深積雪79cmが平年値です。防水の靴と手袋を
- 1月の日照は62.4時間しかありません。暗い前提で、明るい色を1枚
- 冬型の日は雷と突風があります。傘より撥水の上着が確実です
- 土塁や山の道を歩くなら、滑りにくい底のものを

