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旅行
山鹿1泊2日モデルコース|2月の金・土だけ灯る街道
公開: 2026-10-24 | #山鹿 #熊本 #1泊2日 #温泉 #九州
山鹿に泊まる理由は2月の夜です。
山鹿灯籠浪漫・百華百彩。2月の金曜と土曜の夜だけ、豊前街道の八千代座からさくら湯までの区間が、和傘と竹灯りのオブジェで埋まります。第24回は2026年2月6日から28日でした。
点灯は18時、22時まで。八千代座では山鹿太鼓と山鹿灯籠踊りの共演が20時30分に始まり、約60分で21時半に終わります。
山鹿には鉄道の駅がありません。熊本桜町バスターミナルまで九州産交バスで約70分かかります。
灯りが消えるまで街道にいて、公演も見るなら、泊まる以外の組み方がありません。
夜と日付で決まること
- 灯るのは2月の金曜と土曜の夜だけです。第24回は2026年2月6日〜28日でした。平日に行っても街道は暗いままです。第25回の日程はまだ出ていません
- 八千代座の共演は20時30分に始まって約60分、21時半に終わります。灯りはそのあと22時まで残るので、宿は街道の徒歩圏が前提になります
- 2月以外に泊まるなら、昼の八千代座が軸になります。「八千代座物語〜山鹿灯籠踊り定期公演〜」は小屋の見学と灯籠踊りの鑑賞を組んだ不定期のプログラムで、10時30分開演・約60分。2026年は10月26日・10月29日・12月24日などに入っています
- 夏の山鹿灯籠まつりは8月15日・16日です。ただし2026年は7月28日の令和8年熊本地震で中止が出ました。8月15日の花火大会と8月16日の千人灯籠踊りが止まり、大宮神社の神事だけが行われました。2027年以降の形は決まっていません
- 奉納された灯籠は翌年の祭りまで大宮神社で通年展示されます。祭りを外した日程でも、実物は2日目に見られます
- 鞠智城の復元建物に入ることはできません。見るのは外側だけです。散策路は最長ルートで1時間かかるので、日の高いうちに着いておく必要があります
- 横山地区の見学ツアーは、熊本県立装飾古墳館が開いている時間に館で申し込みます
- チブサン古墳の石室に入るには山鹿市立博物館での事前予約が必要で、最奥の室は窓越しになります。道が狭いので、大型車では現地まで行きづらいです
- 枡席と花道を見られるのは公演が入っていない時間だけです。八千代座とさくら湯には休館日があるので、2日目の朝の組み方はここを先に確かめてから決めてください
- 秋に泊まるなら栗です。やまが和栗の集荷は丹沢の8月20日に始まり、利平で10月中旬に終わります。ピークは9月下旬。和栗スイーツフェアは9月1日〜11月30日、菊鹿ワイナリーの収穫祭は2026年は10月24〜25日です。鞠智城の紅葉も秋です
- 4月は山鹿温泉祭、12月は温泉復活感謝祭があります
1日目
- 12:30
山鹿バスセンターに着く移動
熊本桜町バスターミナルから九州産交バスで約70分。市内に鉄道駅は1つもないので、終点はこのバスセンターです。
- 13:10
鞠智城跡を歩く移動
大宰府を守る北部九州の城郭のうち最南の城で、大宰府から60km。公園は55ヘクタールあり、散策路は最長ルートで1時間です。復元建物は外観のみです。
- 14:40
熊本県立装飾古墳館に寄る移動
安藤忠雄の設計で、復元石室が12基。一部はリモートカメラで内室を間近に見られます。横山地区の見学ツアーは館での申し込みが必要です。
- 16:00
山鹿灯籠民芸館で灯籠の構造を見る移動
館は大正時代に建てられた旧銀行の建物です。灯籠は中が空洞で、大きなものは製作に数か月かかり、現役の灯籠師は10人足らずです。
- 17:00
山鹿温泉の宿に入る
市街の宿は豊前街道沿いで、八千代座とさくら湯が徒歩圏です。
- 18:00
豊前街道で百華百彩の点灯を見る
2月の毎週金・土曜の夜だけ、八千代座からさくら湯までの区間が和傘と竹灯りで埋まります。18時点灯で22時まで。第24回は2026年2月6日〜28日でした。
- 20:30
八千代座で山鹿太鼓と山鹿灯籠踊りを見る
百華百彩の開催夜だけの共演で、20時30分開演・約60分。終演は21時半です。
