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旅行
四万十1泊2日モデルコース|松明を振る夜の漁は、泊まった人だけ
公開: 2026-10-24 | #四万十 #西土佐 #1泊2日 #観光 #四国
四万十で泊まる理由は、夜です。
アユの火振り漁は、夏の終わりから秋の初めの夜に行われます。 船上で燃える松明を振り回して、アユを網へ追い込む漁です(国交省の多言語解説)。昼の屋形船では見られません。
日没後に川へ出られるのは、泊まった人だけです。
同じ理由で、一條大祭(11月22〜24日)の御神火提灯行列も、お盆を締めくくる大文字の送り火も夜の行事です。
行く前に水位と道で決まること
- 沈下橋は増水で水没します。欄干は一切ありません。濡れた路面・強風・夜間は危険で、大雨の前後は近づかないでください
- 2日目に走る国道441号は異常気象時通行規制区間です。口屋内〜中半の約9kmは大型観光バスが通れず、離合も困難です。観光シーズンは渋滞します
- 火振り漁は夏の終わりから秋の初めの夜だけです。松明の火が見えるのは月のない暗夜で、近年はLEDライトを使う船もあります。観光向けの夜の遊覧船で本来の松明が使われることもあります
- 屋形船は要予約です。増水や荒天では欠航しえます(基準は確認できませんでした)
- 四万十市観光協会は2026年10月2日に「佐田トンネル修繕工事に伴う交通規制」を告知しています。内容と期間は確認できていないので、車で佐田沈下橋へ向かう前に告知を見てください
- 入田ヤナギ林の菜の花は2月下旬〜3月中旬です。直前の菜の花まつりは2026年2月28日〜3月15日で、期間中の土日に地域物産の販売と会場内の案内がありました。次の会期は公表を待つことになります。曼珠沙華は9月下旬〜10月上旬です
- 「しまんトロッコ」は土曜・休日の運行です。トロッコ車両に乗れるのは四万十川沿いの区間だけで、窪川発の1号は土佐大正→江川崎、宇和島発の2号は江川崎→土佐大正。座席指定券が別に必要です
- 予土線は2023年度の平均通過人員260人/日で、JR四国で最少の線区です。江川崎を鉄道で組むと、本数の制約が非常に大きくなります
- 一條大祭には専用駐車場がありません。中村駅から徒歩約20分です。2026年は観光協会が御神火授与式の拝観ツアーを事前申込で募っています
- アユの漁期は夏季と秋季、天然スジアオノリの収穫は2〜4月です
1日目
- 11:00
中村駅に着く移動
高知駅から特急で約1時間40分〜2時間。窪川から西は土佐くろしお鉄道です。
- 11:40
赤鉄橋を渡る移動
長さ500m・2車線の八連の赤いトラス橋。1918年に生徒を乗せた渡船が転覆して11名が亡くなった事故のあと、架橋が始まりました。
- 12:40
三里乗船場から屋形船に乗る移動
三里沈下橋をくぐって佐田沈下橋付近まで行き、戻る標準コースで所要約50〜60分。要予約です。
- 14:00
佐田沈下橋に立つ移動
全長291.6m、四万十川で最も長く河口に最も近い沈下橋です。中村中心部から約6km、車で約15分。
- 15:30
入田ヤナギ林の河原に下りる移動
川沿い約4kmのヤナギの自然林です。菜の花の群落は約10haで2月下旬〜3月中旬、曼珠沙華は9月下旬〜10月上旬。
- 17:00
中村の宿に入る
宿は中村の市街と駅前に集まります。川のそばは佐田の近くと河口の下田に少数です。
- 19:30
日が落ちてから川へ出る
火振り漁は夏の終わりから秋の初めの夜の漁です。松明を振ってアユを網へ追い込みます。近年はLEDライトを使う船もあります。
2日目
- 08:00
中村の宿を出て国道441号を北へ移動
西土佐へ向かう道は国道441号だけです。口屋内〜中半の約9kmは大型観光バスが通れず、離合も困難です。
- 09:30
岩間沈下橋を見る移動
2017年11月に橋脚が沈下して路面がV字に陥没し、全面開通は2021年4月末。沈下から3年5カ月です。中村から北西約30km。
- 11:00
口屋内に寄る移動
木材輸送の拠点でした。2009年2月12日選定の重要文化的景観は、黒尊川区域・四万十川下流区域・四万十川河口区域の3区域です。
- 12:30
江川崎で昼をとる移動
2013年8月12日に日最高気温41.0℃を観測し、当時の国内最高記録を更新した場所です。
- 14:30
トンボ自然公園に下りる移動
1985年に事業を始めた世界初のトンボ保護区です。記録種は当初の60種から81種に増えました。
- 16:30
中村駅から帰る移動
高知方面の特急は本数が限られます。時刻は出発前に確かめてください。
- 時刻は目安です。列車やバスのダイヤは改正で変わるため、出発前に各社の時刻表でお確かめください。
1日目を下流、2日目を上流にする理由
順番に理由があります。
1日目は中村から動きません。四万十川の最下流で、川と後川に挟まれた平野です。 2日目に国道441号を北へ上がって、西土佐の岩間・口屋内・江川崎に入ります。