- 22:00
灯りの残る街道を宿へ戻る
灯りは22時まで。熊本桜町行きのバスは約70分かかるので、ここまで見るなら泊まる以外の組み方がありません。
2日目
- 08:00
さくら湯で朝湯に入る
1640年のお茶屋に始まり、1872年に町民の湯へ。1973年の解体を経て2012年に木造で再建された九州最大級の木造温泉施設です。湯はアルカリ泉質です。
- 09:30
八千代座の小屋を見る
廻り舞台は直径8.45m、舞台は間口13.38m×奥行10.50m。枡割りと花道は公演がない時間だけ歩けます。1988年12月19日に重要文化財に指定され、劇場建築としては全国3番目です。
- 10:40
金剛乗寺に寄る
9世紀を始まりとする山鹿最古の寺院とされ、空海の創建と伝わります。豊前街道の徒歩圏です。
- 11:20
大宮神社で奉納灯籠を見る
8月16日の上がり燈籠で奉納された灯籠が、翌年の祭りまで通年展示されます。祭りの時期を外しても実物が見られます。
- 13:00
不動岩を見る移動
蒲生山にある3本の石柱で、最も高いものは高さ80m、基部の周囲は100m。5億年以上前の古生代に形成された斑れい岩を含みます。
- 14:10
チブサン古墳を見る移動
墳丘長44mの前方後円墳で、玄室の壁画は赤・白・黒の3色。石室内部は事前予約制で、アクセス道は狭く大型車では現地まで行きづらいです。
- 15:30
山鹿バスセンターから帰る移動
新玉名駅までバスで約50分、熊本桜町バスターミナルまで約70分です。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
八千代座を、夜と朝で2回使う
泊まりの取り分はここです。
1日目の夜は客席に座ります。百華百彩の期間は、八千代座に山鹿太鼓と山鹿灯籠踊りの共演が入ります。20時30分開演、約60分です。
2日目の朝は、小屋そのものを見ます。客席平場の枡割り、花道、廻り舞台。 廻り舞台の直径は8.45m、舞台は間口13.38m×奥行10.50m、プロセニアムの高さは4.256mです。
枡席に座ったり花道を歩いたりできるのは、公演がない時間だけです。 同じ建物を、客席として1回、構造として1回使えます。 これは夜と朝に分けられる側だけの話です。
もう1つ、朝に回す理由があります。客席の周りの小壁と、天井の格間。ここに建設当初の極彩色の広告画が復元されています。 出資した町の店の広告で、字も絵も細かいものです。灯りを落とした公演中には見えません。
建物の来歴も朝に効きます。1970年に閉館し、1980年ごろから草の根の復興運動が起こり、1988年12月19日に国の重要文化財に指定されました。劇場建築としては全国で3番目です。 1996年から2001年にかけての「平成の大修理」を経て、2001年に現役の芝居小屋に戻りました。
1日目の午後を史跡に使う理由
逆にすると落ちるものがはっきりしています。
鞠智城・熊本県立装飾古墳館・チブサン古墳は、いずれも山鹿市街から離れていて車が前提です。鞠智城は車約20分、装飾古墳館は車約10分、チブサン古墳は車10分未満です。
このうち時間を食うのは鞠智城です。復元建物は外観だけの見学で、散策路は最長ルートで1時間。暗くなると見るものがありません。
これを2日目に回すと、灯りの翌朝に車の移動が入ります。すると八千代座の小屋見学と大宮神社の奉納灯籠が落ちます。 遠くて日が要るものを先に、歩けるものを後に。 山鹿の2日はこの順番で固定されます。
1日目の鞠智城で見るのは、兵站の構造です。7世紀、唐と結んだ新羅との緊張のなか、大和朝廷が築きました。 大宰府を守るために北部九州に築かれた城郭のうち最南で、大宰府からは60km。敵の攻撃から最も遠い位置を生かし、他の城に食料・武器・兵士を送る側に回りました。
復元の根拠は発掘です。72棟の建造物の遺跡が見つかり、楼や倉が復元されました。公園の面積は55ヘクタール。 八角形鼓楼は高さ15.8m、瓦屋根の重さは約76トンです。高床式米倉は校倉造りで、断面が三角形の木材が倉のなかの湿度を調節します。
装飾古墳館は安藤忠雄の設計で、復元石室が12基。 現地のチブサン古墳は石室が事前予約制で最奥の室が窓越しなので、壁画を正面から見るのはこの館です。
紙の構造を昼に見てから、夜の街道へ出る
山鹿灯籠の材料は、和紙と少量の糊だけです。木も金具も入りません。 中は空洞で、細長い紙切れを貼り合わせながら建物や鎧の形にしていきます。2013年に日本の伝統的工芸品の指定を受けました。
これを知らずに夜の街道を歩くと、ただ明るいだけです。
だから1日目の夕方に山鹿灯籠民芸館を入れてあります。大正時代に建てられた旧銀行の建物で、ロマネスク風の外観と内部構造の多くが原形を保ち、2002年に有形文化財に指定されました。 大きな灯籠には数か月の細かい作業が必要で、現役の灯籠師は10人足らずです。
紙と糊だけで組んだ中空の形を昼に見ておくと、夜の灯りが何を透かしているのか分かります。
夏の祭りも同じ灯籠です。8月15日・16日のまつりは来場10万人超で、由来は景行天皇が菊池川沿いを進んで困っていたとき、山鹿の村民が松明を掲げたという伝説です。 8月16日の「上がり燈籠」で大宮神社に奉納された灯籠は、翌年の祭りまで通年展示されます。
朝のさくら湯は、町が2度作り直した湯
2日目を湯から始める理由は、朝に入れるのが泊まった側だけだからです。
始まりは1640年、肥後藩主の細川忠利が山鹿温泉を気に入り、現在地にお茶屋を造りました。支配階級専用の施設です。
いまの建物は2012年にできた新築です。1973年に木造のさくら湯が取り壊され、跡地は鉄筋コンクリートの再開発ビルになりました。 山鹿市はそのビルの解体撤去と木造公共温泉の再建を歴史まちづくり計画に位置づけ、木造で建てるために建築審査会の協議を経て準防火地域の指定を外し、総工費の一部は入湯手形・観光手形の発行で集めました。九州最大級の木造温泉施設です。
その前の作り直しは1872年です。明治維新で大名が領地を手放したあと、江上津直と井上甚十郎が多額の寄付をし、お茶屋を町民全員が使える公衆浴場に改めました。 1898年には道後温泉を手がけた棟梁を招いて大規模に改修し、昭和の最盛期には1日4,500人を収容しています。
2度作り直して、2度とも金を出したのは町の側です。 八千代座を建てたのも町の商工組合でした。同じ町の同じ型です。
アルカリ泉質の湯で、上がったあとの肌がすべすべになります。 15世紀には温泉が長く枯れ上がった時期があり、その復活を記念する温泉復活感謝祭が毎年12月にあります。
米の余力が、2日分の並び方を決めている
2日で回るものは、ばらばらの史跡ではありません。
菊池川は阿蘇外輪山の菊池渓谷に源を発し、71kmを蛇行して有明海に注ぎます。 日中は暖かく夜間は比較的寒い盆地気候が稲に向き、紀元ごろの稲作の痕跡が流域の遺跡から出ています。
作り方は3回変わりました。8世紀の正方形の区画、17世紀以降の「井手」という用水路、20世紀初頭の暗渠排水技術です。
江戸時代、この米は「肥後米」として幕府の神饌に使われ、大阪の堂島米会所で日本一に格付けされました。 菊池川は交易の水路、豊前街道は熊本城から小倉港まで延びる参勤交代の本道で、山鹿はその宿場です。
2017年、菊池川流域は日本遺産「米作り、二千年にわたる大地の記憶」に認定されました。構成文化財は33件、菊池市・玉名市・山鹿市・和水町の4市町です。
1日目は米を守る側、2日目は米で稼いだ側です。 鞠智城の兵站と古墳の装飾が前半、湯と芝居小屋と灯籠が後半になります。
流域には稲の節目の儀礼も残ります。台風シーズン前に稲を嵐から守る風鎮祭は7月から8月上旬、冬は稲わらで馬を作って牛馬の健康を祈ります。 神社の神楽は田植えの春・台風前の夏・収穫前の初秋・収穫後の年4回です。
夜の食卓にも、米の余力が出る
江戸時代の菊池川流域は、酒造りの黄金時代でした。得意としたのは甘口の「赤酒」で、冠婚葬祭や正月に飲む酒として残っています。米が余るから酒になります。
平野の縁の丘陵は果樹に回りました。菊鹿町のぶどうを使った菊鹿ワインがあり、ワイナリーは10月下旬に収穫祭を開きます。2026年は10月24〜25日です。
山の側はたけのこです。山鹿市のたけのこの生産量は熊本県内1位で、鹿北町が産地。隣接する福岡県八女市と連携したPRも行われています。