逆にすると、夜が消えます。
西土佐は中村から30〜40km離れていて、道は国道441号しかありません。 口屋内〜中半の約9kmは離合困難な狭隘路で、異常気象時通行規制区間でもあります。
初日に上流へ入れば、戻るのは日が落ちてからです。 暗くなった狭隘路を30km以上走って帰る夜に、川へ出る余裕はありません。
もう1つあります。 下流で水の集まった姿を先に見て、翌日に水が来る側へ上がると、流域の形が逆から見えます。
その形を、数字で押さえておきます。
四万十川は津野町の不入山(標高1,336m)に源を発し、幹川流路延長196km、流域面積2,186km²。 流域は山地が約95%、農地が約4%、宅地等が約1%で、上流域の年平均降雨量は約3,000mmです(国交省四国地方整備局)。
流域内の人口は約9.4万人、想定氾濫危険区域内の人口は約2.5万人。 国が直轄管理する52.9kmの区間では、一般資産額の9割以上が具同・古津賀を含む3地区に集まっています。
1日目に歩くのは、流域の水と資産が同時に集まる場所です。
平成16年・17年・19年・21年の台風で家屋の浸水が起きています。 堤防には漏水の頻発する箇所、断面の足りない区間、無堤の区間が残ります。
1日目の中の順番(船・橋・河原)
1日目の中も、並べる順に理由があります。
はじめに赤鉄橋を渡ります。長さ500m・2車線の八連の赤いトラス橋で、1918年に生徒を乗せた渡船が転覆して11名が亡くなった事故のあと、架橋が始まりました。 500mの橋が要ったという事実が、この川の幅です。
次に三里乗船場から屋形船に乗ります。三里沈下橋をくぐって佐田沈下橋付近まで行き、戻る標準コースで所要約50〜60分。要予約です。
そのあとに佐田沈下橋へ上がります。全長291.6m、四万十川で最も長く、河口に最も近い沈下橋。中村中心部から約6kmです。
船で橋げたの下を抜けたあとに、同じ橋の上へ立つ順番です。 先に橋の上に立つと、水面から見上げる低さが比べられなくなります。
戻り道に入田ヤナギ林の河原へ下ります。 川沿い約4kmのヤナギの自然林で、重要文化的景観の河口区域(入田から河口まで約13.5km)の上流端にあたります。
夕方に宿へ入り、日が落ちてから川へ戻る
1日目の終わりが、この行程の主題です。
火振り漁は夜の漁です。船上の松明を振り回し、驚いたアユを網へ追い込みます。 近年はLEDライトを使う船もあります。松明の火が見えるのは、月のない暗夜です。
アユは寿命が約1年で、秋に下流の汽水域へ戻って産卵します。 だから漁期は夏季と秋季に限られ、火振り漁は夏の終わりから秋の初めに置かれます。
一條大祭の御神火提灯行列は11月22〜24日の3日間です。 お盆を締めくくる大文字の送り火は年1回で、十代地山の山腹に松明で「大」の字を描きます。国交省の解説は時期を7月中旬と記しています。
どれも日没後です。中村に宿を取る意味は、ここに集まります。
2日目、岩間沈下橋は3年5カ月通れなかった
2日目の最初が岩間沈下橋です。中村から北西約30kmです。
2017年11月、橋脚が沈下して路面がV字に陥没しました。 応急対策を経て2019年11月に補修へ着手しますが、2020年3月に新たな橋脚の沈下が起きます。全面開通は2021年4月末。沈下から3年5カ月です。
補修は景観を損なわない当て板工法で行われ、四万十市は第5回インフラメンテナンス大賞の国土交通大臣賞を受けました。 地域住民は交流拠点「岩間四万十茶屋」と駐車場を整えています。
生活の道だから、3年5カ月かけて直りました。
1930年代から1950年代に住民が自力で架けた橋の多くは、いまも両岸の集落をつなぐ道です。
口屋内は、木材を出す場所だった
岩間から上流に進むと口屋内です。
四万十市域の川沿いは「四万十川流域の文化的景観 下流域の生業と流通・往来」として、2009年2月12日に重要文化的景観に選定されています。 構成は黒尊川区域・四万十川下流区域・四万十川河口区域の3区域です。
口屋内は木材輸送の拠点でした。河口の下田は中世からの積み出し港です。
山が約95%の流域で、運び出せるものは木でした。 道が引けない谷では、川が道でした。 材を出した上流の拠点と、積み出した河口の港が、2日の両端に分かれて残っています。
江川崎の41.0℃は、水の多い流域で記録された
さらに上流が江川崎(四万十市西土佐)です。
2013年8月12日、ここで日最高気温41.0℃が観測され、当時の国内最高記録を更新しました。 それまでの国内最高は、2007年8月16日の熊谷・多治見の40.9℃です。
江川崎の統計開始は1977年。同年8月12日までに、アメダス106地点で日最高気温の記録が更新されています(気象庁報道発表)。
いまの国内歴代1位はこの記録ではありません。2025年8月5日の伊勢崎41.8℃です。
上流域の年平均降雨量が約3,000mmある流域に、当時の最高気温の記録があります。 盛夏にここへ上がるなら、酷暑を前提に組んでください。