秋は栗です。やまが和栗は鹿本農協のクリ部会がブランド化して全国に出荷し、2025年の出荷見込みは360トンで、例年より約2割多い量でした。 早生の丹沢が8月20日に始まり、筑波・銀寄・利平と替わって10月中旬まで。ピークは9月下旬です。
平野は米、縁の丘はぶどう、山は竹と栗。 高さで分かれています。
鉄道が無いことが、この行程の前提
実務の注意です。
- 鉄道は市内を1本も通っていません。山鹿駅は1923年12月31日に鹿本鉄道として開業し、山鹿温泉鉄道として1965年2月4日に全線廃止されました
- 入り方は乗り継ぎです。JR熊本駅から九州新幹線約10分のJR新玉名駅へ出て九州産交バス約50分、または熊本桜町バスターミナルから約70分。 博多からなら新幹線で約40分の新玉名駅に出て、同じバスで約50分です
- 福岡空港からは高速バス「ひのくに号」約70分で菊水ICに降りてタクシー約15分、または約80分で植木ICに降りてバス約30分。 阿蘇くまもと空港からは、バス約40分の桜町バスターミナル経由でさらに約70分です
- 車なら熊本IC→植木IC→国道3号で約30分、太宰府IC→菊水IC→県道16号で約70分。1日目の鞠智城と装飾古墳館は車が前提です
- バスの本数は確認が取れていません。2日目の帰りの乗り継ぎは、行く前に確かめてください
- 灯りは22時まで、八千代座の公演の終演は21時半です。桜町行きのバスは約70分かかります。夜を最後まで使うなら、宿は豊前街道の徒歩圏に取ってください
- 2026年7月28日の令和8年熊本地震で、2026年の山鹿灯籠まつりは8月15日の花火大会と8月16日の千人灯籠踊りが中止になりました。 山鹿市は住宅被害を受けた住民向けの応急修理制度・市営住宅の無償提供・義援金の受付を、2026年9月から10月に案内しています
- ただし2026年10月下旬の時点では、八千代座・さくら湯・山鹿探訪なび・山鹿市公式に観光施設の休館の告知は出ていません。 八千代座の催し物案内は、2026年11月分まで通常どおり出ています
- 運転を再開した区間もあります。JR鹿児島本線は宇土〜八代が2026年10月10日、肥薩おれんじ鉄道は八代〜肥後田浦が2026年10月13日です。 どちらも熊本より南で、山鹿へ向かうルートより南側の区間です
土産は和栗の菓子と、熊本の麺
2日目の荷物はここでまとまります。
栗は菓子で持ち帰ります。冷凍のモンブランは熊本産の和栗を使ったものです。生の栗は10月中旬で集荷が終わるので、時期を外すなら菓子のほうが確実です。
いきなり団子は熊本の蒸し菓子です。輪切りのさつまいもと餡を生地で包んだもので、栗・くるみ・小豆・紫芋・よもぎの5種を詰めた箱が出ます。
太平燕は熊本の麺料理で、麺の代わりに春雨が入ります。発祥の店の味を引き継いだ製麺所のセットと、チキン味の詰め合わせが並びます。2026年の地震からの復興支援を掲げたものもあります。
乾物のセットは1日目に買えます。冷凍のものは帰る直前に回してください。
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宿は豊前街道の徒歩圏に取る
山鹿の宿は3か所に分かれます。
市街の山鹿温泉は豊前街道沿いで、八千代座とさくら湯が徒歩圏です。北西の平山は山あいの温泉宿、東の菊鹿町は里山の宿です。
2月の百華百彩を目的にするなら市街です。灯りは22時まで、八千代座の終演は21時半。 歩いて帰れる距離かどうかが、そのまま夜の長さになります。
2日目の朝にさくら湯と八千代座を続けて入れられるのも、市街に泊まった場合だけです。
灯りを外した日程なら、平山や菊鹿の宿が効きます。市街から離れるので夜は静かです。

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服装と持ち物
- 1日目は鞠智城の散策路を歩きます。最長ルートで1時間。歩けるきれいめスニーカーで
- 2月の夜は街道で立ち止まる時間が長くなります。足元から冷えるので、厚手の靴下と手袋を
- 八千代座の客席は平場の枡席です。長く座るので、動きやすい服で
- 夜の街道と2日目の古墳は暗い場所と足元の悪い場所があります。小さな明かりを1つ
- 朝のさくら湯に入るなら、濡れたものを入れる袋を1つ
- 2日目は不動岩と古墳で土の上を歩きます。靴底の溝が深いものを