菜の花は、アユの産卵場をつくった副産物
1日目に下りた入田ヤナギ林の河原の話です。
あの菜の花畑は、観光のために作られたものではありません。
アユの産卵に適した柔らかいレキ河原を再生するため、平成18〜21年に河川敷12haの樹木を伐採し、下草を刈りました。 日照が入り、菜の花が自然に発芽・開花するようになります。群落は約10haです。
菜の花まつりは平成20年に企画され、当初の来場は約4,000人、いまは約20,000人。直前の会期は2026年2月28日〜3月15日でした。
発案したのは四万十川自然再生協議会です。平成14年11月設立、66団体約1,800人。 平成18年に貴重植物マイヅルテンナンショウを発見して保護し、平成22年には「四万十の水辺八十八カ所」を選定しました。平成28年度の手づくり郷土賞(国交省)を受けています。
増水が毎年つくり直す河原を、人が手伝った結果の風景です。
世界初のトンボ保護区は、放棄田から作られた
中村へ戻る側にあるのが、トンボ自然公園(トンボ王国)です。
1985年に事業を始めた、世界初のトンボ保護区です。 放棄田が広がる里山を人手で整備し続け、記録種は当初の60種から81種に増えました。年間確認種は2005年から2023年まで60種以上を維持しています。
併設の四万十川学遊館あきついおは、トンボ類約1,000種3,000点を含む昆虫標本約2,500種と、四万十川産約120種を含む淡水・汽水の活魚約300種2,000尾を展示します(環境省30by30アライアンス資料)。
運営は公益社団法人トンボと自然を考える会です。 放っておいた土地ではなく、手を入れ続けた土地で種が増えました。
2日で動くための注意
実務です。
- 中村駅へは高知駅から特急で1時間40分〜2時間ほどかかります。岡山発「南風」・高松発「しまんと」の一部が中村方面へ直通し、それ以外は高知で「あしずり」に乗り継ぎます
- 窪川から西は土佐くろしお鉄道で、JRとは別の会社です。中村駅が中村線・宿毛線の拠点です
- 2日目の西土佐は車が前提です。岩間沈下橋は中村から北西約30kmで、鉄道では行けません
- 国道441号(愛媛県大洲市〜高知県四万十市の約114km)は幅員が狭く落石危険箇所が多いため、異常気象時通行規制区間に指定されています。口屋内バイパスは延長3.0km・幅員8.0m・トンネル2.8kmです
- 市域は632.29km²。中村(下流)と西土佐(中流)は30〜40km離れています
- 2005年4月10日に旧中村市と旧西土佐村が合併して発足した市です。下流と中流が1つの市域に入っているのは、この合併のためです
- 人口は2020年国勢調査で32,694人(14,844世帯)、2026年9月30日現在の市公式では30,478人。平均気温16.3℃・年降水量2,669.2mm(1981〜2010年)です
- 大雨の予報があれば、2日目の上流は行程から外してください。441号が止まると、ほかに戻る道がありません
土産は上流のしょうがと、下流の海藻
瓶ものを持ち帰ります。
1つは、高知産の黄金しょうがと高知産ゆず果汁を使ったポン酢です。 ショウガは四万十川の上流部が県内有数の産地です。2日目に向かう西土佐は中流なので、産地はさらに上流にあたります。
もう1つは鰹のフレークで、にんにく味・青さのり味・ゆず味の3種があります。
青さのり味という選択があるのは、この川の下流の条件と地続きです。 天然スジアオノリは淡水と海水が混じる汽水域でしか育たず、四万十川下流は全国一の収穫量です(国交省)。収穫は2〜4月で、秋に胞子を付けたあとは水温・水量・天候任せの半天然栽培です。
流域の作目は標高で分かれます。瓶の2つも、上流と下流に分かれています。
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宿は中村の市街と、川のそばに分かれる
宿の中心は中村の市街と駅前です。 川のそばは佐田の沈下橋に近い側と、河口の下田に少数。為松公園の上には温泉を名に持つ宿があります。
夜に川へ出るなら、市街か川べりが近いです。 中村駅から佐田沈下橋まで約6kmで、自転車で約40分、車で約15分です。
2日目の朝に国道441号へ入ることを考えると、川沿いの道へ出やすい側のほうが動きやすくなります。
一條大祭に合わせるなら、専用駐車場が無いので、中村駅から徒歩約20分の範囲が効きます。

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- 川べりと町を歩きます。歩けるきれいめスニーカーで
- 沈下橋に欄干はありません。滑りにくい靴底で、夜と雨のあとは無理をしないでください
- 夜に川へ出ます。羽織りものと、足元を照らす小さな明かりを
- 2日目は狭い道を走ります。対向車を待てる余裕を時間に含めてください
- 盛夏の内陸は酷暑になります。帽子と水を多めに
- 菜の花の時期(2月下旬〜3月中旬)は河原に風が抜けます。防風の1枚を
